公安委員会
[Wikipedia|▼Menu]
ただし、東京都北海道京都府大阪府及び政令指定都市を含む県(宮城県埼玉県千葉県神奈川県新潟県静岡県愛知県兵庫県岡山県広島県福岡県熊本県)は、2人(特定委員といわれる)を加えて、計5人の委員で組織される[4]。政令指定都市を有する道府県の2人の特定委員は、当該政令指定都市の市長が市議会の同意を得て推薦した者について知事が任命する。特定委員は「指定市の議会の議員の被選挙権を有する者」と定められている。すなわち25歳以上の日本国民(国籍条項)で当該政令指定都市の住民であることが要件になっている。

静岡県大阪府福岡県のように2つの政令指定都市がある場合は、それぞれの政令指定都市の市長が1人ずつ推薦する。

神奈川県のように3つ以上の政令指定都市がある場合は、うち2つの政令指定都市の市長が1人ずつ推薦する。特定委員の1人が任期満了(再任を除く)または欠けた時に、まだ推薦したことのない政令指定都市、あるいは、推薦した特定委員が任期満了または欠けた日が最も古い政令指定都市、の市長が推薦する[5]

北海道では、北海道公安委員会に5人(札幌市長が推薦した特定委員の2人を含む)、函館旭川釧路北見の各方面公安委員会に3人ずつ計12人、合わせて17人の公安委員が任命されている。

「心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合」「委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合」は知事は都道府県議会の同意を得て、罷免することができる(特定委員は当該政令指定都市市長と市議会の同意も必要)[6]。また、都道府県の有権者の3分の1以上[注 4]の署名を集めて請求して都道府県議会に付議し、議員の3分の2の定足数で4分の3以上の多数で同意があればリコールをすることができる。

任期は3年で2回の再任が可能(都合最長3期=9年)である。

委員長は委員の互選により任期は1年(再任可)。

苦情申出制度

警察法第79条に基づいて、警察職員の職務執行について苦情がある場合は、各都道府県の公安委員会に対し、署名または捺印の上、文書により苦情の申出をすることができる。この手続に関し必要な事項は国家公安委員会規則である苦情の申出の手続に関する規則において記載されている。警察を含む、そのほかの苦情申し立てについては請願法に基づく請願により行う。
制度上の定義

この制度における苦情とは、

警察職員が、職務執行において違法、不当な行為をしたり、なすべきことをしなかったことによって、何らかの不利益を受けたとして個別具体的にその是正を求める不服

警察職員の不適切な執務の対応に対する不平不満

以下のような申出はこの制度に含まれない。

当事者以外(目撃者など)の申出

匿名による申出

電子メールやファクシミリや口頭(電話を含む)での申出

個別具体的ではない、一般論的な苦情や意見の申し出

提出する文書

申出にかかる文書に所定の書式は無く、自由に記載してよい。ただし、制度上最低限必要な情報として下記のものが挙げられる。
警察法第79条に基づいて、公安委員会に対し苦情の申出をするという表明文

申出をした本人の氏名および署名または捺印

申出をした本人の住所および連絡先

苦情の内容(職務執行の日時及び場所、担当警察官の態様や行動、発言など、またその他の具体的内容)

本人に生じた不利益や損害の具体的内容

担当や関係する警察官または職員を特定するための情報(所属や階級、氏名や識別番号など)

そのほか参考となる事項

申出者の氏名、住所、連絡先は、申出に対して公安委員会が文書による報告を行うために必要な情報で、苦情の申出があったとき公安委員会は調査を行わなければならない。また、その内容に対し、どのような処置を行い、その結果がいかなるものかを申告者に文書によって報告しなければならない。申出た際に記載した個人情報は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づいて、目的外利用されない権利があり、公安委員会に請求することで開示、訂正及び利用停止を求めることができる。

苦情の内容や、生じた不利益、損害、関係者を特定する情報については、事実関係の調査やその後の処置に関して必要な情報となるため、可能な限り具体的に記載し、提出可能な物的証拠がある場合はその旨を記載する。警察官を特定する識別番号は、制服の識別章にあるアルファベットと数字の組み合わせで、階級及び氏名は警察手帳に記載されているので、提示を求めて記録しておくとよい。
問題点

この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2018年11月)

公安委員会の問題としては以下の主張がある。

事務局は警察本部庁舎(国家公安委員会も中央合同庁舎第2号館、つまり警察庁)に同居、庶務や事務職員も警察職員なので、制度として中立性や情報の機密が担保されていない。これがために公安委員会に市民からの書類が届く前に都道府県警察職員によって書類の受理遅滞や受理拒否が行われる事態が存在する。

都道府県知事や議会に警察に対する直接の権限がないため、警察不祥事が発生しても、公安委員会を介さなければ、真相究明を行うことができない。

実際の運用にあっては地元名士や財界有力者が公安委員に任命されるケースが少なくなく、警察や司法に精通していない者が就任してしまうという問題が指摘されている。そのような場合、委員が彼らの名誉職のようなポストにもなっており、委員会自体が強い権限を持っていてもメンバーに問題があり、うまく機能しないことが多いといわれている。
また、警察側の発言力が強いため、警察側の発言権や意向が全面優先され、警察主導で議事が決定してしまうことが全国においてしばしば発生しており、問題視されている。実際、ほとんどの自治体において公安委員会は「目付役」でありながら警察側の意向に異議を唱えることがほとんどなく、都道府県において多かれ少なかれこの気質は存在している。国家側でも国家公安委員会警察庁が意見対立することは滅多になく、大半の場合、警察庁側の意向は国家公安委員会に受け入れられている。

公安委員会側に刑事訴訟法や国家公安委員会規則等の各種警察行政に関する法的見解によって刑事行政の判断をする者が少ないため、警察法79条による都道府県警察の苦情申出が公安委員会に行われても、その対応に際して警察側の言い分がそのまま通るようになっている。これがために苦情申出制度が有効に機能していない面が存在する。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 地方分権一括法施行以前は団体委任事務
^ なお、旧警察法における都道府県公安委員会は国の機関委任事務たる都道府県国家地方警察を管理していた。
^ 道警察には方面本部が設置され(警察法第51条)、方面本部を管理するために方面公安委員会(ほうめん―)が設置される(警察法第46条)。委員の人数、任期等については政令指定都市を含まない県についての規定が準用される。現在、唯一の道である北海道にのみ存在している。
^ 地方自治法等の一部を改正する法律(平成14年法律第4号、2002年3月30日公布)により「その総数の3分の1(その総数が40万を超える場合にあつては、その超える数に6分の1を乗じて得た数と40万に3分の1を乗じて得た数とを合算して得た数)以上」と改正されている。

有権者規定数割合
39万9999人13万3333人33.333333%
40万0004人13万3334人33.333331%
50万0000人15万0000人30.000000%
99万9998人23万3333人23.333346%
100万0004人23万3334人23.333306%
110万0000人25万0000人22.727272%


出典^ 警察法第38条第1項。
^ “方面本部・警察署などのホームページ”. 北海道警察. 2023年8月4日閲覧。
^ 警察法39条。
^ 警察法38条2項
^ 警察法施行令第3条の3
^ 警察法41条2項

関連項目

警察本部

警察署 - 幹部交番 - 交番 - 駐在所

運転免許 - 運転免許証


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:32 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef