また、アメリカ海軍天文台(USNO)のページでは、0.1秒単位の換算が可能であり[6]、結果は小数6桁で表示される。 日を整数で数える値を Julian Day Number (JDN) と呼ぶ。その日(この場合の「日」は「常用時」における日、すなわち正子から正子までの日である。)の正午(世界時)のユリウス通日(JD)に等しい。整数値であるから、JDNには時刻の概念はない。 例えば、協定世界時(UTC)での2024年6月2日の JDN は、2460464である。 修正ユリウス日(Modified Julian Date:MJD)は、ユリウス通日から2 400 000.5を差し引いたものである。ユリウス通日の2 400 000.5 は、1858年11月17日正子UT に当たるので、この時点を元期としていることになる。常用時と同様に世界時の正子に日数が増加する(ユリウス通日とは異なる)。 例えば、協定世界時(UTC)での2024年6月2日11:16の MJD は、おおむね60463.47 である。 ユリウス通日では桁が多すぎて不便な場合に、MJDが使われる。元々は、整数部の桁数を5桁に収めるように、スミソニアン天体物理観測所(SAO)の宇宙科学者が1957年に考案したものである[7]。これはソ連のスプートニクの軌道を追跡するために用いられたIBM 704コンピュータの記憶容量が小さく、桁数を少なくする必要があったためである。 ユリウス通日の値は19世紀後半(1858年11月17日)から22世紀前半(2132年8月31日)までは、2 400 000台の数値であり、現代における利用には整数部が5桁のMJDで十分に実用的と考えられたのである。 Lilian Day number(LD、リリウス日)はグレゴリオ暦使用開始日の1582年10月15日を第1日とした通算の日数で整数値のみを取る(小数を付することはない)。また、0(ゼロ)日から始まるのではないことに注意が必要である。 復活祭の日付を決定するために使われる(コンプトゥスを参照)。ユリウス通日から2 299 159.5を差し引いて、小数部を切り捨てたものである。2000年01月01日のリリウス日 = 152 385 である。 例えば、協定世界時(UTC)での2024年6月2日のリリウス日の値は、161304である。 Chronological Julian Day(CJD)は、ユリウス通日に0.5を加え、かつタイムゾーン(time zone)を考慮したものを指す。したがって標準時(地方時)の正子に日数(の整数部分)が増加する。日本ではCJDはほとんど使われない。 CJDを使用する環境では、CJDとJDとの区別を明確にするために、JDをAstronomical Julian Dateと呼んで、AJDと略称することがある。 ユリウス通日は1583年にスカリゲル(ジョゼフ=ジュスト・スカリジェ
ユリウス通日の変種
Julian Day Number (JDN)
修正ユリウス日(MJD)
修正ユリウス日が導入された理由
リリウス日(LD)
Chronological Julian Day(CJD)
ユリウス通日の考案
太陰章(メトン周期)(19年) - 月相(月の満ち欠け)と日付が揃う周期
インディクティオ(15年) - ローマ帝国での徴税額の査定更正周期
以上の3つの周期が揃うには7980年 (28,19,15の最小公倍数)を要する。これをユリウス周期という[8]。ただし、ユリウス通日そのものは永遠に続く値であって周期性があるわけではないので、「周期」の意味はもはやなくなっている[9]。
その後、天文学者ジョン・ハーシェルが1849年の著書Outlines of Astronomyで日数や時間の計算にユリウス通日を利用する方法を考案した[10]。これが広まり、世界中の天文学者が日数計算にユリウス通日を用いるようになった。 なぜ、「ユリウス」の名を冠したのかについては2つの説がある。 一つ目は、スカリゲルの父の名前であるジュール・セザール・スカリジェ(ラテン語音はユリウス・カエサル・スカリゲル、1484年-1558年)から取られたものであるという説である[11][12]。 二つ目は、ユリウス暦の名の由来となったジュリアス・シーザー(ラテン語音はガイウス・ユリウス・カエサル)によるものであるという説である。
「ユリウス通日」の名の由来