元帥
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広義の元帥には「大元帥・元帥・将帥次帥・副元帥・代帥」などが区分されることもある。陸海空軍で呼称の異なる元帥を総称しFive-star rank(五つ星)と呼ぶこともある[注釈 2]
語源

漢字文化圏における「元帥」の語の語源は『春秋左氏伝』での僖公27年(紀元前633年)冬のの郤?の言葉とされる[注釈 3]末、朝の始祖となる李淵が右元帥と左元帥を設けた。

英語「Marshal」(陸軍元帥)の語源はフランク王国指揮官の職名、国王の厩舎を預かる役人、転じて戦争時における国王の補佐役[4]に由来するという。歴史的にはこの語は必ずしも最高位でなく、たとえばスペインでは1889年まで「mariscal de campo」(英語のfield marshalに相当)は陸軍元帥ではなく少将に相当する階級(中将と准将の間)であったため、注意を要する(師団将軍を参照)。
名称

漢字文化圏では一般的に陸海空軍士官の階級名には共通のものが用いられ、必要に応じて陸海空の区分が冠されることが多く、元帥の場合も同様であるが、欧米圏においては陸海空軍毎に元帥に相当する階級名が異なっている。また、広義の元帥は階級とされていても個別的な称号的色彩が強く特定の国家においても多様なものとなることが多い。

かつて徴兵制・総力戦が当然であった時代は、戦時において軍隊の規模が膨れ上がったときに、増加した大将を束ねる最上位の階級として元帥相当の階級が実務上も要請されていたケースが多かった。しかし、第二次世界大戦後は、各国においても軍隊の規模(とくに人的規模)が縮小され、また大規模な戦争もあまり行われていないことから、西側諸国においては元帥(さらにその上の大元帥)の実際の就任例は少ない。現代においては、元帥以上の階級を設置している、あるいは設置しようとしている国や地域でも、あくまで名誉職にとどまっているケースが大半である。

一方で北朝鮮の朝鮮人民軍においては大元帥共和国元帥、人民軍元帥、次帥と、元帥の階級が細分化されている。共和国元帥以上は国家の最高指導者たる金日成金正日金正恩のみに付与される名誉称号であり、大元帥の階級は金日成の最晩年と金正日の死後に贈られた。
各国の元帥

日本の元帥 - 階級ではなく名誉の官職および称号に相当。日本の軍隊史上「陸軍元帥」の歴代は西郷隆盛ただ一人を除いて見つけることができない。また「大元帥」や「海軍元帥」[5]の任官の例は見つけられない[注釈 4]

大韓民国の元帥 - 階級は存在するが、任官者がいた例は有史以来ない。

北朝鮮の元帥 - 複数の階級があり、共和国元帥、人民元帥、次帥が存在する。

中華人民共和国の元帥

ロシア連邦の元帥

ソビエト連邦ソ連邦元帥(陸軍)ソ連邦元帥(海軍)海軍元帥 (1945-55) - ※このほか各種兵科元帥兵科総元帥および海軍元帥(1940-55・1962-1991) があるが、これらは元帥ではあるものの階級としては上級大将に相当する。


ポーランドの元帥

ユーゴスラビアの元帥

イタリアの元帥

ドイツの元帥

フランスの元帥 - 階級ではなく名誉称号に相当。

イギリスの元帥

アメリカ合衆国の元帥

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 明治5年1月に海軍省が定めた外国と国内の海軍武官の呼称によるとアドミラル・ゼ・フリートを元帥に対応させている[1]。また、明治5年の海軍省刊本である英国海軍官名録では、Commander in chief of the whole Army of the United Kingdom に全国総軍大元帥を、Admiral of the Fleet に水軍元帥を充てている[2]
^ 大将がfour-star rank(四つ星)と呼ばれるのと同じ。


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