共依存
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そもそも人間関係において誰かに依存するということは病理とは認定されておらず、あくまでも当事者自身が関係に苦痛を感じていることが問題とされる[2]
現象と問題点

共依存者には以下の特徴が見られる。body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}

他人の面倒を見たがる
[11]強迫的世話焼き)

自己の価値を低く見る[11]

抑圧的である[11]

強迫観念にとらわれやすい[11]

相手をコントロールしたがる[11]

現実を直視できない[11]

何かに依存せずにはいられない[11]

コミュニケーション能力に乏しい[11]

他人との境界があいまいである[11]

信頼感を喪失している[11]

怒りの感情が正常に働かない[11]

セックスが楽しめない[11]

行動が両極端である[11]

共依存の二人は、自己愛の未熟な人間が多いと言われたり、パーソナリティ障害であるケースが多いと言われているが、これはアルコール依存症やアダルトチルドレン、それにパーソナリティ障害精神病理から導かれたところが多い。その理由として、共依存者も被共依存者も、他者の価値に依存する傾向が多いということが言われている[5]

例えば、アルコール依存症の家族では患者のアルコール依存を認めるような傾向が認められ、それが患者のアルコール飲酒をさらに深める(イネーブリング[10][7]。共依存者パートナーは、アルコール依存者が依存の直中にある時は精力的で強力であるが、患者がアルコールから回復すると逆に抑うつ状態に陥ったりする[1][7]

またアダルトチルドレンにおいては、両親が自分の評価のために子供を利用し、そのため子供は大人になっても両親からの自立に困難が生じるようになり、自分自身の力のみで自立ができないのである[5]。また、パーソナリティ障害においては、そもそも親が子供に依存的であることが多い。アダルトチルドレンと同様、大人になると子供は他者に依存して、その他者に自分の要望を過度に期待するケースがみられ、それと同時に「これではいけない、これでは駄目だ」等、完璧主義が故に過度に自身を抑圧する状態に陥り、解決の糸口を見出すどころか、自ら墓穴に陥りやすいことも考えておかなければいけない。

共依存の問題点は、被共依存者が回復する機会を失うことだけでなく、共依存に巻き込まれた者がストレスを抱え込み、精神的な異常を訴えたり、さらには関係性に悩み、自殺する場合もある。よって、共依存を引き起こさないためには、医療関係者、専門家、援助者が、共依存を引き起こす者と接する場合には一定の距離を取り、個人的な関係にならないことが必要である[5][12]
リスクファクター

共依存になる環境はアルコール依存症のある家族の中のみならず、精神障害、知的発達障害、薬物依存症、機能不全家族、ネグレクトや虐待のある家庭で育った子供にも共依存の概念を親や周囲の環境の人間関係から受け継がれ生涯に渡り持ちやすく、環境要因から与えられたが生きにくさとして親や周囲の人物と同じ人生を生きやすく、二次障害を持つことがある。
看護職・介護職における共依存

共依存傾向を持つ者は対人援助職に就くことが多い。看護・介護の現場においては、世話をされる者(患者)との関係で、強者(ケア提供者)・弱者(患者)の関係が発生する。その職務の遂行において、患者に対する共依存的行動が発揮されてしまうことがある。これは、ケア提供者の自己評価の低さを補うため、他者への世話をやくことで他者からの評価を求め、ケアが必要な人や被介護者に対して、無意識に献身的に世話を焼き、満足感を得ようとする、といったことに繋がってしまい、患者に害を与えかねない[13]。また、「してやった」という思念を持っている医療者、看護職、介護職にも持ち合わせやすい。この場合は、自身の発言に自信や勇気などが欠如している場合でも一人称では話せないこともある。
パターンと人物像ドン・キホーテのふたり

共依存は、家族、職場、友人など様々な関係において確認され、ロマンチック、対等、コミュニティ関係などで見られる[14]。彼らは、責任という鏡に映った自分を愛する者(ナルシシズム)である。
ロマンチック蟻地獄の関係

この関係における共依存者の目的は、パートナーの欲求を実現させるために極端な自己犠牲を行うことである。共依存関係は不健康な関係であり、本人だけでは自律性や自給自足を獲得することができず、自分の充足を果たすことを最愛のパートナーに依存している[15]。無意識に自分よりも他人の人生を優先しているのは、多くの場合では自分の価値を他人に依存しているのであり、それは誤った考えである。

特に問題となるペアには、以下が挙げられる。
パーソナリティ障害者?共依存者のペア


境界性パーソナリティ障害。BPD患者の恋は自分の世話をしてくれる人への寄生である傾向があり、共依存者は自分の問題よりもBPD患者の問題解決が生活の中心となってしまう。この関係は非常に多く見られ、共依存者は「自分は正常である」「自分が責任を持つ」ことに価値を見出してしまう[16]

自己愛性パーソナリティ障害ナルシシストへの共依存者は、コ・ナルシシスト(co-narcissists)と呼ばれることもある[17]。ナルシシストは、己の理想を受け入れ、理想の実現を支援する能力があり、さらに自己よりも他者の要求を優先するパートナーを求め、そして自分へ引きつけようとする[18]。ナルシシストにとって共依存者は、自分に熱い視線を送り舞台を称賛する、理想的な観客・サポーターである[19]。二者は互いに引きつけ合うため、この関係から、ナルシシストは自分が重要で特別な存在であるというパワーを得ることができ、共依存者は他者を援助したいという欲求を満たすことができる。

共依存かつ(もしくは)不規則衝動的な個人?共依存者のペア[20]


注意欠陥・多動性障害 (ADHD)

強迫性障害

躁状態の双極性障害

機能不全家庭詳細は「機能不全家庭」を参照

機能不全家庭で育った子供は、両親の欲求・感情を汲み取ることを学ぶために、親子関係の役割が通常とは逆転してしまう[21]

育児において養育者は、ある種の自己犠牲奉仕が必要であり、子どもの欲求に答える必要があるのだが、しかし養育者の自己奉仕精神が不健全・破壊的なレベルに達していると、その親子の関係は共依存関係となってしまう[14]。一般的に、子どもの(感情的・身体的な)欲求をくみ取って世話する親はよい養育者とされるが、共依存の親が行う世話は、効果性に乏しかったり有害であったりする[14]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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