実際の適用例としては、1961年(昭和36年)、旧軍元将校らが画策したクーデター未遂事件(三無事件)で、同法で有罪となった事例(個人適用)がある[14]。
1994年(平成6年)から翌年にかけて松本サリン事件や地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教(現Aleph)に対し、破壊活動防止法の解散処分請求が行われたものの、1997年(平成9年)1月、公安審査委員会が同法の要件を満たさないと判断して適用は見送られた。詳細は「破壊活動防止法#適用と検討例」および「オウム真理教#教団への解散命令」を参照
その後、再びオウム真理教の活動が活発になったことから、1999年(平成11年)12月、破壊活動防止法の適用要件を柔軟にした「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」が施行された。公安調査庁は、同法に基づき、Aleph施設の立入検査を継続している。
旧民主党政権の事業仕分けでは廃止の候補になったこともある[15]。 ほか多数 日本国内に関しては、旧オウム真理教(現: Aleph、ひかりの輪)、日本共産党、革マル派・中核派などの新左翼、右翼団体ないしは右翼標榜暴力団、行動する保守(右派系市民グループ)、朝鮮総連、沖縄で「琉球独立」などと唱える勢力などの情報を収集している。同庁のホームページの動静調査のページには、左右諸団体の活動報告が掲載され、適宜更新されている[16]。詳細は「破壊活動防止法#調査対象団体」および「日本共産党#破防法調査対象団体」を参照「日本の新左翼#主な党派」および「在日本朝鮮人総聯合会#公安調査庁による調査」も参照 旧オウム真理教系の宗教集団であるAlephやひかりの輪については、活動形態に違いこそあれ、松本智津夫(麻原彰晃)の教義を広める目的は共通しているとし、オウムと同一団体とみなしている[17]。そのため、団体規制法の規定に基づき、Alephやひかりの輪についても、立入検査をはじめとする観察処分を長期的に実施している。2015年1月23日には、公安審査委員会の審査により、「本質的な危険性を引き続き保持していると判断」し、5回目の観察処分の期間更新(つまり、観察処分としては6期目)が発表された[18]。同集団関連施設への立入検査は、月1 - 2回のペースで実施されており、2015年3月の時点において、19都道府県下延べ608か所(実数131か所)への検査の実施が公表され、麻原の写真や麻原・上祐の説法教材の多数の保管が確認されている[19][20]。「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律#適用対象」および「Aleph (宗教団体)#名称について」も参照 一方、ひかりの輪は、立入検査情報の漏洩があった等の理由により、国家公務員法違反罪(守秘義務の違反)にて公安調査庁の職員を東京地検に告発している[21]。また、観察処分更新は「証拠曲げた」結果であるとし、金が目的でないとしてわずか損害賠償請求額3円の訴訟を提起している[22]。観察処分の5回目の延長決定に対しても「誤った事実認定に基づく決定で、訴訟で取り消しを求める」と主張している[23]。 また、日本共産党の支持勢力を中心に一部の労働組合や労働争議支援団体、反戦運動・反基地運動、原子力撤廃・反核運動、市民オンブズマンなど行政監視グループ、部落解放・女性解放など人権擁護運動(アムネスティ・インターナショナル、自由法曹団、日本国民救援会、青年法律家協会等)、消費者団体(生活協同組合や産地直送運動・環境保護団体)、言論団体(日本ペンクラブ、日本ジャーナリスト会議等)などについても情報収集を行っているとされ、これらの団体から「調査・監視対象化は不当」と非難されている[24]。 2006年版までの『内外情勢の回顧と展望』では、「社会通念からかけ離れた特異な活動をしている団体」を「特異集団」と位置づけ、情報収集を行ない発表していた。なお、特異集団とは新宗教(新興宗教)やカルトなどとは異なる概念であり同義ではないが、「不安感をあおって執拗な勧誘を行った集団」をも含めた概念である[25]。 2005 - 2006年版には、日蓮正宗系新興教団の冨士大石寺顕正会が名指しではないものの取り上げられたことがあった。また「在日関係者を取り込むことで勢力拡大を図る動きをみせた集団もあった」、「こうした『特異集団』は、危機感や不安感をあおった上で勢力拡大を図っており…」、「不法事案を引き起こすことも懸念される」などと指摘するくだりがあり、これら記述は2022年(令和4年)の安倍晋三暗殺事件後に立憲民主党の辻元清美が提出した質問主意書に対する答弁書で、「世界平和統一家庭連合(旧・世界基督教統一神霊協会)のことを指す」と内閣も認めた[26][27][28][29][30][31][32][33][34][35]。
特別高等警察からの参画者
大園清二(香川県特高課長、広島県特高課長、北海道特高課長、警視庁外事課長、警保局事務官ハルピン駐在官)近畿公安調査局長
太田正明(福井県特高課長、大阪府外事課長、大阪府治安部特高課長、大阪府治安部特高第一課長兼外事課長、警視庁特高第一課長)神奈川地方公安調査局長、公安調査庁調査第二部参事官、四国公安調査局長、北海道公安調査局長
田中健次(大阪特高課警部補、警保局保安課属、警務官補、徳島県特高課長、千葉県特高課長)千葉地方公安調査局長、茨城地方公安調査局長、公安調査庁調査第二部第三課長補佐
林一夫(三重県特高課長、警保局事務官兼外務事務官、神奈川県外事課長)北海道公安調査局長
麓昇(徳島県特高課長、三重県特高課長)宮崎地方公安調査局長、長崎地方公安調査局長、山口地方公安調査局長
沼田喜三雄(山口県特高課長、長崎県特高課長、警視庁検閲課長)四国公安調査局長、中国公安調査局長、公安調査庁研修所長
山田誠(青森県特高課長、岡山県特高課長)公安調査庁調査第一部長
横山重一(警保局保安課属、警務官補、熊本県特高課長)茨城地方公安調査局長、長野地方公安調査局長
渡辺次郎(和歌山県特高課長、神奈川県外事課長、警保局書記官兼上海領事)公安調査庁第二課長
尾崎米一(大阪府特高課警部、特高第一課検閲係長)近畿公安調査局調査第一課課長補佐、滋賀地方公安調査局長
小川一郎(愛知県警視)岐阜地方公安調査局長
片岡政治(警視庁警視)公安調査庁調査第一部第一課課長補佐
武良操(大阪府警視)兵庫地方公安調査局第二課長
小橋勇(大阪府特高課警部)近畿公安調査局調査第二課第二係長
能仁充平(警保局属)公安調査庁総務部資料課員、公安調査庁総務部資料課課長補佐
調査対象
国内関係Alephの名古屋施設に対する立入検査(2022年7月)
特異集団