共和制
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2022年9月のエリザベス2世死去に伴って共和制を求める意見はさらに強まり[46]アンティグア・バーブーダでは君主制廃止のための国民投票が検討され[47]バハマでも同様の動きがあるほか、オーストラリアの共和制論議も再燃しており[48]ニュージーランドでもジャシンダ・アーダーン首相が将来の共和制導入に肯定的な反応を示している[49]。「君主制廃止」も参照
ヨーロッパ諸国の政体変遷


1815年のヨーロッパ諸国の政体[注釈 2]
.mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  君主国 (55)  共和国 (9)1914年のヨーロッパ諸国の政体[注釈 3]
  君主国 (22)  共和国 (4)1930年のヨーロッパ諸国の政体[注釈 4]
  君主国 (20)  共和国 (15)1950年のヨーロッパ諸国の政体[注釈 5]
  君主国 (13)  共和国 (21)2015年のヨーロッパ諸国の政体[注釈 6]
  君主国 (12)  共和国 (35)

体制共和制国家は以下の色に分類されている。   大統領が議会から分離された大きな権限を持つ(大統領制)   大統領と議会が権限を持つ(半大統領制)   大統領が議会に依存した権限を持つ(議院内閣制)   儀礼的な大統領を持つ、または大統領を持たない(議院内閣制など)   憲法に規定された一党制社会主義国など)   政府の憲法規定が停止されている国 (例:軍事政権)   上記のシステムのいずれにも適合しない国 (例: 暫定政府) 赤・薄紫・紫は君主制国家

共和政国家の体制は、完全な権威主義体制と名目的にでも民主主義体制を取るものとに二分される。共和制独裁政治の体制は、文民が支配する文民独裁と軍部が支配権を握る軍事政権の2つに分かれ、文民独裁はさらに、独裁者個人が大きな権限を握る個人支配体制と、ひとつの支配政党が全権を握る一党独裁制に区分される[50]

民主共和制国家の体制は、執政府の長官と議会との関係によって、大統領制半大統領制議院内閣制の3つに区分される。大統領制は有権者が直接執行府の長官である大統領を選出し、議会が大統領を罷免することは特殊な場合を除きできない。これに対し議院内閣制では、執行府の長官たる首相は民主的に選出された議会から選出され、同様に議会が首相を罷免することも可能である。半大統領制の場合、大統領は有権者から直接選出され、首相は議会から選出される。半大統領制では議会が大統領を罷免することはできないが、大統領が首相を罷免することは可能な国家と不可能な国家の2種類が存在する[51]

大統領は常に権限を持っているわけではなく、ドイツのように大統領の権限が儀礼的なものにとどまる国家も存在する[52]。また執政府の長官の名称が大統領であっても国民から直接選出されるとは限らず、南アフリカのように議会から選出される議院内閣制の大統領も存在する[53]
種類

近代以降の共和制の分類には建国の理念などにより以下があるが、自称である国号とは異なる場合も多く、その定義や範囲は曖昧である。

(一般的な共和制) - 自由主義民主主義などを標榜する共和制。18世紀、アメリカ独立革命フランス革命などにより誕生。後述の社会主義共和国等と対比させて自由主義(ブルジョワ資本主義)国などと呼ばれる場合もある。

社会主義共和制 - 社会主義を標榜する共和制。通常は憲法等の基本法により一党制党の指導性)を明記した共和国。1917年にロシア革命により帝政打倒したロシア・ソビエト連邦社会主義共和国が誕生した。

イスラム共和制 - イスラム国家における共和制。1979年にイラン革命により王政打倒したイラン・イスラム共和国などで採用された。

連邦共和制 - 連邦を主体とした共和制。

国家が標榜する思想や宗教による共和国の分類では、社会主義国社会主義を標榜する共和国であり、多くの国は「社会主義共和国」や「人民共和国」を名乗り、プロレタリア独裁の立場から共産党による指導を定めた。

また1977年から2011年までのリビアは「大衆による共和国」を意味するジャマーヒリーヤを名乗り、イラン革命以後のイランは宗教指導者による指導を重視しイスラム共和国を名乗っている。

共和制の中に、特に民主主義を国の基本的な原則として重視する制度は民主共和制と言い、この制度を採用する国は民主共和国と言う。(ドイツ民主共和国など例外あり)
議論
君主との関係「君主」および「君主国」も参照

共和制は君主が存在しない政体だが、君主の定義や範囲は曖昧で時代や地域によっても異なる。このため公式には共和制でも世襲による君主的存在を元首とする場合や、逆に公式には君主制でも君主が儀礼的な権限しか持たない場合もあり、その境界や用語は曖昧である。共和制と君主の関係や用語が議論となる主な例には以下がある。

帝政ローマローマ皇帝は、政体は共和制で皇帝はプリンキパトゥス(元首)であった。

ヴェネツィア共和国ドージェは、貴族の選挙で選ばれ終身であった。

フランス第一帝政フランス皇帝は、政体は共和制で皇帝は「フランス人民の皇帝」であった。

ポーランド・リトアニア共和国複合君主制だが、選挙君主制で王に統治権は無く(君臨すれども統治せず)、貴族共和国や黄金の自由とも呼ばれる。

インドネシアは共和制だが、各地方の首長的存在としてスルターンが存在する。

日本共産党が目指す民主共和制は天皇の存在自体は否定していない。あくまで国民主権の立場から直接選挙で選ばれた人物を国家元首とすることが目的である。

近代に設立された君主的政体は、その正統性が伝統的な貴族社会にではなく、むしろそれを打倒した革命に求められるため「共和国」を名乗る(「フランス共和国皇帝」を名乗ったナポレオンなど)。

朝鮮民主主義人民共和国シリア・アラブ共和国においては世襲による指導者による強権的独裁が続いており、国名と実態の不一致を批判する目的で「金氏王朝[54]」「アサド朝[55]」との揶揄がある。
民主主義との関係「民主主義」も参照


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