体操競技
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」と記し[3]デイリースポーツ社史の『デイリースポーツ三十年史』では体操競技の強化委員を務めた上迫忠夫が五輪前年の強化合宿で取材に答えて発して報じたものを初出とする[4]。上記のように当時の難度はA,B,Cしかなく、当時の最高難度であったC難度よりもさらに難しい技という意味で使用されたとされるが[3]、上迫はむしろ「本来C以上のものもCに含まれていた」ため、そのようなものを区別するためにこの言葉で表現したという[4]
技と技名・新技

この節の加筆が望まれています。

体操の技名は基本的に演技内容を粛々と述べただけのもの(例としてムーンサルト:鉄棒またはゆかにおける後方2回宙返り1回ひねり下り)であるが、FIG(国際体操連盟)の定める国際大会で過去実施されたことのない新技を事前に申請した上で発表・成功すると、その技の通称として実施者の姓が技名として認定される。多くの技がこの名前で呼ばれ、ロサンゼルスオリンピック森末慎二が発表した平行棒での後方棒上かかえ込み二回宙返り腕支持はモリスエと呼ばれるなどしている。同一の人名の技が同名でその種目に存在する場合はそれぞれA,B,C...やII,III,IV...と語尾につけられる(例:シュテクリB・ゲイロードII)。

新技を申請しFIGの定める国際大会で新技を成功させれば、コバチやトカチェフといった自らの姓がついた技を新技につけることができるのだが、もしも新技を失敗してしまうと、今後は誰がその同じ新技を国際試合で成功させようとも、その技に人の姓がつけられることはなくなる。ex:伸身トカチェフ ただし、2016年リオデジャネイロオリンピックでは、ブレットシュナイダーの平行棒の技と、イーゴリ・ラディビロフの跳馬の4回宙の2つの技について、オリンピックでは成功しなかったが、後に同じ選手が挑戦して成功させれば名前がつく可能性があるとなっている。[5]

また、現在では新技に名前を付けるためにはC難度以上として認定される必要があり、B難度以下の技で新技申請を行っても名前がつくことはなくなっている。[6]

同一の人名が別々の種目につけられることもあり、山脇恭二が発表した技はあん馬での馬端から馬端への背面とび横移動、つり輪での前方かかえこみ二回宙返り懸垂があり、それぞれヤマワキと呼ばれる。

なお、塚原光男1972年ミュンヘンオリンピックで発表した鉄棒での月面宙返り下り、いわゆるムーンサルトはツカハラと名付けられている。ムーンサルトの命名は、恩師である竹本正男ローマ五輪金メダリスト・元日本体育大学副学長)である。

他に、田中光1996年アトランタオリンピックに出場し平行棒においてオリジナル技「TANAKA」(懸垂前振りひねり前方かかえ込み2回宙返り腕支持:難度E)を発表し、認定されている。

2013年に白井健三が初めて成功した「後方伸身宙返り4回ひねり」が「シライ」となった。
採点方法

なお、ここで述べるルールはFIG(国際体操連盟)国際大会のルールであり、変更規則T、Uおよび各地で開催される大会にはジュニアルールなど、多くのローカルルールも存在する。ルールは4年に1度、オリンピックの翌年に改定され、現在は2017?2020年版採点規則が適用されている。
2009(2006)年以降

2006年から2008年までは技の難度、要求、加点によって決まるAスコア、実施された技の減点、不完全な技に対しては個々減点を行うなどの実施減点であるBスコアがそれぞれA審判、B審判により算出され、それぞれの合計が決定点となる。また、2009年からはAがD、BがEと置き換えられている(difficulty、executionの頭文字)DスコアはD審判により次のように算出される。

特別要求(2.5(0.5×5))グループがI?Vまであり(ゆかはI?IV)、それぞれのグループの技を一つでも実施すれば満たすことができる。しかし終末技はD難度以上でなければいけない(C難度では0.3、A、Bでは0.0)内容はたとえば鉄棒であれば、懸垂振動技、手放し技、鉄棒に近い技、背面・大逆手の技、終末技であるまた、1つのグループにつき4技までしか実施してはいけない(実施しても価値は認められないが実施減点はある)

難度技ごとにA?Jまでの難度が設定されており、A・B・C・D・E・F・G・H・I・Jの順に0.1?1.0の価値点があり、男子は終末技の他に9技まで、女子は終末技の他に7技まで、難度の高いほうから順に技を選ぶ(一つのグループで4技を超えて実施されていた場合は4技までしか取ることはできない)

組み合わせ加点男子はゆかと鉄棒のみにあり(つり輪は2009年に削除された)、女子は段違い平行棒、平均台、ゆかにある。男子の場合、床ではD難度以上の宙返り技と他の宙返り技を組み合わせることによって得られる。双方がD難度以上場合は0.2、片方の場合は0.1である。また、双方にまたがって加点を得ることはできない前方2回ひねり→前宙(D+A)加点0.1後方2・1/2ひねり→前方2回ひねり(D+D)加点0.2テンポ宙返り→後方2・1/2ひねり→前方1/2ひねり(B+D+B)加点0.1鉄棒の場合は離し技と離し技、離し技とその他の技の組み合わせによって得られる。

跳馬の場合男女とも跳馬の場合は技ごとに価値点が決まっていて価値点が直接Dスコアとなる。ちなみに2009年よりDスコアが7.0を越す技(ラディビロフ)が出てきたが現在はその危険性から禁止技となっている。
2005年以前

2005年までの採点は、A審判による価値点の算出とB審判による減点から算出される。
価値点
A審判は、構成される演技構成から、10点満点で価値点を算出する。価値点の内訳は以下のとおり。ただし、
跳馬種目においては以下の法則は適用されず、一つ実施される技そのものにより価値点が決定する。内訳は2005年度版。現在では採点により公平性を持たせるためといった理由により、10点満点制は廃止されているが、サーカスにはない体操にのみ備わる独特の美しさが損なわれ、難しい技を詰め込むだけの演技になるのではと危惧される一面もあり賛否両論である。
5.0 演技実施
演技を行うと与えられる。
2.8 難度要求
C難度以下の技を実施した場合、技の難度に応じて加えられる。最高でA,B,C難度それぞれ男子は4,3,3回(女子は2,3,3回)を実施する必要があることになるが、この項目は高い難度の技で低い難度を代用することが出来る。たとえば、A,B難度の技を一度も行わないとしてもC難度の技を10回実施すれば難度要求を満たすことになる。
0.6 特別要求
各種目により、実施が義務付けられているカテゴリの技を実施すると与えられる。たとえば男子の場合5種類あり、それぞれは0.1点だが終末技には0.2点が割り当てられている。内容はたとえば鉄棒であれば、懸垂振動技、手放し技、鉄棒に近い技、鉄棒に後ろ向きで行われる技、終末技が規則により設定されている。
1.6 難度加点
D難度以上の技を実施した場合、技の難度に応じて加えられる。技の個数に制限はなく、E難度を8回実施しても、D難度を16回実施しても満たすことが出来る。
技難度
体操競技で行われる技にはそれぞれ、A,B,C,D,E,スーパーEの難度が設定され、スーパーE難度の技が一番難しいとされる。A,B,C難度の技を実施することで、難度要求の部分に0.1,0.3,0.5の加点を、D,E,スーパーE難度の技を組み込むことにより、難度加点の部分に0.1,0.2,0.3点の加点をもらうことができる。ただし、ゆかのスーパーE難度技に対する加点は優遇され、0.4点が与えられる。
組み合わせ加点
技の組み合わせによって、たとえば、B難度とC難度の技を組み合わせることにより、一つ上のD難度にランクアップすることができる。


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