停電
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電話線には独自にオフフック検出用に直流の電力が供給されるが、光ファイバーを用いたFTTHの電話線では当然ながら電力は供給されず、コードレスホンなど加入者用の電話機そのものの高性能化も相まって使えなくなることが多い。またひかり電話等は加入者設備であるホームゲートウェイや光回線終端装置にも電力を供給しないと停止するため、これらの装置に無停電電源装置蓄電池等の非常用電源が無い場合は使用不能となる。

また、家電に組み込まれたタイマー時計が一斉に停止し、設定内容が消滅したり、電力が復旧してもビデオのタイマー録画などが事前に設定した所定時間に動作しないなどの状態となることがある。このほか熱帯魚や活魚を飼育している場合には外部電源による電気製品は使えなくなるため空気の供給や水温の調整に注意が必要となる。

家庭内の電熱器具(アイロン・ドライヤー・電気ストーブ)は電源を付けたまま停電となると、停電から復帰して通電が始まった際に使用状況によっては火災の原因となることがあるため電源を切っておく必要がある。
具体例

公共施設の臨時閉館

信号機の停止

エレベータの停止

上水道の断水、濁水の発生

コンピュータ内部の記録・データの消失

インターネットへの接続不能

ホームページへのアクセス不能

多機能電話・ファクシミリの使用不能

復帰後

タイマー内蔵機器については確認や再調整が必要になる場合がある。また、安全装置(オートロック火災報知器等)については復旧確認が必要になる場合がある。
瞬断の問題

人間の視覚では感知できない僅かな時間の停電、電圧の低下でも、情報機器を扱う現場[5]や工場では大きな障害を招くことがある。2010年平成22年)12月8日5時ごろ、中部電力管内の愛知県、三重県、岐阜県で電圧低下が発生した例では、わずか0.07秒の時間であったものの、東芝NAND型フラッシュメモリ工場、トヨタ車体の自動車工場などの操業が、一時的に停止するなどの影響が生じている[6]。詳細は「瞬断」を参照
対応や対策

停電が起きた際に、重大な影響が予測される施設では、しばしば停電に対する対策が採られている。例えば患者の生命維持に支障を来たす恐れのある病院や、放送局送信所中継局も含む)、新聞社官公庁などの施設では、独自に発電蓄電施設を備えている。また、近年のコンピュータ普及にも関連して、停電によるコンピュータの損傷を防ぐため、個人で無停電電源装置(UPS)のような機器を用意する人もいる。

特に停電が予想される所では、照明の代替としてろうそくランプといった燃焼による器具や懐中電灯等の乾電池で動作する器具を備える場合があり、またこの乾電池により動作するラジオポケットテレビ(日本に於いては2000年代後半以降ワンセグ搭載機が主流となっている)を備えるケースも見られる。災害が予想される地域では、地域防災(→自主防災組織)やその用に供する防災倉庫にエンジン発電機(英語版)や電力に頼らない炊き出し用の器具を備える所も見られる。一般の家庭などでは、夜間においては灯火など他の照明に明かりを求め、停電が復旧するのが待たれる。

なお、災害時を除く平時の停電を防ぐためには「常に供給が需要に追いつくこと」が必須であるが、需要側を細かく制御する技術は2013年時点では未熟である。東日本大震災による電力危機に際しては、需要の極大期に電力使用制限令が発令されるなどしたこともあり、大口需要家の間でデマンドコントローラが普及するなどした。また、送電網単位での輪番停電といった、スマートではない需要制限も実施された。

小規模需要家をも含めて「発電・送電・蓄電の能力を超えないよう、消費をスマートに抑制する」ための仕組みとして、2013年時点ではスマートグリッドの実用化に向け、小規模な電力網で実証実験が行われている。
過去の大規模な停電詳細は「停電の一覧」を参照

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出典検索?: "停電" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2011年3月)


御母衣事故(1965年6月) - 電源開発御母衣発電所近傍の送電鉄塔が台風・豪雨に伴う落石により倒壊。過負荷となった送電線の遮断、需要地側の火力発電所の脱調による停止などが連鎖的に起き、関西地方を中心に大停電となった。その後の系統保護・制御の基本思想にも大きな影響を与えている。

1965年北アメリカ大停電1965年11月9日) - ベビーブームに関する都市伝説が唱えられた大停電である。

中国地方で大雪(1975年1月22日) - 中国地方で大雪があり、各地で早朝から送電線が次々と切断される。約22万戸が30分から5時間にわたり停電した[7]

1977年ニューヨーク大停電1977年7月13日

東京で大規模停電(1987年7月23日) - 首都圏で280万世帯が停電。原因は電力消費量が発電所の発電能力を超えたため。経済損失は1兆8000億円と試算されている(首都圏大停電)。

カナダ・ケベック州の大停電(1989年3月13日) - 太陽の磁気嵐による大停電。

阪神・淡路大震災1995年1月17日) - 関西地区約300万世帯が停電。2番目の規模の停電となった。

台湾大停電(1999年7月29日) - 台南の北約846万世帯が停電。原因は、現在の台南市龍崎区にある送電鉄塔の倒壊。

首都圏で大規模停電(1999年11月22日) - 首都圏で約80万世帯が停電。原因は埼玉県狭山市で自衛隊の航空機が墜落した際、航空機によって送電線が切断されたため。(→T-33A入間川墜落事故

東京向けの275kV送電線と、地元向け66kV送電線の2系統が切断。地元でも154kVで受電していたマンションなどは難を逃れた。


カリフォルニア電力危機2000年9月14日?) - カリフォルニア州で電力供給能力不足により計画停電。150万世帯が影響を受けた。

新潟県中越地震2004年10月23日

ニューヨーク大停電アメリカ東部時間2003年8月14日16時11分) - この停電は、クリーブランドデトロイトボストントロントオタワに及んだ。

福岡県西方沖地震2005年3月20日

ジャワ島大停電(2005年8月18日)- 1億人。2012年7月現在史上2位。

新潟大停電(2005年12月22日

2006年8月14日首都圏停電2006年8月14日) - 河口近くを航行中のクレーン船が頭上の275kV超高圧送電線を引っ掛けて切断したため発生した。→ウィキニュース

2009年ブラジル・パラグアイ大停電2009年11月10日

東日本大震災2011年3月11日) - 主要な火力発電所が稼働を停止したことで、東北地方の広い地域で停電した。関東地方では茨城県のほぼ全域で停電、東京電力は大規模需要事業所への給電を強制停止し電力系統の全系崩壊(全域停電)は回避したものの多くの地域で停電した。


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