余暇
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(第2部 業種別の消費者保護施策について 第1章 レジャーサービス) ここでのレジャーは英語でのleisureと同等の定義であるが、その前段で、より積極的な位置づけを提示し、第1部 サービス分野における消費者保護施策のあり方 第2章 各業種における重点課題と施策の方向で『レジャーそのものについて,それが労働時間等の残余に過ぎないという従来とかくみられた考え方を排し,人間生活の中で積極的な意義を有する自由時間であるという国民的認識を確立する必要がある。そのうえで,たとえば,自由時間の拡充,レジャーのための物的人的環境の整備,レジャー環境の破壊防止,レジャー政策のための総合調整機構の整備等,積極的な政策の展開が図られなければならない。』とし、これを施策のベースとする考え方を表明している。

この1973年の第4次国民生活審議会では『レジャーが生活のあり方を規定する重要な要素となってきた』『レジャーが国民福祉充実にとって,重要な分野を占めるようになってきた』『高福祉時代においてレジャーは人間が人間らしく生きるために,単に経済的充足にとどまらず心身ともに豊かな生活をおくるのに欠くことのできない要素となってきた』と規定している。ここでのレジャーは、『自由時間の使い方』に置き換えることができる。

またつづいて、『適正なレジャーサービスの提供があってはじめて消費者が豊かなレジャーを享受しうるとの観点に立って,事業者の提供するレジャーサービスおよびこれに関連する公共サービスについて消費者保護の見地から以下に述べる施策を講する必要がある。』

ここでは大きく、精神的緊張の緩和を求める『気晴しレジャー』と、自己の向上を目指す『創造的レジャー』とに区分し後者に重点を置く国民が増えてきていることが注目点だとしている。

国民生活センターの調査による余暇目的の重要度についてみると「身体や心を休める」についで「いろいろな知識や情報を得る」、「未知のものにふれたり新しいものを創り出したりして心を豊かにし人間性を高める」の項目が上位にある。

基本的な要因に加えて、レジャーへの関心を促がし、需要を増加させたものとして時間と所得の二つの要因があげられる。

生活価値観の変化、自由時間の増大、所得水準の向上

都市化等による社会環境の急激な変動および教育水準の向上やマスメディアの発達による情報の条件の変化に基づく価値観の変化

しかしながら、一般的に使用された余暇とレジャーは、漢字とカタカナの表現の違いから生じる印象から、その後、使用される意味範囲が異なってきた。

余暇は自由時間のことだが、レジャーは『余暇時間におこなう何かしら活動的なもの』を指すようになってきた。(レジャーのタイプを参照) 『レジャーに行く』や『レジャーをする』という表現が典型的な例としてあげられる。これは、すでに自由時間という概念を超越し、自由時間におこなう(おこなった)『遊び』や『旅行』や場合によってはより具体的な『ドライブ』や『キャンプ』や『乗馬』などという用語の置き換え表現となっている。また、レジャーと共に使用される動詞が『行く』『する』など行動をあらわすものが多いのも、レジャーがアクティブな自由時間だからである。何かをおこなうためにはお金がかかることも多い。日本でも産業振興の一環として『レジャー産業』という呼び方が官民一体で推進されたため、レジャーとはお金が要るものだという意識をもつ人も多い。

また、カタカナ言葉のもつ『おしゃれな響き』とあいまって、レジャーという言葉自体が『流行しているアクティビティをおこなう』や、『人々がしたいなあと憧れと思えるようなことをする』という意味で使用される場合がある。

早稲田大学の山口によれば、『それぞれの人が認識しているレジャーの概念は必ずしも一致していない。研究者、専門家、関係者においてもその認識に違いが見られる。「観光」や「リゾート」などが同様の意味をもって使用される場合もある。』とのこと。

競艇(ボートレース)のことをレジャーと称しており、レース案内の宣伝広告で「現代のレジャースポーツ」というコピーを用いたり、競艇専門のチャンネルはレジャーチャンネルという名称で運営されている。

行楽(花見やキャンプ、花火の鑑賞など)で使われる、地面に敷くマットやシートのことを、「レジャーシート」や「レジャーマット」と称して販売されている。
レジャーとレクリエーションと趣味(ホビー)

日本語の『余暇』は上記した英語の意味どおりに双方の意味を含む。が、日本語として使われる『レジャー』は英語のアクティブレジャーの意で使用される場合が多い。

英語のアクティブレジャー(active leisure)は英語のrecreationとほぼ同義であるが、日本語として使用されるレクリエーションは、その紹介期において職場学校またはクラブ同好会など所属している団体がおこなうエンターテイメント活動ということを意味することが多かった。完全な自由時間ではない拘束時間の一部(広義の拘束時間)としておこなわれる団体レクリエーションはある意味で社会主義的レジャーの側面をもっているといえる。ただし、日本語でも近年になるに従い、レジャーとレクリエーションが近い意味を持つものとして取り扱われる場合も増えてきている。

趣味とは『余暇時間での自己回復のための楽しみ。金銭的な報酬ではなく興味や楽しみのための習慣』のこと。余暇の一部でありレジャー(アクティブレジャー)に近いが、『習慣的』であれば趣味となる。
主要なレジャー

1972年の国民生活センター発行の『余暇活動における満足度調査結果報告書』では東京都23区内住民を対象にした調査として主要なレジャーを列挙している。テレビをみる、新聞を読む、家族との談話、読書をする、外食ショッピング映画・観劇などをみる、一泊以上の国内旅行、友人知人と会話を楽しむ、海水浴日帰り行楽ラジオを聴く、スポーツ博物館美術館動植物園へ行く、音楽鑑賞ドライブ散歩公園で過ごす、スポーツ観戦手芸日曜大工園芸囲碁将棋麻雀カードゲーム楽器演奏絵画書道写真パチンコパチスロ茶道華道洋和裁登山ハイキングペットコンサートバーキャバレー体操美容キャッチボール資格取得のための学習、地域活動、釣りギャンブル社会奉仕活動海外旅行切手コイン等の収集、宗教活動。
レジャーの評価と定義


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