俳句
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俳句の翻訳においては日本語の諧調をいかなる方法で多言語に翻訳するか、それが可能かどうかが課題となっている[2]。翻訳された俳句は散文のようにならないように原文を反映して三行に分けることが多い[2]。また、季語には日本独特の行事や日常生活と関連しているものが多いため、直訳してもエキゾチックな印象しか与えない印象がある一方、日本文化に関心をもって俳句を読む読者もいるためバランスをとる必要があるとされる[2]
非日本語圏における俳句「en:Haiku in languages other than Japanese」も参照

俳句はこんにち非日本語圏においても広く受容され創作されている。英語圏の国々において盛んに詠まれているほか、スウェーデンドイツフランスベルギーオランダクロアチアスロベニアセルビアブルガリアルーマニアアルバニアロシア中国ペルーメキシコアルゼンチンウルグアイコロンビアブラジルインドバングラデシュなどでも句作が行われている。台湾、ブラジルには日本語で俳句を詠む者も多い。

日本語を母語としない者による最初期の俳句としては、朝鮮通信使の訳官や通詞らによる江戸時代中期のものが知られており[14][15]、またオランダ人ヘンドリック・ドゥーフが19世紀初頭に俳句を書き残している[16][17]。これらはいずれも日本語による句作である。

20世紀初頭には、アメリカの野口米次郎サダキチ・ハートマンが英語による俳句を発表し、イマジズム(写象主義)詩人たちのあいだで関心をもたれていたが、学習院大学等で教鞭をとったレジナルド・ブライスの紹介により本格的に知られるようになった。著名人ではタゴールオクタビオ・パスなどが日本俳句の翻訳や母語による句作を試みている。ビート・ジェネレーションにも大きな影響を与えた。

アルゼンチンでは、明治後期に日系人移民が持ち込み、ホルヘ・ルイス・ボルヘスフリオ・コルタサルといった現地の著名な作家も俳句に影響を受けた詩作を行った[18]。同じ南米のブラジルにおいても増田恆河(ポルトガル語版)ら日系人移民及びその子孫により俳句(現地ではhaicaiと表記される)が普及した。

英語俳句(英語版)は3行17音節で構成されるのが典型的であるが、1・2・4行(またはそれ以上)のもの、16音節以下のものも珍しくない。英語俳句においても季語(season word)、切れ(cut)を入れるのが通則とされている。気候風土の違い(地域によっては四季が存在しない)もあって季語には日本語圏にはない文物・習慣も多く採用されたり[19][20]、 ⇒週刊STによるルールのように「季節感を盛り込む」という程度で季語の規定がなかったりするケースもある。切れ字はないが、句読点疑問符感嘆符ダッシュ等の使用により切れを明示することがある。

例:古池や蛙飛こむ水のおと

An old quiet pond...
A frog jumps into the pond,
Splash! Silence again.

(ハリー・ベーン(英語版) 訳。[21]

日本語文中で、欧語による俳句を「ハイク」「haiku」などと表記することもある。

中国語による俳句は漢俳(中国語版)と呼ばれる。漢俳は五字・七字・五字の3行17字で構成するのが一般的である。漢俳には格律体と自由体とがあり、格律体は文言(文語文)を用い平仄押韻のきまりがある。自由体には平仄・押韻はなく白話文を用いてもよい。

例:古池や蛙飛こむ水のおと
閑寂古池旁,青蛙跳入水中央,撲通一聲響。

非日本語での俳句においては17音節では言葉数が多くなってしまうという意見もあり、俳句としての簡潔さを追求するためにより少ない音節での句作を試みる動きもある。
書籍
入門書


上田五千石 生きることをうたう(NHK俳句入門)』(日本放送出版協会、1990年5月)ISBN 978-4140160589

『金子兜太の俳句の作り方が面白いほどわかる本』 みんなの俳句学校入門の入門 楽書ブックス 金子兜太 中経出版(2002年6月) ISBN 4-8061-1637-8

『新実作俳句入門』 藤田湘子 立風書房(2000年6月) ISBN 978-4651600727

『入門 詠んで楽しむ俳句16週間』 松田ひろむ 新星出版社(2002年7月) ISBN 4-405-05558-0

『一億人の俳句入門』 長谷川櫂 講談社(2005年10月) ISBN 4-06-212930-2

『無敵の俳句生活』俳筋力の会 ナナ・コーポレート・コミュニケーション(2002年6月) ISBN 4-901491-06-7


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