2 次元ユークリッド空間 R2 における単位円 {x(t)}2 + {y(t)}2 = 1 上の点を A = (x(t), y(t)) とする。反時計回りを正の向きとして、原点と円周を結ぶ線分 OA と x 軸のなす角の大きさ ∠xOA を媒介変数 t として選ぶ。このとき実数の変数 t に対する三角関数は以下のように定義される。 sin t = y cos t = x tan t = y x = sin t cos t {\displaystyle {\begin{aligned}\sin t&=y\\\cos t&=x\\\tan t&={\frac {y}{x}}={\frac {\sin t}{\cos t}}\end{aligned}}}
これらは順に正弦関数 (sine function)、余弦関数 (cosine function)、正接関数(tangent function) と呼ばれる。さらにこれらの逆数として以下の 3 つの関数が定義される。 csc t = 1 y = 1 sin t sec t = 1 x = 1 cos t cot t = x y = 1 tan t {\displaystyle {\begin{aligned}\csc t&={\frac {1}{y}}={\frac {1}{\sin t}}\\\sec t&={\frac {1}{x}}={\frac {1}{\cos t}}\\\cot t&={\frac {x}{y}}={\frac {1}{\tan t}}\end{aligned}}}
これらは順に余割関数 (cosecant function)、正割関数 (secant function)、余接関数 (cotangent function) と呼ばれ、sin, cos, tan と合わせて三角関数と総称される。特に csc, sec, cot は割三角関数(かつさんかくかんすう)と呼ばれることがある。
この定義は 0 < t < π / 2 の範囲では直角三角形による定義と一致する。 角度、辺の長さといった幾何学的な概念への依存を避けるため、また定義域を複素数に拡張するために、級数(他の定義を採用した三角関数のテイラー展開に一致する)を用いて定義することもできる。この定義は実数の範囲では単位円による定義と一致する。以下の級数は共に示される収束円内で収束する。
級数によるもの
z を複素数、Bn をベルヌーイ数、En をオイラー数とする。
sin z = ∑ n = 0 ∞ ( − 1 ) n ( 2 n + 1 ) ! z 2 n + 1 for all z , cos z = ∑ n = 0 ∞ ( − 1 ) n ( 2 n ) ! z 2 n for all z , tan z = ∑ n = 1 ∞ ( − 1 ) n 2 2 n ( 1 − 2 2 n ) B 2 n ( 2 n ) ! z 2 n − 1 for 。