内閣総理大臣
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また、現行の日本国憲法においては、日本の元首について明記された条文は存在せず、日本の元首が誰であるかについては憲法学説上の議論があるが[7]、学説の大多数は、条約の締結権や外交使節の任免権のほか一般に外交関係を処理する権限を有する内閣あるいは行政権首長として内閣を代表する内閣総理大臣を元首と位置付けている。なお、国際慣行上は天皇が元首として遇される[7][8]
呼称
略称

内閣制度の発足当時から、内閣総理大臣の略称として、一般に「総理大臣」がよく用いられるが、このほかにも、「総理」や「首相」との略称、通称も用いられる[6]。異称として「宰相」が用いられることもある[9]
英語表記

この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方
出典検索?: "内閣総理大臣" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年9月)

公式の英語表記は「Prime Minister」である[1][10]。この英訳は内閣制度の導入前より「太政大臣」の英訳として非公式に用いられていた。もっとも、「内閣総理大臣」の英訳としては当初からこの語であったわけではなく、かつては「Minister President of State」(「国の大臣主席)」の意味)というドイツ風の訳語も用いられた[注釈 2]
地位
内閣の首長

内閣総理大臣も内閣の構成員であるが、日本国憲法では内閣総理大臣を内閣の「首長」と位置付けている。内閣総理大臣は他の国務大臣の上位にあって内閣を統率し、外に対して内閣を代表する。さらに行政各部を指揮監督する権限を有する[12]

内閣総理大臣は国務大臣の任免権を有し、内閣総理大臣によって組織された内閣閣議決定を通じて行政権を一手に掌握している。最高裁判所長官の指名権や裁判官の任命権を有し、裁判所の予算は内閣が掌握していることから、内閣総理大臣は裁判所に一定の権限を及ぼしている。また、内閣総理大臣は党首として小選挙区制における公認権を通じて政権与党を掌握している。こうしたことから、内閣総理大臣は閣僚や官僚に対する人事権を通じて行政権を事実上一人で掌握し、人事権と予算編成権によって間接的に裁判所を掌握している。議院内閣制の下ではこうした内閣総理大臣への権力の集中が制度上認められている。他方、米国では大統領行政権が帰属する独任制をとっているが、徹底した権力分立を採用し、解散のない連邦議会が大統領の政策を監視・抑制するほか、連邦最高裁判所判事の任命に上院の承認が必要とされ、連邦最高裁判所が大統領の政策に対して違憲判断を下すなど、権力相互間の抑制・均衡が働いている[13]

憲法上、衆議院解散を決定する権限は内閣に属すると解釈されているが、実質的には内閣の首長たる内閣総理大臣が権限を有する[14]。したがって、内閣総理大臣は閣議を開き、「今般、衆議院を解散することに決したので、国務大臣の諸君の賛成を賜りたい」と全閣僚に対して衆議院解散を諮り、内閣の総意を得た上で、衆議院解散を行うための閣議書に、全ての国務大臣の署名を集めなければならない。しかし、憲法68条2項は「内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる」と定めており、内閣総理大臣は時期や理由を問わず何らの制約なく自由な裁量によって国務大臣を罷免することができる[15]。したがって、衆議院解散を行うための閣議書への署名を国務大臣が拒否する場合、内閣総理大臣は当該大臣を罷免して自身が兼任するか他の大臣に兼任させることで閣議決定を行うことができる[注釈 3]

仮に全閣僚が解散に反対したとしても、内閣総理大臣はすべての大臣を罷免・兼務してでも解散を閣議決定できる(一人内閣)。したがって、内閣総理大臣が解散を行うことを決定した場合、これを阻止する手立ては一切存在しない。もっともこれは衆議院解散のみならず、内閣総理大臣の決定事項すべてについて同じことが言える。内閣総理大臣は自身の方針に反対する大臣を罷免して交代させるか、その任を自身が兼務することが可能である。仮に全閣僚が内閣総理大臣の方針に反対したとしても、内閣総理大臣はすべての大臣を罷免・兼務してでも方針を決定することが可能であり、閣内不一致は最終的に兼務という形で解消することが可能である[16]。解散は憲法7条3号に基づく天皇の国事行為として行われているが、憲法4条1項で天皇は国政に関する権能を有しないと規定されているため、解散権は内閣に属しており、事実上、内閣の首長たる内閣総理大臣が解散権を握っている[17]。したがって、七条解散は、内閣総理大臣が国民に信を問う必要があると判断した際に解散するものとされ、内閣には自由裁量に基づく解散決定権があると解釈されている[18]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:268 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef