最近では、文部科学省が高度専門職業人の社会的充実を急務としていること、生涯学習に対する社会の関心が高まっていることなどから、大学院に進学する人口が拡大し、修士の学位取得者がより増えることが想定されている。このような背景もあり、今日では社会人学生の受け入れを想定した社会人大学院というものも増加しつつある。
また、修士の学位は文部科学省の定める専修学校設置基準にて専修学校専門課程教員資格としても認められている[11]。また、自衛隊では幹部候補生試験に合格した者で通常は3尉に補せられるところを、修士の学位を有する者は2尉に補せられる院卒者試験を受験できるといった優遇を受けられる機関もある。
修士の学位を有する者が増加していくことは、日本の研究人口が増加することであり高等教育水準の向上によりあらゆる効果が期待される。修士号の英語圏表記である「Master」の頭文字を取り、「M」と大学院修士課程の学生のことを呼ぶことがある。また、学年と合わせてM1、M2などと呼ぶこともある[注 2]。 富山県立大学では、大学院の研究生を対象に地域活性化への貢献をテーマとして「準修士コース」を設定し、修了生に「準修士」という独自の称号を授与している。この称号を受けた者は、同大学の大学院修士課程に進学した場合、在学年限および単位認定において、準修士コースの単位をそのまま認定される。 ヨーロッパ修士とは、欧州委員会により進められる欧州連合の高等教育留学制度「エラスムス計画」で主に使用される修士号[12]。単位の計算には、European Credit Transfer System オーストラリアにおける修士号 (Master degree) は、オーストラリア教育訓練省の定める豪州資格フレームワーク (AQF) においてレベル9とされる[13]。 なお、準修士とも訳される、グラデュエート・ディプロマ イギリスでは修士レベルの学位には、修士学位 (Master degree)、ポストグラデュエート・サーティフィケート ドイツでは、修士号はドイツ資格フレームワーク
その他
各国の制度
欧州連合
オーストラリア
イギリス
ドイツ
フランスでは、修士号は国家資格フレームワーク (NQF) においてレベルIである。 中国では修士に当たる学位は碩士(Master)という[15][16]。学術碩士と専門碩士という二分類があり、前者は研究を基本とし、論文作成が必須要件となる。後者は職業の専門家を養成するのが目的で、日本の専門職大学院とは似ていて、論文作成が不要なコースもある。それ以外に、経営碩士(MBA)、法律碩士(司法試験受験資格あり)など専門に特化した碩士もある。
表
話
編
歴
ドイツの国家資格フレームワーク (DQR)
レベル8
博士
レベル7
修士/マギステル/ディプローム(ユニバーシティー)
IT戦略スペシャリスト
レベル6
学士/ディプローム(ファッハホーホシューレ)
商業スペシャリスト
経営管理スペシャリスト
マイスター
IT実務スペシャリスト
ファッハシューレ
レベル5
ITスペシャリスト
サービステクニシャン
レベル4
デュアルシステム(3年以上)
職業専門学校(ドイツ語版)(助手または修了レベル)
レベル3
デュアルシステム(2年)
実科学校グレード10
レベル1-2
職業教育準備レベル
関連:ドイツの教育
法学マギスター
フランス
表
話
編
歴
フランスの国家資格フレームワーク (NQF)
レベルI
修士
博士
グランゼコール免状
高度研究課程証書(フランス語版) (DEA)(旧制度)
高等教育専門研究免状(フランス語版) (DESS)(旧制度)
高等教育応用技芸免状(フランス語版)(DSSA)
レベルII
学士(リサンス)
職業学士
レベルIII
大学一般教育免状 (DEUG)
上級技術者免状 (BTS)
技芸免状 (DMA)
技術大学免状 (DUT)
Brevet de Maitrise (BM)
レベルIV
技術 / 職業バカロレア (Bac)
職業免状 (BP)
国家ディプロマ(DE)
商業技術免状(BTM)
BMA
レベルV
職業適性証 (CAP)
職業教育免状 (BEP)
補充資格 (MC)
成人職業教育サーティフィケート(CFPA)
DNB
CFG
参考: フランスの教育 - fr:Nomenclature des niveaux de formation en France - フランスのディプロマ一覧
中華人民共和国
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただし医師免許取得者は修士の学位は不要。
^ 同様に、学部生はB1?B4、博士課程学生はD1?D3と呼ばれることがある。
出典^ 前期2年の課程を除く
^ 大学改革支援・学位授与機構より、大学院の博士課程に相当する教育を行なうと認められたもの(防衛大学校、防衛医科大学校、国立看護大学校)
^ 前期2年の課程を含む
^ 大学改革支援・学位授与機構より、大学院の修士課程に相当する教育を行なうと認められたもの(防衛大学校、防衛医科大学校、国立看護大学校、水産大学校、職業能力開発総合大学校)
^ 専門職大学を除く。また学部に置かれる学科のうち、専門職学科を除く
^ a b 専門職短期大学を除く
^ a b 大学改革支援・学位授与機構より、大学の学部を卒業した者と同等以上の学力を有すると認められた者
^ 大学改革支援・学位授与機構より、大学の学部に相当する教育を行なうと認められたもの(防衛大学校、防衛医科大学校、国立看護大学校、水産大学校、職業能力開発総合大学校、海上保安大学校、気象大学校)