便所
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

いずれにせよ雨期には汚物が溢れ、衛生状態が悪化する問題に直面する[21][22]
特殊な便所
高山の便所

この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方
出典検索?: "便所" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2022年1月)
山小屋#トイレ」も参照

富士山などの高い山に設置される便所の場合、物理的に汚物の処理が困難なことから、シーズンが終わると貯留された汚物をそのまま山肌に放流する事が行われた。その結果、悪臭が発生したり、水に溶けないティッシュペーパーで美観を損ねたり、地下水などの汚染の原因となる。ガソリンを掛けて燃やすこともある。高山では気温が低く、冬季に完全に生物分解が進まないことが間々ある。富士山が自然遺産として世界遺産への推薦が行われなかったのはこの問題のためといわれている。また、公衆便所を利用しないケースも多く、そのまま山肌に排泄する、いわゆる野外排泄(登山家の間では「キジ撃ちに行く」と呼ばれる)が行われることもある。近くの便所まで遠すぎて間に合わないために行われるケースが多いが、山の便所の使用は有料であることが多く、それを逃れるための行為であることも多い。環境への負荷は後者の方が大きく、深刻な問題である。こうした問題は富士山のみならず、屋久島など地域のインフラに比して観光客が過剰に訪れる地域では悩みの種となっている。

2000年から富士山の便所の改善対策が始まった。富士山の自然環境保護活動を行っている「富士山クラブ」がバイオトイレを設置したり、静岡県山梨県管理の公衆便所の改良を行ったり、各山小屋のオーナーが環境問題に取り組むことにより富士山の便所の改良が進み、2006年には全ての場所で、山肌に放流する旧式便所から新しい便所に改善された。富士山の新しい便所は汚物の処理や便所の維持、新しい便所の開発、設置に費用がかかる(有料便所もある)。また、便所の使用方法は普通の便所とは異なるので、説明を読んでから使用する必要がある。
飛行機の便所ボーイング747の便所

飛行機の便所は、古くは汚物を空中散布したり[注釈 2]、現代の簡易便所のような汚物貯蔵タンクを備えたり(YS-11など)していた。

現代では、水洗便所と同様のシステムを用い水を再循環利用するタイプが採用されていたが、水を節約するために飛行機内の与圧と外部との気圧差を利用して汚物を吸引するタイプに置き換わりつつある。また、この形式の便所のことを真空吸引式便所とよばれる。後述する列車便所でも、現在の新製車両では真空吸引式を採用しているものも多い。
列車の便所詳細は「列車便所」を参照

列車内の便所では、新幹線や一部の路線を除き、長い間汚物を線路上に落下させる「垂れ流し式」(便器の穴から線路が見える)であったが、沿線への飛散問題から1990年頃から、貯留式(循環式・真空吸引式など)への改造や古い車両の廃止、新車への取り替えが進められ、2000年以降は垂れ流し式はほとんど姿を消した。しかし、これと引き換えに、1990年代 - 2000年代にかけて、一部のローカル路線の地域(特にJR東海JR西日本JR四国の沿線地域)では車両基地での汚物処理体制と車両製造コストの問題から車内の便所設置自体がなくなってしまう路線が発生し、大きな問題となった。ただ、近年の新製車両ないし既存車両の改造ではトイレを設置しており、これらの地域でもトイレがない列車の運行は減少傾向にある(JR東海とJR西日本では解消された)。
バスの便所夜行高速バス車内の便所の例

バス車内の便所は、導入時期が遅かったことから、当初より貯留式が採用されている。

日本においては、1964年に名神ハイウェイバスに使用される国鉄バス車両のうちの1台に設置されたのが始まりである。その翌年に増備された車両においても採用されたほか、1966年に山陰特急バスを運行する日本交通車両、1969年に東名ハイウェイバスを運行する国鉄バス車両(国鉄専用型式)において全面的に採用された。その後、長らく国鉄バスの東名・名神ハイウェイバスおよび「ドリーム号」と日本交通の「山陰特急バス」の車両のみの設置であったが、1978年に琉球バスが長距離路線車の車内に設置され(後に撤去)、1983年に夜行高速バス「ムーンライト号」の車内へ設置され、その後夜行高速バスでは標準的に設置されることになった。また、昼行高速バスにおいても、中・長距離路線で導入される例が増えている。また、一般道経由の路線バスでも旧・京都交通が、京都市内と舞鶴天橋立方面を結ぶ長距離の快速バス用に前後2扉仕様の一般路線車(三菱ふそう・エアロスター)ながら便所付きとした車両を1990年代に導入していた事例がある[23]

一方でWILLER EXPRESSのように若年層を中心に便所付き車両を敬遠する利用者が多かった事情から導入に消極的な事業者もあったが、同社でも便所付き車両を求めるニーズの変化に伴い2020年現在では便所付き車両の導入を進めている。また、従来は車両中央部の床下もしくは車両最後部の片隅に設置された狭い便所が多かったが、2010年代以降面積を広めにして化粧や着替えなども出来る「パウダールーム」付き車両とした事業者もある[24]

観光バス(貸切バス)の場合は、途中休憩や下車観光などを行うことができるため便所なしが一般的だが、一部の高級観光バスや長距離運行が想定される車両(高速バスの続行便で起用される車両も含む)では便所付きとしており、一部では前述の広いパウダールームとした車両も導入されている。
宇宙の便所ISSの便所。右側ホースが尿を吸引する。

スペースシャトルの便所は、排泄物を吸引し、真空で乾燥させる仕組みである[25]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:94 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef