[23] イギリスには各地方に住宅部局があり公営住宅を供給・管理している[2]。第一次世界大戦の勃発により労働者住宅の家賃が高騰し、1915年にはグラスゴーで家賃ストライキが発生するなど住宅難が社会不安を生じさせていた[30]。 1919年には住宅及び都市・農村計画法(アディソン法)が制定され、地方自治体が公共住宅を建設する場合の政府補助金の制度を創設した[30]。 1930年には住居法(グリーンウッド法)が制定され、地方自治体がスラムを撤去する場合の補助制度や地方自治体の家賃割引の権限を定めた[31]。 1949年には住居法が制定され、公的住宅供給の条件であった労働者階級という要件を撤廃し、すべての国民に公営住宅への入居権を認めた[32]。 しかし、公営住宅に代わって非営利民間組織 英国の地方自治体によって建てられた低所得者向けのカウンシル・フラット(カウンシル・ハウス、カウンシル・エステート)は、割安な家賃で、低所得者、失業者、シングルマザー、生活保護対象者などが優先的に入居できる仕組みである[35]。もともとカウンシル・フラットは、1875年の公衆衛生法で定められた地方都市のスラム解体政策の一部であり、当初の目的は労働者階級の暮らしを向上させ、同時にスラムをなくすことで近隣の土地の価値を上げることだった[35]。
現在公営住宅に入居しており、住宅の狭小などの困窮理由で、新たに応募を行い当せんされた場合の部屋の斡旋は原則として、現居住住宅の家賃の完納・返還を義務付けることを条件とする。
介助犬・盲導犬・聴導犬などの補助犬を除き、ペットとしてのイヌ・ネコなどの飼育は禁止となっている
応募者、同居者全員、連帯保証人が暴力団員、暴力団構成員、密接交際者(暴力団を離脱してから5年が経過しない者も含む) である場合や、住民税、国民健康保険料の滞納者、自治会活動にきちんと参加できない者の応募は無効とする[要出典]。
入居時は、家賃の3か月分相当を敷金として納付する。退去時にこの敷金は現状の回復に要する費用分を控除(差し引き)したうえで残額のある場合は返還する。また畳・ふすま・クロスなどの経年劣化の費用は家賃に含まれないため、借主の全額負担となる。
資格審査のさいに連帯保証人として、18歳以上の親族で保証能力と日本語がきちんと読み聞きができる、日本国籍を有する者(破産者で復権を得ない者、被保佐人を含む成年被後見人、暴力団員、暴力団構成員、密接交際者、外国籍ではない者)が必要となり、連帯保証人を選任できる者がいない場合は無効とする。また、一部の地方自治体では家賃保証会社を利用可能な地域もあるが、保証会社の実施する与信審査で見送りとなった場合も同様に資格審査で無効となる。
応募者、同居者が外国籍の場合は、資格審査のさいに入居者全員の在留カードが必要となる。
入居や同居資格を偽って、不正な手段で入居や同居をした場合は、地方裁判所の仮執行付きの明け渡し請求、使用許可の取り消しに加え、詐欺罪で処罰されるだけでなく、以後の応募や入居は不可となる。
公営住宅は全国一斉に毎年6月から7月に収入申告が実際され、18歳未満の児童も含む世帯員全員の所得を申告する義務があり、地方自治体が定める所定の必着日に申告書が窓口に到着しない場合は、民間賃貸住宅と同様の家賃が認定され、場合によっては使用許可が取り消しとなり、地方裁判所の仮執行付きの明け渡し請求の対象となる。ひとり親世帯枠で入居している世帯は収入申告の際に、窓口担当者から交際相手の生活用品、出入り、金銭的援助を受けていないか、担当者の現地訪問による調査が行われる。
公営住宅は家賃の安い賃貸住宅ではなく、自治会の入会と、公営住宅法により住宅の保管義務があり、団地内の清掃、草刈り、敷地内の蛍光灯交換の修繕などは住民たちが責任を持って行う義務があり、玄関にある表札と郵便受けには氏名(名字のみ)をきちんと表示する義務がある。
公営住宅は借主が死亡した場合は民間賃貸とは違い、相続人に継承することはできず、地方自治体が定める一定の猶予期間内に住居から退去しなければならない。
英米の公営住宅
イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
カウンシル・フラット