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デフレーションと低金利の継続する日本は、購買力平価説および金利平価説により、長期平均では名目上の円高が進むのが理論的な期待値である。また円高がデフレ圧力として働く。
2010年現在、「リスク回避の円買い」となっており[27][28]、リスク回避的になる時には、全世界の株が下落し、円高となる傾向が強い。逆に「リスク選好的」となる時には、全世界の株が上昇し、円安となる傾向が強い。
経済学者の松原聡は、円高が起きる主な要因として、1)日本の輸出の増加、2)日本国外からの日本への旅行者の増加、3)日本への投機マネーの増加、を挙げている[29]。
エコノミストの川村雄介は「日本の株価が上がったり、金利が高くなると円高になりやすい」と指摘している[30]。
2014年時点でIMFが試算した購買力平価に基づくドル円の均衡値は、約102円である[31]。
国際収支「為替レート#国際収支」も参照
貿易黒字が増えると円高が進む、あるいは逆に貿易黒字が減ると円安になるという議論があるが、為替介入がない場合、貿易黒字と対外貸付の変化が均衡するように為替は変動する。つまり、貿易黒字が増えてもその分だけ対外貸付が増えなかった時に初めて、両者を均衡させるように円高が進む。結果的には貿易黒字と対外貸付の増える分は同じとなる。
また、貿易黒字の増加分が対外貸付よりも少ない場合には、円安となる。貿易黒字が減る場合も同様に、貿易黒字そのものではなく、対外貸付との相対的な増減によって円高になるか円安になるかが決定する。これは、それぞれ別個に決定する経常収支と資本収支が、経常収支+資本収支+外貨準備増減=0となるよう、為替が調整するように変動するためである。
あくまで貿易黒字が対外貸付より大きくならないように円高が進むのである。
国力「為替レート#国力」および「為替レート#為替レートと物価」も参照
森永卓郎は「円安とは、日本が二流国扱いされていることと同じである」と指摘している[32]。
為替レートに対しては、たとえば「為替は国力を表すはずだ。少子化で衰退していく国の通貨が上昇するのはおかしい」というような誤解を持たれることがある[33]。為替レートというのは基本的に2つの通貨の交換価値に過ぎず、長期的には購買力平価に沿った動きになる[33]。すなわち、インフレ率が高ければ通貨の価値が下がり、インフレ率が低ければ上がると考えることができる。そして、長期的にはそれが為替レートに反映される、とシンプルに考えればよい。基本的に為替レートは単純にモノとモノとの交換レートに過ぎないため、為替が国力を表したり、成長率が高い通貨が買われたりすると言うのは幻想であると言える[33]。 円高が進行しているのは準備通貨としての存在感が強まってきたからだという指摘がある。中央銀行(特にアジアの国の中央銀行)が、ドル中心だった外貨準備の多角化を目指しているためである[27]。 原田泰、大和総研は「為替レートとは、各国のマネーの交換比率のことであり、日本のマネーが増えていない状態で他国のマネーが増えれば、円高になる」と指摘している[34]。原田泰、大和総研は「為替レートを、金融・財政政策で決まる変数とすれば、円高は政策の結果となる。金融緩和せずに財政拡大を行えば円高になる」と指摘している(マンデルフレミングモデル)[35]。 高橋洋一は「為替レートはマネタリーベースと大きく関係している。円高を是正したいなら、円を刷って増やせばよい。円高になると、GDPが減り、株価は下がる。円安になると、GDPが増えて、株価は上がる」と述べている[36]。 アメリカ政府が日本の政策に対する不満を高める局面では、経済のファンダメンタルズ(日米のマネタリーベース格差・金利差など)とは無関係に為替レートが円高ドル安に転換することが多かった(日米貿易摩擦など)[37]。このような日米の政治要因が円高をもたらす現象をスタンフォード大学名誉教授のロナルド・マッキノンは「円高シンドローム」と呼び、日本経済の長期低迷および長期的な円高の理由であると主張した[37]。
準備通貨
金融政策「為替レート#金融政策」も参照
円高シンドローム