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インターネット関連「ネット選挙」も参照
以前の公職選挙法では公示日または告示日から投票が終了するまでの間、候補者の名前の入った選挙運動(投票依頼)目的の文書図画については、選挙管理委員会が発行するシール又はハンコのついた一定枚数の文書図画しか発行できなかった。総務省はWEBページ、ブログ、電子メールも「文書図画にあたる」と解釈し、なおかつWEBの更新については新しい部分だけでなく過去のものも一体のものとして頒布・掲示したことにあたると解していたため、同省は「候補者は選挙期間中WEBサイトを更新できない」という立場をとっていた。電子メールについては、内部の事務連絡に使用するのは問題ないが、不特定または多数に投票依頼を行うことは文書図画の頒布にあたると解していた(政治家がメルマガを発行し続けることについての見解は不明)。このため、以前は総務省の見解を尊重すると、選挙期間中インターネットを利用した選挙活動(ネット選挙)を行えず、ブログの更新や、Twitterのつぶやき[6]、さらにはmixiの足あと[7]まで公職選挙法に抵触するとしていた。ただし、この解釈は一度も司法の判断を受けていなかったため、社会的に定着しきっていたとは言えず、総務省・選管とインターネットを使用して選挙運動を行いたい候補者・市民との間で「両すくみ」のような状態になっていた。ただし、2011年の福岡市議選では、元放送通信会社員で無所属候補の本山貴春がUSTREAM・twitter・Youtube・ブログ・メールマガジンなどを選挙運動期間中に毎日更新したにも拘らず、起訴猶予(事実上の不起訴)となっている(詳細はネット選挙を参照)。この状態を解消するため、インターネットを利用した選挙運動を明文で認める、公職選挙法の改正が2013年4月に行われた。
2007年の東京都知事選挙のある候補者の政見放送がネットで注目され、加工されたものを含めてYouTubeなど動画サイトに多数アップロードされた。この事態を受けて東京都選管は、146条の脱法文書規制ではなく政見放送の回数の公平性を理由としてプロバイダに当該動画の削除要請を行った。
選挙権年齢の18歳以上への引き下げ
2015年(平成27年)6月17日に、第3次安倍内閣(安倍晋三首相)下で「選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げること」など18歳選挙権に関連する改正公職選挙法[8]が成立した。この改正法は、2015年(平成27年)6月19日に公布され、1年後の2016年(平成28年)6月19日から施行された。[9][10]
この改正により、18歳・19歳の約240万人の新たな有権者が出現することになり、投票率が低い若年層の意見がより政治に反映されることが期待された。2016年(平成28年)6月19日の改正法の施行日以後に、期日が公示される総選挙又は通常選挙から適用される[11]ため、2016年(平成28年)の第24回参議院議員通常選挙の公示以後適用となった。ただしこの参議院選挙の公示の日以後に、選挙の告示がされた地方選挙で、参議院選挙の投票日より前(具体的には1週間前の7月3日)に投票日が設定されたものにも適用がされた。具体的には、2016年(平成28年)6月26日告示、同年7月3日投票の福岡県うきは市長選が日本初の18歳・19歳選挙となった[12](平成28年(2016年)6月28日告示、同年7月3日投票の滋賀県日野町長選挙も日本初の18歳・19歳選挙として予定されていたが、立候補が現職1人のみだったため無投票当選となり選挙は行われなかった[13])
この改正に伴い、「少年法の適用対象となる18歳・19歳が連座制の対象となる悪質な選挙犯罪を行った場合に、原則として家庭裁判所が検察官送致をしなければならないこと」が改正法の附則第5条に定められた。
その他
地方の首長選において、ローカル・マニフェストの配布が2007年の統一地方選挙から、「ビラ」という形で解禁された。
2007年の長崎市長選挙の期間中の4月17日、現職の市長であり候補者であった伊藤一長が暴力団関係者に銃撃され、翌日早朝に死亡する事件が発生した(長崎市長射殺事件)。上記の補充立候補の期限切れ間際に2人が立候補をしたが、多くの無効票が発生したり、補充候補者の選挙活動期間が他の候補者より大幅に短かったり、事件のショックが覚めやらぬ中で4月22日の投票日を迎えて有権者が投票を迫られたなど、多くの問題が発生した。このため、期日前投票を含めた現行の公職選挙法の見直しの議論が起こっている。具体的には、期日前投票のやり直し(既に投じられた票を一旦全て破棄した上で再度投票してもらう)、選挙実施日の延長などが提案に挙がっている。
2011年の統一地方選挙は、3月11日に東日本大震災が発生してわずか1か月で最初の投票日を迎えた。選挙の実施が困難な自治体は臨時特例法によって選挙の延期が認められたが、それ以外の自治体でも候補者が選挙活動の自粛を余儀なくされる異例の選挙となった。千葉県議会議員選挙では、浦安市長と同市の選挙管理委員会が選挙事務の執行を拒否したために同市選挙区の有権者が投票を行えず、再選挙となる事態も起こっている。こうした状況下で岩手・宮城・福島・茨城の4県の被災自治体以外での選挙の予定通りの実施を決めたことに対しては、みんなの党(一律で選挙を延期する独自の法案を国会に提出していた)などから批判も挙がった。
2020年以降の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症によるコロナ禍で、陽性反応が出たため自宅や宿泊施設での療養状態にある感染者の投票機会確保が課題となった。