現在、免許・登録を受けている信託会社は、その後に設立されたか、または海外から進出してきたものである。 信託会社には、「運用型」と「管理型」の2種類があり、管理型信託会社は以下のいずれかの信託引き受けしかできないなど制限が設けられている。 最新の一覧は金融庁「運用型信託会社免許・管理型信託会社登録一覧 2004年12月に公布、施行された信託業法(2004年法律154号)は、「信託業の担い手の拡大」を目的の1つとしていた。「金融機関以外の参入を可能にする」ため、業務内容に応じて、2つの信託会社の区分を設けた。これが、免許制の運用型信託会社と、登録制の管理型信託会社である。信託業法の施行後、免許を受けた運用型信託会社は、次のとおりである。 免許年月会社名備考 同じく、信託業法の施行後、登録を受けた管理型信託会社は、次のとおりである。 財務局登録番号登録年月会社名備考
免許・登録を受けている信託会社
委託者の指図により信託財産の管理又は処分が行われる信託
信託財産につき保存行為又は財産の性質を変えない範囲内の利用行為若しくは改良行為のみが行われる信託
運用型信託会社
2005年5月ジャパン・デジタル・コンテンツ[4]社名を「ジャパン・デジタル・コンテンツ信託」に変更して営業を開始。2009年9月免許取消、社名を「JDC信託」に変更
2005年9月朝日信託[5]
2005年9月日立キャピタル信託[6]2021年7月に社名を「三菱HCキャピタル信託」に変更
2005年10月ディービー・ファイナンス・ジャパン[7]社名を「DB信託」に変更して営業を開始。2014年2月に社名を「ドイチェ信託」に変更。2020年10月にサングループが買収、社名を「Sanne Group Japan信託」に変更
2007年2月トランスバリュー信託[8]管理型信託会社が免許を受けたもの。2015年5月に社名を「楽天信託」に変更
2008年1月ロンバー・オディエ・ダリエ・ヘンチ・ジャパン[9]社名を「ロンバー・オディエ・ダリエ・ヘンチ信託」に変更して営業を開始。2012年7月に社名を「ロンバー・オディエ信託」に変更
2008年4月イートラスト信託[10]イーバンク銀行の信託子会社。2009年9月に廃業
2009年10月スターツ信託
2012年4月ベルニナ信託2015年1月に社名を「FPG信託」に変更
2018年5月レオパレス信託2019年9月に社名を「未来サポート信託」に変更。2021年10月に社名を「エイブル信託」に変更
2019年3月ジェイバリュー信託
2021年3月FXクリアリング信託管理型信託会社が免許を受けたもの。2021年4月に社名を「SBIクリアリング信託」に変更
2021年10月LGTウエルスマネジメント信託
2022年1月JIA信託
管理型信託会社
関東12005年5月SMLC信託[11]2007年10月に社名を「SMFL信託」に変更
関東22005年12月トランスバリュー信託[12](上記)
関東32006年11月日本エスクロー信託[13]2012年10月に社名を「山田エスクロー信託」に変更
関東4
関東52009年8月UAP信託2011年2月に廃業
関東62011事務年度虎ノ門サポート信託2015年10月に廃業、社名を「虎ノ門法曹ビル」に変更
関東72012事務年度富嶽信託2014年3月に廃業
関東82013年7月ほがらか信託
関東9
関東102014年8月大東みらい信託
関東112014年8月エスクロー・エージェント・ジャパン信託
関東122018年5月FXクリアリング信託(上記)
関東13
関東142015年9月プルデンシャル信託
関東152017年6月積水ハウス信託
関東162017年9月ハートワン信託
関東172017年11月しあわせパートナーズ信託2019年7月に社名を「マネックスSP信託」に変更
関東182018年6月留学安心信託
関東192020年9月コタエル信託
関東202020年12月パソナ知財信託
近畿12006年6月桐生信託[14]社名を「きりう不動産信託」に変更して営業を開始
近畿22006年6月アロー信託[15]社名を「ファースト信託」に変更
近畿32006年12月共同信託[16]
近畿4
近畿52007年3月日本流動化信託[17]2012年6月「サーバントラスト信託」に商号変更、2022年10月「日税信託」に商号変更
東海12006年10月ライツ信託[18]2010年6月業務停止命令(1回目)。そのまま廃業
東海22016年6月飛騨ITアセット信託2017年3月に社名を「すみれ地域信託」に変更
東海32021年6月貝沼信託不動産
福岡12022年3月三好スマイル信託
脚注[脚注の使い方]^ 上林敬宗「貸付信託の盛衰と今後の信託銀行
^ 昭和初期には50社近くあった信託専業会社は、終戦時には住友信託・三菱信託・川崎信託・三井信託・安田信託・日本信託・第一信託の7社にまで減少した。
^ 当時、1948年に制定された証券取引法により銀行と証券会社の業際が分離(銀証分離)していた。有価証券のアンダーライティングを主要業務の一つとしてきた信託会社にとっては、引き受けた戦時国債等の無価値化や戦後の大幅なインフレによる受益資産の運用悪化と共に、銀証分離は経営環境の悪化の一因となった。こうした中信託会社の救済措置として、大蔵省は銀行業との合併こそ認めなかったが併営を許したのである。
^ 「17年5月27日、信託業の免許第一号として、「ジャパン・デジタル・コンテンツ信託株式会社」に対して免許を交付した。当社は、著作権等の知的財産権を受託し、信託受益権を投資家に販売することを主な業務としており、信託を利用して、コンテンツ制作者の資金調達を促進することとしている。」(「金融庁の1年」2004事務年度版)
^ 「平成17年9月9日、信託業の免許第二号として、「株式会社朝日信託」に対して免許を交付した。当社は、弁護士、公認会計士、税理士を役職員とする信託会社であり、主に、信託機能を活用した高齢者の財産管理や死亡時における相続人への財産の分配等を行うこととし、同年11月21日より営業を開始している。」(「金融庁の1年」2005事務年度版)
^ 「17年9月30日、信託業の免許第三号として、「日立キャピタル信託株式会社」に対して免許を交付した。当社は、主に、日立キャピタルグループの保有する金銭債権、リース債権、動産、不動産の流動化や、ハウスメーカーと提携した信託型リバースモーゲージ等を行うこととし、同年10月3日より営業を開始している。」(「金融庁の1年」2005事務年度版)
^ 「17年10月27日、信託業の免許第四号として、「DB信託株式会社」に対して免許を交付した。当社は、ドイチェ信託銀行の法人信託サービス部門を同行の会社分割により承継した上で信託業務を営むものであり、不動産、金銭債権等の流動化対象資産を受託し、管理保全等を行うこととしており、同年11月9日より営業を開始している。」(「金融庁の1年」2005事務年度版)
^ 「19年2月21日、信託業の免許第五号として、「トランスバリュー信託株式会社」に対して免許を交付した。当社は、17年12月12日に管理型信託業の登録を受け、金融機関等から売掛債権、貸付債権、手形債権等の金銭債権の流動化業務を行ってきたところであるが、当該免許が交付されたことにより、金銭債権に加え、土地・建物等の不動産の流動化業務等を行うこととし、19年2月21日より営業を開始している。」(「金融庁の1年」2006事務年度版)
^ 「20年1月31日、信託業の免許第6号として、「ロンバー・オディエ・ダリエ・ヘンチ株式会社」に対して免許を交付した。当社は、金銭、有価証券、みなし有価証券等の運用・管理業務等を行うこととしており、20年2月12日より営業を開始している。」(「金融庁の1年」2007事務年度版)
^ 「20年4月1日、信託業の免許第7号として、「イートラスト信託株式会社」に対して免許を交付した。当社は、金銭、金銭債権、有価証券等を中心に受託し、信託機能を活用した資産の流動化事業等を行うこととしており、20年4月8日より営業を開始している。」(「金融庁の1年」2007事務年度版)
^ 「17 年5月2日、管理型信託業の登録第一号として、関東財務局長が「SMLC信託株式会社」の登録を行った。当社は、リース会社が保有するリース債権等を受託し、リース債権の管理、回収等を行うことを主な業務としている。信託受益権は、信託受益権販売業者から投資家に販売し、リース債権の参加者の裾野を拡大することとしている。