内閣_(日本)
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国務大臣の数は、14人以内とされている(内閣法2条2項)。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人以内とすることができる(同条項ただし書き)。

なお、内閣法附則2項の規定により、国際博覧会推進本部が置かれている間は内閣法2条2項の「14人」は「15人」、「17人」は「18人」となり、同3項の規定により東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間は2項の規定に関わらず内閣法2条2項の「14人」は「16人」、「17人」は「19人」となり、同4項により復興庁が廃止されるまでの間は2項・3項の規定に関わらず内閣法2条2項の「14人」は「17人」、「17人」は「20人」となるため、期間によって国務大臣の数が増員されることがある。

国務大臣をもってあてられる職は、内閣法国家行政組織法、その他個別の法律によるため、中央省庁の長であるからといって国務大臣であるとは限らない(例:金融庁長官宮内庁長官公正取引委員会委員長などは国務大臣ではない)。逆に、内閣府特命担当大臣担当大臣のようなスタッフ的な閣僚も存在し、無任所大臣を設置することも認められている。詳細は「国務大臣」および「主任の大臣」を参照
組閣の手続内閣総理大臣官邸

内閣を組織する(組閣)には以下の手順が踏まれる。
国会(下院:衆議院、上院:参議院)が、日本の国会議員(衆議院議員及び参議院議員)の中から新たな内閣総理大臣を指名する(内閣総理大臣指名選挙。首班指名とも呼ばれる)。

天皇が内閣総理大臣を任命する(親任式)。明治憲法・内閣官制下では大命降下があったが、現憲法下では国会の指名に基づく国事行為である。

内閣総理大臣が国務大臣を任命する。

天皇が国務大臣の任命を認証する(認証官任命式)。これにより内閣が完成する。

内閣総理大臣が国務大臣の職を指定する(補職辞令。例:法務大臣を命ずる)。

一般には組閣本部における人事選考は内閣総理大臣の任命前に行われる。つまり次期首相となる者は国会の指名を受けた者という資格において組閣の準備に取りかかることが一般的となっている[4]

内閣総理大臣の任命によって従前の内閣はその地位を完全に失うことになるが(日本国憲法第71条[5]、内閣は合議体であることを本質とすることから内閣総理大臣が一人で内閣を構成している状態は望ましくはなく、内閣総理大臣の任命の時期から他の国務大臣の任命・内閣の成立までは極めて短い期間であることが憲法上期待されていると解されるためである[4][5]

実際には内閣総理大臣や内閣総理大臣周辺などから入閣予定者に対して、組閣当日は待機するように事前連絡があり、首班指名の後、内閣総理大臣官邸に組閣本部が設置されると、順次官邸に来るよう呼び出しの電話があることが多い。その後、与党による閣僚名簿の了承や、親任式・認証官任命式が併せて行われる。詳細は「組閣」を参照
職務
日本国憲法第73条による職務内閣制度創始100周年記念500円白銅貨幣(記念貨幣
表 (左) は旧総理大臣官邸、裏は内閣公印の意匠

法律の執行、国務の総理(憲法第73条1号)

外交関係の処理(憲法第73条2号)

条約の締結(憲法第73条3号)

条約の締結は内閣の職務であるが、その成立、発効には国会の承認が必要とされる。承認は事前が原則であるが、事後であってもよい。


官吏(公務員)に関する事務の掌理(憲法第73条4号)

予算の作成と国会への提出(憲法第73条5号)

政令の制定(憲法第73条6号)

大赦特赦減刑、刑の執行免除、復権の決定(憲法第73条7号)

他の一般行政事務(憲法第73条柱書)

憲法第73条以外の職務

天皇の
国事行為についての助言と承認 - 内閣はその責任を負う。

最高裁判所長官の指名

国会の臨時会の召集の決定

参議院の緊急集会の要求

最高裁判所と下級裁判所の裁判官の任命

予備費の支出

決算の国会への提出

国会に対する財政報告

閣議.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキソースに閣議決定に関するカテゴリがあります。

内閣がその職権を行使するのは、閣議によるものとされている(内閣法4条1項)。閣議は、内閣総理大臣が主宰し(同条2項)、内閣総理大臣はこの場において、内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することもできる(同条)。また、各国務大臣は、案件の如何を問わず、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めることができる(同条3項)。

内閣制度発足以来、閣議の議事録は作成されてこなかったが、2014年4月1日から議事録が作成され一部を除き公開されることとなった[6]

内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する(内閣法6条)。主任の大臣の間における権限についての疑義は、内閣総理大臣が、閣議にかけて裁定する(同法7条)。詳細は「閣議 (日本)」を参照
法案の提出「タコ部屋 (日本の官僚)」も参照

国会で成立する法案の大半は閣法(内閣提出法律案、政府提出法案)であり、関係省庁がいわゆる「タコ部屋」と呼ばれる準備室を設置し、法案を作成する。

日本国憲法には内閣による法律の発案権について大日本帝国憲法第38条相当の規定がないため、学説上の対立が生じた[7]。政府は日本国憲法第72条「内閣総理大臣の議案提出権」を根拠として法律発案権を認め、内閣法第5条を規定した[7]。この解釈は通説の支持を得ているが、有力な異論も存在する[7]
歴代内閣の呼称

内閣制度発足時より内閣は内閣総理大臣の氏名をもとに◯◯内閣と称されている(例:福田康夫内閣麻生内閣)。前職(あるいは元職)の内閣総理大臣が改めて内閣総理大臣に就任して組閣した場合には就任回数を追って第◯次◯◯内閣と称する(例:第2次安倍内閣)。

また、一般に内閣総理大臣はそのままに内閣改造が行われた場合には改造内閣と称して区別される(例:三木改造内閣)。2回以上内閣改造が行われた場合には第◯次改造内閣という(例:第2次池田第2次改造内閣)。
内閣に置かれる機関

狭義の内閣の概念は「大臣の合議体」であるが、内閣には、内閣の事務を補助するために、いわゆる内閣補助部局が設置されている[8]

内閣法に基づき内閣官房が設置されているほか、法律に基づき必要な機関を設置できることとなっている。内閣府デジタル庁内閣法制局国家安全保障会議が各設置法に基づき内閣に設置されているほか、いくつかの本部や会議が法律に基づき内閣に設置されている。

復興庁についても、東日本大震災からの復興を目的として、復興庁設置法に基づき時限的に内閣に設置されている。これらの機関は、国家行政組織法における国の行政機関ではないものの、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律などで行政機関と定義されている。


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