光文社
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「光文社」の社名は講談社専務高木義賢の提案によるもので、もともとは野間清治があたためていた社名という[4]
神吉晴夫の台頭と、初代編集長、加藤一夫の功績

光文社が出版界の第一線に躍り出ることができたのは、その講談社から一足早く光文社に移っていた神吉晴夫と、伝説の初代編集長、加藤一夫の手によってである。神吉は「創作出版論」という独特の編集理論をもっていて、それを加藤一夫は編集者として、次々に実現していった。彼らによって、次々とベストセラーが出されていく。1950年の波多野勤子少年期』がその嚆矢で、1953年にはローゼンバーグ夫妻の『愛は死を越えて』の翻訳刊行がされた。1957年には田宮虎彦の妻千代の死への追悼文や往復書簡をまとめた『愛のかたみ』を刊行した。

その一方、1954年には神吉晴夫が、伊藤整『文学入門』と中村武志『サラリーマン目白三平』を皮切りとして「カッパ・ブックス」を創刊。この新書シリーズは、その後の出版界を長く席巻し、「カッパ旋風」を巻き起こした。

1959年にあんちゃん』(安本末子

1967年頭の体操』(多湖輝) - シリーズ累計1200万部以上

1971年冠婚葬祭入門』(塩月弥栄子) - シリーズ累計616万部以上

など。青春出版社KKベストセラーズ祥伝社などとともに、新書ブームの一翼を担った。

1958年には朝日新聞に全五段の広告を打って松本清張点と線』『眼の壁』の2冊を同時発売、松本清張をベストセラー作家に押し上げた。1959年には「カッパ・ノベルス」を創刊。また、『点と線』(松本清張)、『日本沈没』(小松左京)、『悪魔の飽食』(森村誠一)などが送り出されている。

雑誌においても、1958年創刊の『女性自身』で女性誌ブームを起こす。1965年には、推理小説雑誌だった旧『宝石』の権利をかいとり、男性向け総合雑誌の『宝石』が創刊された。
労働争議

順風満帆に見えた光文社だが、1970年になると、神吉の経営手法(今で言う成果主義や抜擢人事)に労働組合が反旗を翻したことで、労働争議が勃発した。神吉は年内で社長を辞して経営からは身を退いたが、争議は収まらず、1977年にようやく沈静化した。

この泥沼争議を嫌い、多くの人材が光文社を去った。その中には、祥伝社や、ごま書房(現在のごま書房新社)や、かんき出版の設立に関わった者も含まれている。
その後

1980年代後半頃から、文庫ブームのあおりを受けて「カッパ・ブックス」の売れ行きが落ち始める。それに伴い、主力は『女性自身』に始まる一連の雑誌にシフトした。そして、「カッパ・ブックス」は新たに創刊された光文社新書と入れ替わる形で、新刊の発行を終了することになった。
現在の出版状況
女性誌

女性自身

JJ

bis

CLASSY.

VERY

STORY

美ST

HERS

Mart

週刊誌

FLASH

文芸誌

小説宝石

ジャーロ

書籍シリーズ

光文社文庫

知恵の森文庫

光文社古典新訳文庫

光文社ライトブックス

カッパ・ブックス

カッパ・ノベルス

BOOK WITH YOU

光文社新書 - 後発であったが、『最後の藩主』『オニババ化する女たち』『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『下流社会』などのヒット作が出ている。

光文社ペーパーバックス - ヒット作は『泥棒国家の完成』『内側から見た富士通』。

4コマギャグバトル(火の玉ゲームコミックシリーズ)

SIGNAL(コミック叢書)

かつて発行していた雑誌

少年

少女

宝石(月刊)

週刊宝石

マンボウ

少年王

ポップコーン

ジャストコミック

週刊ディアス

VS.

BRIO

EQ

Gainer

ベストセラー

1950年 波多野勤子著『少年期

1952年 壺井栄著『二十四の瞳

1958年 松本清張著『点と線

1959年 安本末子著『にあんちゃん

1961年 松本清張著『砂の器

1963年 占部都美著『危ない会社』

1967年 多湖輝著『頭の体操

1973年 小松左京著『日本沈没

1970年 塩月弥栄子著『冠婚葬祭入門』

1978年 西村京太郎著『寝台特急殺人事件

1981年 栗本慎一郎著『パンツをはいたサル

1982年 森村誠一著『悪魔の飽食

1990年 石原慎太郎著『「NO」と言える日本

1990年 大沢在昌著『新宿鮫

1995年 浜田雅功著『読め!』

2005年 山田真哉著『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

2005年 三浦展著『下流社会

2008年 亀山郁夫ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫

2008年 勝間和代著『お金は銀行に預けるな』


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