児童文学
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ペローの物語には『赤ずきん』『眠れる森の美女』『長靴をはいた猫』『シンデレラ』などが含まれている。
18世紀

1744年、イギリスでジョン・ニューベリー(英語版)が『小さなかわいいポケットブック』を出版した。ニューベリーはこの本を男の子にはボール、女の子には針刺し付きで販売した。明確に子どもに向けて販売された娯楽書の始まりとして時代を画するものであったと考えられている。ニューベリー以前は、子どもと大人のための物語の豊かな口承は存在したが、子どもに向けて販売される文学は子どもを教育することを意図したものであった。
19世紀ウィルヘルム(左)とヤコブ(右)のグリム兄弟。Elisabeth Jerichau-Baumann[訳語疑問点]画(1855)

19世紀初頭に、ヤコブとウィルヘルムのグリム兄弟が『白雪姫』『ラプンツェル』『ヘンゼルとグレーテル』などのドイツの口承を記録し保存に努めた。E. T. A.ホフマンの物語『くるみ割り人形とねずみの王様』1816年にドイツの子供向け物語集に掲載されました。これは、児童文学に奇妙でグロテスクな要素を導入した最初の現代短編小説でした。

1835-1848年にかけて、デンマークのハンス・クリスチャン・アンデルセンが『人魚姫』(1836年)、『裸の王様』(1837年)、『みにくいアヒルの子』(1844年)、『雪の女王』(1845年)などの、伝承に基づかない創作性の高い童話を刊行した。アンデルセンはヨーロッパ中の子どもたちに喜びを与えたとして、存命中から王族によって祝宴が行われ称揚された。アンデルセンの童話は150以上もの言語に翻訳され、今日でも世界中で百万部単位で刊行され、他の数多くの作品にも影響を与え続けている[10]。「裸の王様」や「みにくいアヒル」は現代英語や日本語などでも良く知られた慣用句として通っている。

1865年、イギリスでルイス・キャロル(1832年 - 1898年)が『不思議の国のアリス』を刊行した。この物語は論理学とも戯れており、子どもだけでなく大人にも長く人気となっている。『アリス』は文学的ナンセンスの最も特徴的な例の1つと考えられており、その物語の進行と構造は主にファンタジーの分野で極めて大きな影響力を持った。

1880年に、スイスヨハンナ・シュピリ(1827年 - 1901年)が『ハイジ』(1880年)を出版した。副題には、この本が「子どもと、子どもを愛する人のため」の本であると謳われている。ジョーエル・チャンドラー・ハリス(1845年 - 1908年)はアフリカ系アメリカ人方言を話す動物キャラクターが登場する民話を書いた。



20世紀

1900年、アメリカ合衆国でライマン・フランク・ボームが『オズの魔法使い』を発表した。以後、さまざまな版が絶えず刊行されている。1902年には舞台化され、1939年には映画化された。アメリカ文化の中でも最も知られた物語の1つであり、40ヵ国語に翻訳された。『オズ』の大成功を受けてボームは13篇の続編を書き、ボームの死後も複数の作者が数十年間に亘り続編を書き続けた。『ピーターラビットのおはなし』

1902年、ビアトリクス・ポターは『ピーターラビットのおはなし』を発表した。いたずら好きで反抗的な若い兎のピーターラビットが、マクレガーさんの農場に忍び込む話である。発表以降100年以上に亘り、この本を基にした玩具、皿、食品、衣類、ビデオなどの夥しいグッズが生み出された。1903年にピーターラビット人形の特許権を取得したポターは、こうしたグッズ化の先駆けの一人となった。

1911年、ジェームス・マシュー・バリーは『ピーター・パンとウェンディ(英語版)』を著した。ピーター・パンは児童文学で最も有名なキャラクターの1人であり、魔法によって歳を取らなくなってネバーランドと呼ばれる小さな島で終わることのない子ども時代を過ごしている。

第二次世界大戦中の1943年に、飛行士アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900年 - 1944年)は『星の王子さま』を出版した。砂漠に不時着した主人公が、星からやって来た子どもの心を持った王子と語らうこの物語は人間性の洞察に富み、現在までに180ヶ国語に翻訳され8000万部を売り上げている。

グローバリゼーションに伴い翻訳による創作児童文学作品の世界的・爆発的な普及が見られるようになり、イギリスのC・S・ルイス(1898年 - 1963年)の『ナルニア国ものがたり』(1950年 - 1956年)シリーズは41言語で通算1億2千万部以上、同じくイギリスのJ・K・ローリング(1965年 - )の『ハリー・ポッター』(1997年 - 2007年)シリーズは63ヵ国語以上に翻訳され4億部以上を売り上げた。



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