光沢
[Wikipedia|▼Menu]
無光沢もしくは土光沢の鉱物は、光を四方に散乱させる粗い顆粒によってランバート反射に近い現象が起こるため、ほとんど光沢を示さない。土光沢の鉱物にはカオリナイトなどがある[17]。しばしば無光沢と土光沢は区別され[18]、土光沢の鉱物の方が粗く光沢がより少ない。
光学的現象
スター効果スターサファイア詳細は「スター効果」を参照

スター効果とは、宝石上に星形の光の筋が現れる現象である。後述するキャッツアイ効果が同じ原理で3方向に現れたもの。サファイヤルビーにおいて見られ、不純物として含まれるルチルに起因する[16][19]。スター効果はまた、柘榴石透輝石スピネルにも見られる。
アベンチュリン効果アベンチュリン詳細は「アベンチュリン効果(英語版) 」を参照

アベンチュリン効果とは、きらめくように光が反射する現象である。それは母鉱物中に、表面の色に影響を与えるほど多量に含まれる板状結晶の微細構造(優先配向)によって引き起こされる。クロムを含有した白雲母であるフクサイトが微細構造として含まれるアベンチュリン(石英)では石の色が緑色になり、赤鉄鉱などの酸化鉄系結晶が微細構造として含まれているアベンチュリンは石の色が赤色になる。
キャッツアイ効果タイガーズアイ詳細は「キャッツアイ効果」を参照

キャッツアイ効果とは、回転して動くように見える光の筋が現れる現象である。それは、結晶が平行に配列した繊維状の晶癖を有していたり、結晶内の空隙やインクルージョンによって同様の構造が形成されているような宝石において現れる。そのような構造の結晶配置に対して垂直な方向に光が入射すると、その反射光が光の狭い帯を形成する。この効果が現れる宝石で最も有名なものはタイガーズアイおよび猫目石であるが、アクアマリンムーンストーン電気石などでも見られることがある。
変色効果金緑石(アレキサンドライト)詳細は「変色効果」を参照

変色効果とは、光源の種類によって異なる色を示す現象であり、変色効果を示す代表的な宝石であるアレキサンドライトの名を取ってアレキサンドライト効果とも呼ばれる[20]。例えばウラル山脈で産出するアレキサンドライトは、日光の下では緑色を示し、白熱電球の下では赤色を示す。これの特徴的な緑から赤への色変化は、鉱物中のアルミニウムの極一部が酸化クロムに置き換わることによって生じる。アレキサンドライトなどの金緑石由来の宝石において最もよくみられ、他にもサファイヤ柘榴石スピネルにおいて見られる。
シラー効果ラブラドル長石

シラー効果とは、石の表面下で金属的な虹色の変色効果が現れる現象である。鉱物の層状構造により、表面近くへ入った光がの層間で干渉して反射するために起こる。「シラー」はドイツ語で「きらめき」を表す Schiller という語に由来している。月長石ラブラドル長石において見られる。氷長石アマゾナイトに見られるアデュラー効果(英語版)と類似するがやや効果は弱く、アベンチュリン(砂金石)や日長石で見られるアベンチュリン効果(英語版)では反射のもととなる構造が大きいため単純な光の乱反射になる[21]
遊色効果アンモライト(宝石化したアンモナイトの化石)様々な真珠 二枚貝化石オパール化したもの(シェルオパール)オパールエチオピア産)詳細は「遊色効果」を参照

遊色効果(英: play of Color)、暈色(イリデッセンス、英: iridescence)とは、前述のシラー効果と同様に、石の表面で干渉した光が反射して変色を示す現象だが、不均一な層状によって干渉光にさまざまな波長が含まれるためシラー効果よりも多色の範囲が多彩である。真珠アンモライト螺鈿など霰石を外骨格とした生物由来の宝石に多い。

オパール水晶と同じ二酸化ケイ素が潜晶質となって他の成分とともに乳濁しているもので瑪瑙に近い。しかし、わずかな結晶質が干渉を起こしてやはり遊色効果を示すものがあり、これを「プレシャスオパール」と呼んでいる。宝石業者によってはこれをイリデッセンスと区別して「オパレッセンス(蛋白光、英: opalescence)」と呼んでいることがある。
脚注^ a b c d e f g h i j k l m n 文部省 編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-8181-8401-2。 
^ 堀 (2009) 103頁。
^ 畑田豊彦ほか『眼・色・光 : より優れた色再現を求めて』日本印刷技術協会、2007年、140頁。ISBN 4-88983-092-8、ISBN-13:978-4-88983-092-7。 
^ 堀 (2009) 103-104頁。
^Galena (英語), WebMineral.com, 2011年10月8日閲覧。
^Pyrite (英語), WebMineral.com, 2011年10月8日閲覧。
^Magnetite (英語), WebMineral.com, 2011年10月8日閲覧。
^ 文部省 編『学術用語集 採鉱ヤ金学編』日本鉱業会、1954年。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:40 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef