公園
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1956年(昭和31年)の都市公園法により、体系化され公園の整備基準等が定められた。

都市公園は都市公園法第2条及び都市計画法第11条第1項?第2項に該当する土地で、同法では「園路、広場花壇砂場植物園動物園、野外ステージ、プール、陳列館、売店駐車場など」を備えた敷地としている。

都市公園法に規定される都市公園には次のものがある。
「国営公園」広域的な利用に供するもの及び国家的な記念事業として設置するもの。

「地方公共団体が設置する都市公園」街区公園・近隣公園・地区公園・総合公園・運動公園・広域公園等々

営造物公園は厳密には都市公園法に基づく都市公園に代表され、国又は地方公共団体が一定区域内の土地の権原を取得し、目的に応じた公園の形態を創り出し一般に公開する営造物で、都市公園法に基づき、国、都道府県、市区町村が設置・管理している。自治体等の都市計画関連部署は、都市公園法で規定されている都市公園及び特定地区公園を所管する。

公園に設置できる施設は以前、トイレや休憩所、災害用倉庫などに限られていた。2017年6月施行の改正都市公園法で、保育所学童クラブ、高齢者福祉施設などが加えられ、レストランも出店しやすくなった[2]

類似しているものとして、旧厚生省 所管、児童福祉法に基づく児童遊園(遊び場参照)、厚生年金による年金公園などや市区町村の条例に基づく公園(後述の「都市公園以外の公園」を参照)などがある。なお○○遊園(遊園地)と名乗るものや○○パークと名乗るものは、例外はあるが大抵は法人経営のものである。
住区基幹公園

街区公園(従来は児童公園と称した)半径250m程度の街区に居住する人々が利用する0.25haを標準とする公園。

近隣公園半径500m程度の近隣に居住する人々が利用する2haを標準とする公園。

地区公園半径1km程度の徒歩圏内に居住する人々が利用する4haを標準とする公園。全国各地にある
中央公園と称する公園はこの類のものが多い。

都市基幹公園

総合公園市町村全域の人々が、総合的に利用することを目的とした公園。

運動公園市町村全域の人々が、運動に利用することを目的とした公園。1951年の公園施設基準により、運動場と緑地計画標準案にある運動公園とを区分している。これにより、観覧席を除く体育運動施設の敷地面積で、総面積が50パーセント未満のものを運動公園とし、総面積が50パーセント以上のものは運動場となる。

大規模公園

複数の市町村に住む広範囲の住民が利用することを目的とした公園。

広域公園主として一の
市町村の区域を越える広域のレクリエーション需要を充足することを目的とする公園で、地方生活圏等広域的なブロック単位ごとに1箇所当たり面積50ha以上を標準として配置する。

レクリエーション都市大都市その他の都市圏域から発生する多様かつ選択性に富んだ広域レクリエーション需要を充足することを目的とし、総合的な都市計画に基づき、自然環境の良好な地域を主体に、大規模な公園を核として各種のレクリエーション施設が配置される一団の地域であり、大都市圏その他の都市圏域から容易に到達可能な場所に、全体規模1000haを標準として配置する。主なものに南予レクリエーション都市(愛媛県南部)、熊野灘レクリエーション都市孫太郎(三重県)、九十九里浜蓮沼リゾート(蓮沼海浜公園, 千葉こどもの国キッズダム)、奥只見レクリエーション都市公園(小出地域・響きの森公園,根小屋地域・根小屋花と緑と雪の里公園,須原地域・須原公園,大湯地域・大湯公園,浅草岳地域・浅草岳公園)など。



特殊公園風致公園の摂津峡公園大阪府高槻市

風致公園動物公園植物公園歴史公園墓園をいう。なお植物園や動物園は、博物館法という日本の博物館の基本法の定義では、同じ社会教育機関として位置づけられてもいる。植物公園の中には、近年の施策として都市住民の緑化意識の高揚と植栽知識の復旧等を図り、都市緑化の推進に資することを目的に、緑の相談所や教材園(見本園)を設置した都市緑化植物園などがある。歴史公園については日本の歴史公園100選なども参照。墓園とは、墓地、埋葬等に関する法律第2条第4項に規定する墳墓、すなわち死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設の集合を包括する一団の土地で、静的な公園の機能を併せ持つ施設をいう。東京都所管では多磨霊園八柱霊園などがある。
国営公園

国営公園は複数の都道府県の住民が、利用することを目的とした公園。国営なので通常は国土交通省管理運営。また近年の施策としてオートキャンプ場の整備が国(国営公園)や自治体(大規模公園)を中心に積極的に推進されており、質の高い快適なオートキャンプ場を続々新設するなど、施設面での環境整備を進めている。
緩衝緑地

緩衝緑地大気汚染騒音振動悪臭等の公害防止、緩和若しくはコンビナート地帯等の災害の防止を図ることを目的とする緑地で、公害、災害発生源地域と住居地域、商業地域等とを分離遮断することが必要な位置について公害、災害の状況に応じ配置する。
都市緑地

主として、都市の自然的環境の保全ならびに改善、都市景観の向上を図るために設けられている緑地であり、1箇所当たり面積0.1ha以上を標準として配置する。但し既成市街地等において良好な樹林地等がある場合あるいは緑化樹木を植樹することにより都市に緑を増加又は回復させ都市環境の改善を図るために緑地を設ける場合にあってはその規模を0.05ha以上とする。
都市林

主として動植物の生息地または生育地である樹林地等の保護を目的とする都市公園。都市の良好な自然的環境を形成することを目的として配置する。
緑道(緑道公園)

緑道は災害時における避難路の確保、市街地における都市生活の安全性及び快適性の確保等を図ることを目的として近隣住区又は近隣住区相互を連絡するように設けられる植樹帯及び歩行者路又は自転車路を主体とする緑地。幅員10?20mを標準として、各都市施設(公園、学校、ショッピングセンター、駅前広場等)を相互に結ぶよう配置する。
国民公園

国民公園は、環境省設置法に基づき、環境省が維持及び管理を行っている公園。皇居外苑新宿御苑京都御苑の3箇所と千鳥ヶ淵戦没者墓苑
施策別・事業別公園の分類
特定地区公園(カントリーパーク)

都市計画区域外の一定の町村における農村漁村の生活環境の改善を目的とする公園。面積4ha以上を基準として配置する。第三次全国総合開発計画の地方定住構想の趣旨を受けて、都市計画区域外の一定の農山漁村の地域において、住民の文化スポーツ面で都市的な施設に対する要求に応えるとともに、生活環境を改善するため、都市公園における地区公園相当規模(標準面積4ha)の公園に応じ、1990年から補助が行われている。
防災公園東京臨海広域防災公園東京都江東区

防災公園とは「地震に起因して発生する市街地火災等の二次災害時における国民の生命、財産を守り、大都市地域等において都市の防災構造を強化するために整備される、広域防災拠点、避難地、避難路としての役割をもつ都市公園および緩衝緑地」としている。

都市の中に確保されたオープンスペースは、都市災害の避難場所という安全性向上の役割や、都市環境の保全というような役割があるが、都市の公園や緑地も本来防災機能を有しており、多くは従来から避難地に指定されているが、防災まちづくり#防災公園にあるとおり、防災的役割を担う都市公園の中でもとりわけ高い防災機能を持つ都市公園を国土交通省が整備を推進している。

防災公園は、その規模や機能により都市公園を次の5種類に区分される。
広域防災拠点の機能を有する都市公園。広域公園等

広域避難地の機能を有する都市公園。都市基幹公園、広域公園等

一次避難地の機能を有する都市公園。近隣公園、地区公園等

避難路の機能を有する都市公園。緑道等

石油コンビナート地帯等と背後の一般市街地を遮断する緩衝緑地。

さらに、このほかに、身近な防災活動拠点の機能を有する都市公園(街区公園等)をも含めて「防災公園等」と称している。災害等の生命に関わる緊急時において、これら防災公園は、防災関連施設と連携し活用され、地域防災計画や災害復興計画等に基いて運用される。

公園種別と具体的役割公園種別主な役割
広域公園(大規模公園)最終避難地、負傷者等の救護活動や復旧・復興等を目的とした広域避難、緊急車両基地やヘリポート等の広域防災拠点
都市基幹公園(総合公園・運動公園)負傷者救護・救援活動の前線基地や避難者の生命を保護する地域防災拠点、物資運搬中継など
都市公園(近隣公園・地区公園)近隣住民の緊急避難の場、避難集合地、広域避難中継地など
緑道等安全な避難地へ通ずる誘導地
緩衝緑地爆発等における被害防止と軽減目的

平和公園詳細は「平和公園 (曖昧さ回避)」を参照
記念公園

何らかの出来事等を記念して設置する公園で、「○○記念公園」という名称の公園となることが多いが、名称に「記念」の文字がなくても都市公園等で大規模なものは大概何かを記念して公園を設置しているケースが多い。
森林公園前田森林公園北海道札幌市)詳細は「森林公園」を参照
自然生態観察公園(アーバン・エコロジー・パーク)

都市化の進展による自然環境の減少に伴い、都市内において野鳥等の小動物と接する機会が、減少している一方、野鳥や昆虫等と身近にすることへのニーズは年々増加し、都市内において小動物のオアシスとなるべき質の高い緑地環境の保全創出を図る必要から、都市に自然を呼び戻し、人間と生物がふれあえる拠点整備を目的とした公園。
県民の森 - 市民の森詳細は「県民の森」を参照詳細は「市民の森」を参照
ふれあい公園

高齢化社会に対応した都市公園整備の一環として、基幹公園から大規模公園までを対象に、高齢者と子供がともに楽しめるように配慮した都市公園として整備される公園。通常の公園機能に加え、ゲートボールや簡単な球技のできる多目的広場を設置するものとしている。
地域活性化拠点公園(リゾートパーク)

産業転換を図ろうとする業種の工場・倉庫跡地及びリゾート地域。これらを地方公共団体により都市公園の整備、及びこれと一体となったリゾート施設を民間活力の積極的活用により整備することにより、良好な環境と景観を備え、公開性を有し、低廉な料金で利用できるリゾート施設等の整備を図ることを目的としている。

相互に関連した次の3区域からなる。
都市公園区域(リゾートパークの中核となる都市公園を整備する区域)

都市計画公園区域(都市計画公園のうち、都市公園を除いた区域で、特殊事業により公共性の高い民間施設を整備する区域)

民間施設区域(その他の民間施設の整備を促進する区域)

広場公園詳細は「広場」を参照
交通公園高槻城跡公園内の交通公園

交通公園は児童が遊びながら交通知識や交通ルールを体得させることを目的として設置される都市公園で、園内には信号機横断歩道道路標識など、道路を模した施設(コース)が設けられており、第1次交通戦争と呼ばれる1960年代から全国的に整備がはじめられた[3]自動車の急増と児童の交通事故が大きな社会問題となってきた背景を受けて1962年(昭和37年)発行交通公園設置運営要領により定められ、1963年(昭和38年)11月に国内初の交通公園 兵庫県立西武庫公園兵庫県尼崎市、2012年4月に兵庫県から尼崎市へ移譲)が開設された。
大通り公園

100m道路などに面して造られる細長く延びる大規模な都市公園で、成り立ちから考えれば当然のことながらこれらの公園は「公園」というより「広く造られた舗道」という印象をもつ。大通公園(札幌市)、大通り公園(横浜市)、久屋大通公園(名古屋市)などがある。
保存緑地と公開緑地

保存緑地は緑の保全を図るため、樹林地、樹木等を保存緑地として指定する制度で、各自治体等で条件に該当するものを指定の対象としている。公開緑地は緑の活用を図るため、公開できる緑地として指定する制度で、都市計画区域内において遊休となっている私的空閑地について土地所有者と地方公共団体との間で土地の使用について契約を結んで施設の整備を行い、整備後は都市公園として設置する。児童公園的な利用が図られる児童公園型や既存樹林を利用して林間レクリエーションの場を提供する市民の森型などに分類することができる。
健康運動公園、ウエルネスパーク

第4次都市公園等整備5ヵ年計画(1986,建設省)でグリーンフィットネスパーク(健康運動公園)を事業制定し、その後天皇陛下御在位六〇年記念事業の一環として地方公共団体が整備する記念健康運動公園の設置要綱について <昭和六一建設省都公緑発六四>で、天皇陛下御在位60年記念健康運動公園として1986年に建設省が活力に満ちた長寿・福祉社会を形成するため、高齢者、障害者を含むすべての人がそれぞれのライフステージに応じた健康づくりや余暇活動ができるよう、厚生省と連携調整を図り整備された都市公園のこと。主な施設内容としては、日常的にジョギングや体操など手軽な運動が行える多目的広場や、健康運動に係る施設などがある。合計で百数十ヵ所の健康運動公園が指定、整備された。
その他の公園

その他の省庁・自治体ほかが関係する造営物公園には、次のような事業等により、次のようなものがある。
河川公園(河川環境整備事業・ダム湖活性用環境整備事業)

河川公園は一般には河川法(昭和39年法律第167号)第6条第1項に規定する河川区域内に設置する公園。河川法に基づいて行われる河川整備事業のうちの河川環境整備事業での、環境護岸、せせらぎ水路、散策路等の整備を行う「河道整備事業」と河川水面利用の適正化や推進を図る「河川利用推進事業」などで設置されたりするが、大半は都市計画法(昭和43年法律第100号)第11条第1項に規定する都市施設を除いたものである場合が多い。


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