公定価格は概ね一か月前の価格を参考に決定された。ビールや清酒、砂糖などは増税分を織り込んだため値上げとなる[5]一方、コーヒー豆や針金など2割程度引き下げとなったものもある。コーヒー豆など品質の優劣や産地は問われず価格の一本化が行われた[6]ため流通が混乱したものもあった。カステラの例では、重さで公定価格が決められていたため、鶏卵や砂糖など高価な材料の使用が控えられて品質が劣化。別途、農林省が原材料の使用量を定めたケースも見られた[7]。
終戦後もインフレーションが収まらず、1946年(昭和21年)3月3日には価格等統制令に代わる物価統制令が公布された。その後、1949年(昭和24年)のドッジ・ライン実施以後にインフレーションは収束に向かい、公定価格は徐々に撤廃されていった。なお、物価統制令は2017年現在も有効な法律である。
脚注[脚注の使い方]^ ⇒日本のビールの歴史(昭和15年-) キリンビールホームページ 2017年8月17日閲覧
^ 「公定」やめ「最高価格」に改める『朝日新聞』昭和16年6月12日『昭和ニュース事典第7巻 昭和14年-昭和16年』本編p156 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
^ 公定価格の総本山・中央物価委見直し『東京朝日新聞』昭和14年3月12日(『昭和ニュース事典第7巻 昭和14年-昭和16年』本編p152)
^ 富山市史編纂委員会編『富山市史 第二編』(p845)1960年4月 富山市史編纂委員会
^ 砂糖、ビールなどに公定価格『東京朝日新聞』昭和14年3月31日(『昭和ニュース事典第7巻 昭和14年-昭和16年』本編p153)
^ コーヒーの公定価格決まる『東京朝日新聞』昭和14年3月12日(『昭和ニュース事典第7巻 昭和14年-昭和16年』本編p152-p153)
^ まずいお菓子追放へ新規格登場『朝日新聞』昭和16年9月16日夕刊(『昭和ニュース事典第7巻 昭和14年-昭和16年』本編p157)
参考文献
清水洋二「公定価格」(『日本歴史大事典 2』(小学館、2000年) ISBN 978-4-09-523002-3)
関連項目
配給