入学試験
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高校・大学では学業やスポーツなどで優れた技能を持つものを推薦入試で採用することもある。大学、大学院。専門学校では、社会人としての経歴(職歴など)を有する人に対して社会人入試を実施する学校も増加してきている。

入学試験を受けることを予定している者、及び入学試験を受ける者を受験生という。学校の最高学年に在籍中の受験生は現役生といわれ、既に学校を卒業した受験生は過年度生といわれる。また過年度生のうち、受験で不合格になったまま卒業し、翌年の合格を目指して予備校や自宅などでもう1年の準備を続けている受験生は既卒生または浪人生と言われる。なお既卒生といえばいったん就職して社会人になって受験を目指している人も指す。

入学試験は1月末から3月前半にかけての期間中に行われることが多い。中学受験等では、最近では、12月末頃から翌年1月中旬にかけての期間中に実施されることが多くなった。また、中学受験では、同じ地域の学校が同じ日に一斉に実施するのが通例である。入試は一般に午前中から行われるが、一部の中学校は午後に実施し、併願が可能な例もある[14]

大学受験等は大学入学共通テスト等を除けば試験日が意図的に統一されることはないが、一般入試では私立大学は2月前半、国公立大学の前期日程では2月後半に集中することが多い。

入学試験は学校単位で行われるが、かつては高校受験において学校間格差や過剰な受験競争を防止するため、複数の学校単位で入学試験を行い合格者を居住地や学力などによって振り分ける総合選抜も実施されていた。この制度は合格者が通学したい高校を自由に選べないことや、総合選抜を採用した高校の大学進学実績が大幅に低下したことなどが問題視され、実施していた全ての地区で廃止された。

なお、入学試験の問題は、数学の問題における数式そのもの、社会科の問題における歴史的事実そのものといった場合を除き、作問した学校等に著作権が生じるとされる[15]。それにも関わらず、2019年(平成31年)には大学入試センター試験の英語リスニングテスト問題に登場したキャラクター(通称:リスニング四天王)について、試験終了直後からコラージュ画像や動画などが次々に無断で制作される事象が発生した[16]
学科試験を設けない入学試験

第二次世界大戦の直前、戦中、大阪府の旧制中等学校では学力よりも戦時に応じた体力、精神力を重視した入学試験を実施していた。1940年2月24日に行われた大阪府女子師範学校大阪教育大学の源流の一つ)の入学試験では、徒手体操跳び箱、行進の動作、前方斜め懸垂、砂嚢をもって走る50m走、口頭試問が科目となっていた[17]

戦後、高校時代の学力などを評価材料とする推薦入試制度を導入する高等学校、大学も現れたが、1990年には、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスが面接を重視したAO入試を開始。学力試験以外の尺度で多様な学生を受け入れる制度を創設した。
ギャラリー



『螢雪時代』 1941年(昭和16年)10月号/『螢雪時代』は昭和初期に創刊された大学受験生向けの月刊雑誌

赤本」と通称される教学社の「大学入試シリーズ」は、昭和中期に創刊された大学入試過去問題集で、日本の大学受験生の多くが利用してきた。

受験生向けの応援メッセージが刻み込まれたキットカット/日本ではこのような季節限定商品が「合格グッズ(入試合格祈願の縁起物)」として数多く発売される。詳しくは「合格グッズとしてのキットカット」を参照のこと。

年末の吉備津神社にて、読み終わったおみくじの札を集めて「合格」の2字を象ってある光景。これ自体は広く一般的な風習というわけではないが、境内にある木の枝などにおみくじの札を結び付ける風習は日本に偏在する。

中学受験「中学校受験」も参照

中学校受験は、義務教育期間中であるため高校受験以上にはある浪人という制度はなく、後述の幼稚園や小学校の受験に近い。一方で、試験の様子は高校や大学の受験に近い。
詳しくは該当の記事を参照。
幼稚園受験・小学校受験「幼稚園受験」および「小学校受験」も参照

幼稚園受験と小学校受験では、中学以上の受験とはまったく様相が異なる。
詳しくは該当の記事を参照。
入試ミス・採点ミス

高校や大学の入学試験では、その後の予備校や外部からの指摘で問題文にミスが発覚することがよくあり、その出題ミスや採点ミスがテレビや新聞でニュースとして報道された。

2009年(平成21年)の兵庫県立高校の入学試験や、2013年(平成25年)の大阪府立高校の入学試験では、多数の高校において採点ミスが報道された[18][19]


2001年5月、山形大学工学部は1997年度以降の5年間の入試において、実は合格していた受験生428人をセンター試験の傾斜配点集計ミスが原因で誤って不合格にしていたことが判明し、その不合格者たちを追加合格にした[20]


2016年9月2日、東京女子大学(東京都杉並区)は、2016年2月3日に実施した現代教養学部の一般入試の日本史の問題で採点ミスがあり、9人を追加合格したことを発表した。


2018年1月6日、大阪大学は、2017年2月に実施した一般入試(前期日程)の「物理」の問題で、出題ミスと採点ミスがあったと発表した。そして、新たに採点をして合否判定をした結果、不合格とした30人が実は合格になっていたことがわかり、その30人を追加合格とした[21]。追加合格者の内訳は、理学部4人、医学部2人、歯学部1人、薬学部2人、工学部19人、基礎工学部2人であり、大阪大学はその受験生たちに対し、金銭補償をすることを明らかにした。


2018年2月1日、京都大学は2017年2月の一般入試で物理の問題に出題ミスがあり、受験生17人を新たに追加合格にしたと発表した[22][23]


2018年4月25日、東京工業大学は、2018年3月13日に実施した第7類の後期試験で、化学を中心に思考力を問う「総合問題」で出題ミスがあり、採点をやり直した結果、4人を追加合格にしたと発表した[24]


2019年1月17日、埼玉県新座市の立教新座高校が2018年2月に実施した入試で採点ミスがあり、採点し直した結果、8人を追加合格とした。その8人は既に別の高校に通っていて、立教新座高校は8人に謝罪した[25]


2019年2月23日、金沢医科大学(石川県内灘町)は、2月21日に実施した2019年度の医学部一般入試後期日程と編入学試験1次試験で、英語の問題の出題ミスがあったと発表した[26]


2021年5月10日、九州大学(福岡市)は、2021年3月に行われた工学部の一般選抜後期日程で採点ミスがあり、5人を追加合格にしたと発表した[27]


2023年3月6日、富山大学(富山市)は、2022年2月に実施された2022年度入試の一般選抜(前期日程)の「物理」の問題で採点ミスがあり、本来は合格していた5人が不合格となっていたことが判明した[28]。富山大学はその5人を追加合格とした。

日本以外の入学試験

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出典検索?: "入学試験" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年1月)
詳細は「入学試験の一覧(英語版)」を参照「アメリカ合衆国における入学試験」、「中国における入学試験」、および「大韓民国の入学試験」を参照


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