公職選挙法
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被選挙権

第10条に定めがある。

衆議院議員:日本国民で年齢満25年以上の者

参議院議員:日本国民で年齢満30年以上の者

都道府県議会議員:日本国民かつその選挙権を有する者で年齢満25年以上の者

都道府県知事:日本国民で年齢満30年以上の者

市区町村議会議員:日本国民かつその選挙権を有する者で年齢満25年以上の者

市区町村長:日本国民で年齢満25年以上の者

選挙権・被選挙権の喪失

第11条に定めがあり、以下に該当する者は選挙権も被選挙権も有しない。

禁錮以上の刑に処せられその執行を終わる、もしくはその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)

公職にある間に犯した収賄罪刑法第197条から同第197条の4まで、および公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律第1条の規定に定められた罪)により刑に処せられ、その執行を終わりもしくはその執行の免除を受けた者でその執行を終わりもしくはその執行の免除を受けた日から5年を経過しないものまたはその刑の執行猶予中の者

法律で定めるところにより行われる選挙投票及び国民審査に関する犯罪により禁錮以上の刑に処せられその刑の執行猶予中の者

この他、第11条の2に定めがあり、以下に該当する者は該当期間中は被選挙権を有しない。

公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、その執行を終わりまたはその執行の免除を受けた者でその執行を終わりまたはその執行の免除を受けた日から5年を経過した者で、当該5年を経過した日から5年間(上述と合わせて10年間の被選挙権喪失)。

選挙に関する区域

選挙の単位については第12条に定めがある。

衆議院(小選挙区選出)議員、衆議院(比例代表選出)議員、参議院(選挙区選出)議員および都道府県の議会の議員:各選挙区において選挙

参議院(比例代表選出)議員:全都道府県府県の区域を通じて選挙

都道府県知事および市区町村長:当該地方公共団体の区域において選挙

市町村議会の議員:各選挙区(選挙区がない場合にあってはその市町村の区域)においてそれぞれ選挙

衆議院議員の小選挙区割および定数については第13条第1項(別表第一)に定めがあり、全国を289の選挙区に分け、各区の定数は1名となっている。比例代表の選挙区の区割は第13条第2項(別表第2)にあり、全国を地域別に11の選挙区(ブロック)に分けている。詳細は「衆議院小選挙区制選挙区一覧」および「衆議院比例代表制選挙区一覧」を参照

参議院議員の選挙区割りおよび定数については第14条(別表第三)に定めがある。かつては各都道府県をそれぞれ1つの選挙区としていたが、2015年7月28日の本法律改正で鳥取県と島根県、徳島県と高知県において合区が行われ、45の選挙区が置かれている。詳細は「参議院議員通常選挙#選挙区制」を参照
選挙人名簿

この節の加筆が望まれています。
詳細は「選挙人名簿」を参照
選挙期日

選挙期日は以下の期間内に行うよう定められている。

議員(国会議員・地方公共団体議員)の任期満了に伴う選挙:任期満了日の前30日以内(第31条第1項、第32条第1項、第33条第1項)

地方公共団体の長の任期満了に伴う選挙:任期満了日の前40日以内(第33条第1項)

衆議院及び地方公共団体議会の解散に伴う選挙:解散の日から40日以内(第31条第3項、第33条第2項)。上述の「任期満了に伴う選挙」に優先して実施される(第31条第5項、第33条第4項)。

地方公共団体の設置(新設)に伴う選挙:地方公共団体の設置日から50日以内(第33条第3項)

なお、衆議院委員(参議院議員)については国会(参議院)開会中にこの期間が含まれる場合は「国会(参議院)閉会の日から24日以後30日以内」に行われる(第31条第2項、第32条第2項)。このため、任期満了後に選挙が行われる場合があり、この場合は選挙の日をもって議員の任期開始日とする。議会の解散に伴う選挙の場合も同様(解散の時点で任期が終了となるため)。

また、地方公共団体において議会の任期満了日が長の任期満了日の90日前から前日までに当たる場合、特例として両者にかかる選挙を同時に実施することが出来る(第34条の2)。

この場合、選挙日は「『長の任期満了日50日前」と『議会議員の任期満了日30日前』の遅い方」から「『議会議員の任期満了後50日』と『長の任期満了日』の早い方」の間に行うものとし、議会議員の任期満了後に選挙を行った場合は、選挙の日をもって議員の任期開始日とする。
選挙期間

各条文において、少なくとも以下の選挙期間を設けること、とされている(選挙期間の初日が公示日に当たる)。

衆議院議員総選挙・衆議院議員再選挙及び補欠選挙:12日間(第31条・第33条の2第8項第1号)

参議院議員通常選挙・参議院議員再選挙及び補欠選挙:17日間(第32条・第33条の2第8項第2号)

都道府県知事選挙:17日間(第33条第5項第1号)

政令指定都市市長選挙:14日間(第33条第5項第2号)

都道府県議会、および政令指定都市議会議員選挙:9日間(第33条第5項第3号)

政令指定都市を除く市長・市議会議員選挙:7日間(第33条第5項第4号)

町村長・町村議会議員選挙:5日間(第33条第5項第3号)

投票方法

地方選挙や国政選挙でよく行われる記名式投票と、記号式投票(第46条の2)の2種類ある。ただし、記号式投票の実施は極少数である。

候補者名以外の文字・記号が書かれた(他事記載)票は無効票となる(第68条第1項第6号、同条第2項第6号、同条第3項第8号)。これは
日本国憲法第15条第4項(秘密投票)を根拠としている。

投票用紙には投票した人の名前を記入してはならない(第46条第4項、日本国憲法第15条第4項)

目の見えない人は投票管理人に申し出ることで点字で投票することができる(施行令第39条)。

施行令第39条では主語に「盲人である選挙人」としか書いてないため、障害者手帳交付の有無とは無関係である。治療中などで一時的に見えなくなった人も対象となる。

施行令第39条で「盲人である」と書いてある通り、客観的に晴眼者とわかる人は点字投票できない。このことは『選挙関係実例判例集(第十六改訂版)』p.436(ぎょうせい)で同様の説明している。


特別選挙詳細は「再選挙」および「補欠選挙」を参照

以下の要件に該当する場合は、再選挙または補欠選挙が実施される。

衆議院小選挙区、参議院選挙区、地方公共団体の長について、選挙後に以下に該当するとき:再選挙を実施(第109条)

当選人がいない、もしくは繰上補充を行っても当選人が定数に達しない

当選人が死亡

本法律の規定に基づき当選人の当選が無効となったとき


衆議院比例代表選出、参議院比例代表選出、地方公共団体の議会議員について、以下に該当するとき:再選挙を実施(第110条)

衆議院・参議院においては議員の欠員が当該選挙区の定数の1/4を超えたとき

地方公共団体においては議員の欠員が当該選挙区の定数の1/6を超えたとき

訴訟または異議申し立ての結果、選挙結果の無効が確定したとき


衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会議員について、欠員の数が一定の条件(補欠選挙の項目を参照)を超えるとき:補欠選挙を実施(第113条)

再選挙・補欠選挙は当該事由が発生してから起算して、国会議員は40日以内(第33条の2第1項)、地方橋公共団体の長及び議員は50日以内(第34条第1項)に行われる。なお、補欠選挙により選任された議員の任期は、前任者の残任期間とする(第260条)。

地方公共団体などで、編入合併によって著しく人口が増大した場合には、増加規模に応じた定数を定めて、増員選挙を行う場合がある。例えば秋田市は、2005年1月11日の合併の際、合併特例を適用しなかったため、旧河辺町雄和町双方の議員が失職したが、従来の秋田市の議員定数を42から46と4名増員し、旧両町で定数各2名の増員選挙を行った。なお、合併に伴う秋田市の人口増加は、有権者数ベースで3.3万人だった。また、増員選挙で当選した議員の任期は、従来の秋田市議と同一となった。ただし、2007年4月22日投票の秋田市議選では、この増員分が削減された。なお、増員選挙の場合はその直前に行われた議会選挙で選出された議員の任期満了日までが任期となる。

選挙運動期間中に候補者が死亡等した場合、投票日から数えて3日前まで(町村長・町村議は2日前)の死亡等であった場合には補充立候補が認められる。
選挙運動

公務員は地位を利用した選挙運動首長など自分の肩書で特定候補への投票を呼び掛ける)をしてはならない。これは特別職であっても例外ではない(第136条の2)。
任期の起算日

本法律に基づき選出される公職の任期の起算日については以下の規定がある。

衆議院議員:任期満了による総選挙が任期満了の日前に行われたときは前任者の任期満了日の翌日、それ以外(解散時を含む)は総選挙の期日(第256条)

参議院議員:原則として前任者の任期満了の日の翌日、通常選挙が前の通常選挙による議員の任期満了日以後に行われたときは通常選挙の期日(第257条)

地方公共団体の議員:任期満了による一般選挙が任期満了の日前に行われたときは前任者の任期満了日の翌日、選挙後に前任の議員が全てなくなったときはその翌日、それ以外(解散時を含む)は一般選挙の期日。(第258条)

地方公共団体の長:任期満了による選挙が任期満了の日前に行われたときは前任者の任期満了日の翌日、選挙後に前任の長が欠けたときはその翌日、それ以外は選挙の期日(第259条)。ただし、長の任期満了前の退職(辞任)に伴う選挙で前任者が再選したときは、その選挙がなかったものとして任期の起算日を決定する(第259条の2)

選挙の費用負担

選挙にかかる費用負担(財政措置)は原則地方財政法に定めるところとされている(第261条)が、都道府県・市町村等の選挙管理委員会が選挙に関する常時啓発のための活動にかかる費用等(講演会、討論会、研修会、講習会、映画会等の開催に要する費用や、新聞、パンフレツト、ポスター等の文書図画の刊行または頒布に要する費用、関係各種の団体、機関等との連絡を図るために要する費用等)や衆議院議員および参議院議員の選挙の結果の速報に要する費用は国が必要な財政措置を執ることになっている(第261条の2)。また、選挙人名簿の調製や選挙公報の発行に要する費用なども国が必要な財政措置を執ることになっている(第262条)。
国庫負担

衆議院議員選挙および参議院議員選挙に関する以下の費用は全額国庫負担とされている(第263条)。

投票用紙及び封筒、不在者投票証明書およびその封筒並びに投票箱の調製に要する費用

選挙事務のため参議院合同選挙区選挙管理委員会ならびに都道府県および市町村の選挙管理委員会、投票管理者、開票管理者、選挙長及び選挙分会長において要する費用


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