八甲田山
[Wikipedia|▼Menu]
気象庁や防災科学技術研究所等の地震観測施設により地震の観測が行われている[9]

東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)以降、八甲田山周辺を震源とする地震が増加した。また、2013年2月以降、山頂直下を震源とする地震が散発的に発生した[9]。一方、GPS観測により山体が膨張してるように見える[10]として2013年6月18日に気象庁が観測機器を新たに設置し、監視を強化したことが報道された[11]。2013年7月からは、東北大学噴火予知研究観測センターらによる広帯域地震観測が実施されている[12]。また、2013年9月には、東京大学地震研究所と東北大学噴火予知研究観測センターらによる12箇所の観測点による重力臨時観測が実施された[13]

2016年12月1日より気象庁が24時間体制で火山活動を監視する常時観測火山に追加されることとなった[6]
火山活動に伴う死亡事故

1997年には訓練中の自衛隊員3名が、窪地から噴出し、そこに滞留していた高濃度の二酸化炭素により窒息死する事故が発生している[14]。また2010年6月には、酸ヶ湯温泉上方の登山道を外れた沢に於いて、山菜採りに訪れていた女子中学生1名が、現場に滞留していたと考えられる火山ガスによって、中毒死する事故が発生している。
自然
湿原仙人岱からの大岳

八甲田山には、名前の由来の通りにたくさんの高地湿地があるので有名である[15][16]。八甲田山が他の高山に対して景観上の特異性を持っているのは、この湿原群に負うところが大きい。大岳避難小屋上毛無岱からの下毛無岱

仙人岱仙人岱(せんにんたい)は酸ヶ湯温泉(@八甲田ビジターセンター)から大岳へ登る途中の比較的頂上近くにあり、「辰五郎」水飲み場がある。またここはヒメワタスゲの分布南限地となっていて、ヒナザクラアオノツガザクラモウセンゴケコバイケイソウなども生育している。木道もあるが、以前の登山者による過度の踏みつけにより、荒廃が激しく裸地化している場所が多く、現在植生の復活が図られている。モリアオガエル、ヤマアオガエル、イモリなどの両生類も多く見られる。
下毛無岱からの赤倉岳、井戸岳、大岳

毛無岱毛無岱(けなしたい)は大岳から大岳鞍部避難小屋から別ルートで酸ヶ湯温泉に下る途中にあり、上毛無岱・中毛無岱・下毛無岱の広大な湿地である。中毛無岱からの階段から望む下毛無岱の全景は多くの登山者が足をとめ写真を撮る絶好のポイントとなっている。テラスがあり、そこで風景を見ながら休憩することもできる。
田茂萢湿原

田茂萢田茂萢(たもやち、東北地方で萢=谷地=谷戸)は八甲田スキー場の八甲田ロープウェイで登る田茂萢岳(標高1324m)頂上に広がる湿原で、木道がヒョウタン(英語でgourd=ゴード)のように8の字になっているゴードラインを歩くことができる。晴れていれば赤倉岳・井戸岳・大岳が眼前に見えて、そこへ縦走する山道もあり、毛無岱へ抜ける道もある。ミツガシワチングルマヒナザクラエゾシオガマなどが見られる。特に7月下旬から8月中旬のキンコウカの群生と、10月上旬の草紅葉は見事である。山頂公園駅には売店やトイレ、食堂などが完備されている。
紅葉の頃の睡蓮沼
右が硫黄岳、左が石倉岳

睡蓮沼睡蓮沼(すいれんぬま)は国道103号国道394号の睡蓮沼バス停から階段を登ったところにある沼で、アクセスはよい。入り口に小さな木道があるが、沼をめぐる木道はない。睡蓮沼の名前は、沼に生えるヒツジグサに由来する。睡蓮沼を含んだ付近一帯の湿地は高田谷地といい、高田大岳の西南部にある。観望デッキやトイレが完備されている。

田代平湿原(田代萢)田代平(たしろたい)湿原は八甲田温泉近くにある湿原。青森市の天然記念物に選ばれている。他の湿原と比較して標高が低いので趣が異なっている。ここに生育するのは、他の沼地に生育するヒツジグサと違い、開拓民が持ち込んだものがそのまま定着した温帯性のスイレンである。八甲田温泉から湿原に入ることができ、湿原の端には青い鳥居が立つ龍神沼がある。湿原内の道路は1周およそ1時間程度である。6月中旬にはワタスゲの穂が満開となり一面の海のようになる。同じ頃レンゲツツジヒメシャクナゲツルコケモモも見ることができる。6月下旬にはニッコウキスゲ、7月にはキンコウカカキランモウセンゴケ、ムラサキミミカキグサ、タヌキモ、タチギボウシ、ネジバナなどを見ることができる。8月下旬にはウメバチソウサワギキョウ、ナガボノシロワレモコウ、タチアザミが咲く頃には秋の気配が漂ってくる。

地獄萢酸ヶ湯温泉付近の地獄沼の東部にある湿原。

赤水萢酸ヶ湯温泉付近の赤水沢の上流部で地獄萢の南部にある湿原。

谷地湿原谷地温泉の東部にある湿原。谷地湿原そのものには立ち入りはできないが、谷地温泉手前の展望台付近や国道の傍らから湿原植物を見ることができる。

横沼萢逆川岳南側の横沼の西に続く湿原。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:81 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef