監督には宮崎の発案から若手を起用する方針が決まっており、鈴木の提案により中堅アニメーターの米林宏昌が起用された[15][16]。鈴木が米林を提案した理由は諸説あり、鈴木は、昼食時によく顔を合わせていたため名前が浮かんだ[15]とも、宮崎が大事にしているアニメーターなので監督に指名したら宮崎が困るだろうと思った[16]とも(ざっくばらんな話と前置きした上で)述べている。宮崎は、監督になりたがる野心的な人間がいない中での賭けだと述べ、米林について、アニメーターとしての才能のほか、飾らず人に好かれる人徳があると述べている[17][18]。
本作の約40年前に宮崎と高畑が構想した企画は『チッカポッカ』といった題の、小人たちが狩りをするといった内容であったが、その後、宮崎による別の企画へと発展した[19]。宮崎が東京ムービーに提出した企画ではコロポックルの兄妹が天井裏に住み着いて珍騒動を起こすといったユーモラスな物語が想定されており、この原案は企画段階で藤子・F・不二雄によって大幅に改変され『ジャングル黒べえ』に結実した[20][21][22]。 2010年5月8日より全国約20箇所の劇場で、テント生地で作られた縦1.8m×横10.5mの超パノラマサイズポスターが張り出された。[23]公開に先立つ7月11日の試写会には、ギャルママ雑誌『アイラブママ』の人気モデルとして知られる日菜あこと野田華子が出席。[24] 2010年7月17日より10月3日まで東京都現代美術館で『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』を開催[25]。1200m2を超える展示室に巨大なセットが組まれた。8月17日には来場者が10万人を突破する程の大好評となっている[26]。この美術展はその後愛媛(愛媛県美術館)、神戸(兵庫県立美術館)、新潟(新潟県立近代美術館)と全国を回っている。 前売り券は2010年6月17日時点の発売後約2か月で54,000枚を超える売り上げを記録。これは前作『崖の上のポニョ』より約3倍の記録となった[27]。 2010年8月10日にはNHKで、映画完成までの舞台裏を密着したドキュメント『ジブリ 創作のヒミツ 宮崎駿と新人監督 葛藤の400日』が放送されている[28]。 全国447スクリーンで公開され、2010年7月17,18日初日2日間で興収約9億円、動員は約68万人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった。更に公開3日間(17-19日)では動員103万8,138人、興収13億4,979万8,700円を記録し100万人超えを達成している[29]。客層の6割が女性で占められ、ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)でも第4位となっている。更に公開第2週目で累計動員が206万2,166人となり早くも動員200万人を突破[30]。公開第3週には累積動員は300万人を突破、公開第4週には興収が50億円を突破しランキング連続第1位に[31]、公開第6週には動員600万人を突破している[32]。 最終興収は92.6億円になり2010年度興行収入邦画第1位となっている[2]。 フランスでは2011年1月12日、台湾では2011年1月14日から公開[33]。イギリスでは『The Borrower Arrietty』のタイトルで2011年7月29日に公開、北米では『The Secret World of Arrietty』のタイトルで2012年2月17日よりディズニー配給で公開[3]、吹き替えもアリエッティ役をイギリス版ではシアーシャ・ローナン、北米版ではブリジット・メンドラーと別に配役がされている。
公開に向けて
興行成績
海外での公開
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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