全地形対応車
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ダカール・ラリーでは1997年にフランス人ライダーのダニエル・ジルーによって初めてATVが完走を記録。以降「エクスペリメンタル」の一種として、バイク部門の下位クラスに組み込まれていたが、2005年にダカールと異なる車両規定を用いるFIMクロスカントリーラリー世界選手権で部門が創設され、2009年にはダカールでも部門として独立を果たしている[22]ダカール・ラリーに参戦するヤマハ・ラプター

2010年代に入るとATVを四輪自動車の構成にしたようなサイド・バイ・サイド・ビークル(SSV、UTV)が、実用性・安全性・スポーツ性など各方面の優秀性で人気を集めて各社がリソースを注ぎ込むようになったのに加え、リーマン・ショックの影響で各社ともニッチなスポーツATVにリソースを割けなくなった[23]。また競技では二輪オートバイに比べると少々地味であり、集客は今ひとつであった。その結果ヤマハ以外のメーカーはピュアスポーツATV市場からぞろぞろと撤退していき、ATVレースの大排気量クラスはどこもヤマハのワンメイクレースの様相を呈するようになった[15][24](ただし450cc以下のクラスではホンダ、スズキなどの型落ちマシンも多く走っており、一定の戦闘力を保持している)。

なおATVを販売するブランドは世界中に大小多くあるが、若者向けモデルや排気量200cc未満の廉価なモデルについては、その大部分の製造・OEM供給について、長らく日本か台湾のメーカーが担っている[25]

四輪ATVでも安全の問題はしばし取り沙汰され、オーストラリアではフォーミュラカーロールバーのような形状のOPD(オペレーター・プロテクティブ・デバイス、運転者保護デバイス)の装着が義務化された。しかしヤマハは「メーカーが未テストのままボルトオンで装着しなければならないデバイスに顧客の命は賭けられない」とこれに反発し、2021年10月にオーストラリアの業務用ATVを販売終了(スポーツ用と子供用は継続)し、需要をSSVで代替している[26]

ホンダは2024年に90cc・250ccクラスでスポーツATV市場に復帰することを表明している[27]
日本の法規における扱い

日本では道路運送車両法に基づく保安基準を満たした一部の車両のみ公道を走行することができる。
50cc超

排気量が50ccを超えるもののうち、三輪のものは自動二輪車の保安基準を満たすことで側車付自動二輪の一種であるトライクとして登録できる場合がある。四輪のものは自動車として扱われ、保安基準も同等のものが適用される。このうち衝突安全性の基準や排出ガスの基準については、これらを満たした製品は日本では販売されていない。

2006年GGが製造し、GARAGE BOSSが輸入販売していたGGクアッドは小型自動車として登録できる[28]

現在は特殊自動車にも該当する分類がなく、「その他の車両」の分類として認める告示は国土交通省から公布されていないため、小型特殊自動車大型特殊自動車としての登録はできない[29]
50cc以下

2007年8月以降、日本では輸入車を含み道路運送車両法に基づく保安基準、排気ガス規制を満たしたATVは販売されていない。
主なメーカースズキ・LT-R450キムコ・MXU300
アジア

ヤマハ発動機[30](ヤマハ)

本田技研工業(ホンダ)

スズキ

川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー (カワサキ)

ヤンマー(旧法人、現・ヤンマーホールディングス) - 日本国外向けのATVのみを製造していたが2015年までにATVの製造から撤退した。

シムスインターナショナル - G-wheelというブランドで、ATVを製作する。

モービルジャパン - 日本で企画設計し、中国で生産するATVを販売している。

ユナリ - 台湾のオートバイメーカー。

キムコ - 自社ブランドの他、川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーアークティックキャットにもATV製品をOEM供給している。日本でも現地法人「キムコジャパン」を設立し、複数のバギーを展開する。

イートン

ディンリ

Standard Motor Corporation[31]

HOTA INDUSTRIAL MFG[32]

ACCESS MOTOR[33]

CEC[34]

三陽工業(SYM

CFMOTO[35]

林海集団(リンハイ) - 1956年設立。近年最も勢いのあるメーカーの一つ。

海正??(ハイスン)

ビアル - かつて製造販売していたインドネシアのオートバイブランド[36]

北米

BRPカンナム・モーターサイクルズ

アーゴ

ジョンディア - ジョンディア・ゲーター(英語版)やジョンディア・バック(英語版)など。

ポラリス・インダストリーズ

テクストロン(アークティックキャット) - ラインナップの大部分はキムコ製のOEM供給を受けている。

DRR USA- 2000年設立。近年は電動ATVに積極的。

Gibbs Sports Amphibians - 水陸両用のATVであるQuadskiを製造[37]

キャノンデール - マウンテンバイクメーカー。ATVとしては珍しい前方排気・後方吸気のDOHCエンジンと、アルミ製フレームの450ccモデルを製造し、コアなファンを生んだが、2003年に破産[38]

- イタリカ

欧州E-ATVが独自に開発したKTM・990

ザックス (オートバイ)


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