佐官級准将
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日本准将に準ずる役職の1佐(一)標識の例、第12旅団副旅団長職

戦前の帝国陸海軍陸軍及び海軍)には置かれなかった。また、現在の自衛隊にも相当する階級は置かれていないが、陸上自衛隊では1佐(一)[注釈 10]が准将と同等とされている。詳細は「自衛隊の階級#佐官・尉官」および「陸上自衛隊#部隊の単位」を参照

栄誉礼は実施されないが、主に副師団長や将補職の部隊長に1佐のまま着任した場合や1佐(一)の団長職、または師団幕僚長・旅団副旅団長に着任した場合で当該部隊の指揮官が認めた場合など、役職上必要に応じて乗車する車両には赤色のプレート板に帽章若しくは桜星一つが表示されたプレートを掲示している。これは職位である代将に近いものである。一方、1佐(一)でも階級指定の補職以外に着任した場合等含む通常の1佐職は白色のプレートに帽章のみ掲示する。詳細は「自衛隊#階級」および「大佐#自衛隊」を参照

自衛隊の海外派遣実績や米軍等外国軍隊との共同行動が増加する中、均衡をとりにくい等の問題点があり、[注釈 11]2010年(平成22年)度以降に「准将」を創設することが防衛省内において検討されていたが、当該年度制定の防衛大綱では触れられていない[注釈 12]

但し、現時点でも外国軍の人事バランスに対応した措置が取られており、旅団長、団長等、それと同位あるいは準じる職にある将補は国外では准将の扱いを受ける。
アメリカ合衆国

アメリカ合衆国陸軍には50万人を超える正規軍の現役将兵のうち、3600人前後の大佐が居る。しかし准将になれるのは150人前後であり、昇進は大変に狭き門である。大佐から准将になるためには大統領の指名を受け、上院の承認を受ける必要がある。海軍には長らく1つ星の階級が無く、(第二次世界大戦中の1つ星の代将は階級ではなく先任大佐の肩書き)、少将を上半と下半に分け、下半少将を2つ星ながら陸軍等の准将に対応するものとしていたが、1982年にそれを1つ星の階級としてCommodore Admiralの名称で導入し、翌1983年にCommodoreと短縮。1985年にRear Admiral (lower half)と改称された。

陸軍:Brigadier General

海軍:Rear Admiral (lower half)

空軍:Brigadier General

海兵隊:Brigadier General

イギリス

イギリスの場合、陸軍海兵隊において、1680年代に制定された将官級准将たるBrigadier Generalが1921年に廃止され、代わって旅団長たる大佐の職位(Positional Rank)として上級大佐、Colonel Commandantが置かれ、後の1928年に呼称が佐官級准将たるBrigadierに改められた。空軍の呼称方法はイギリス連邦方式とよばれるものである。

陸軍:Brigadier

海軍:Commodore(代将

空軍:Air Commodore

海兵隊:Brigadier

ポルトガル

陸軍 : Brigadeiro-general

海軍 : Comodoro

空軍 : Brigadeiro-general

フランス革命方式呼称の国々

英語圏以外の国々では准将を旅団将軍と呼称することが多い。なお、この旅団将軍の呼称は旅団長を少将としている国々でも使用される。
ドイツ

ドイツ連邦陸軍および空軍では少将以上は旧欧州方式呼称なのに対し、准将はフランス革命方式の呼称となっている。

陸軍:Brigadegeneral

海軍:Flottillenadmiral[注釈 13]

空軍:Brigadegeneral

フランスフランス陸軍准将の階級章

海軍に准将位は無く、少将を陸軍および空軍の准将に対応するものとしている。

陸軍/国家憲兵隊:General de brigade

空軍:General de brigade aerienne

イタリア

陸軍/カラビニエリ/財務警察(イタリア語版、英語版):Generale di brigata

空軍:Generale di brigata aerea

海軍:Contrammiraglio

脚注
注釈^ 1992年までのアメリカ空軍では航空団司令を大佐職とし、准将は航空師団長を務めていた。
^ 厳密には大将から大元帥は階級ではなく地位や称号である。
^ ロベール仏和大辞典 小学館 321頁 brigadier F歴史 1988年12月10日。 本書は、brigadier des armees du Roiを代将とし、少将と大佐の間の階級と記載されており、general de brigade~d'armeeを少将?上級大将と和訳。
^ a b 1793年2月21日に廃止。その後復古王政から七月王政時代にかけて復活するも、完全に廃止。
^ a b 1916年制定。
^ かつてダルラン提督に与えられたamiral de la flotteという元帥位の階級があったが、現在は廃止されている。
^ 各兵科筆頭将官に対する称号。
^ 1793年にgeneral en chefに改称。1812年に廃止されるも1814年に再び制定され、1848年に完全に廃止された。
^ 当時major-generalは参謀総長を意味する言葉として使用。
^ 1佐(一)、1佐(二)、1佐(三)のうちの最上位。
^ @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}特にPKF等で旅団規模の部隊の派遣に支障を来すことが予想される。[要出典]
^ 一説には将補を准将位とする内局案と1佐(一)を准将位とする制服組案の対立が原因と云われている。[要出典]
^ 英訳はRear Admiral Lower Half。

出典^ ルネ・シャルトラン 著、稲葉 義明 訳『ルイ14世の軍隊 : 近代軍制への道』新紀元社、2000年。ISBN 978-4-88317-837-7。  p 11
^ 『軍装・服飾史カラー図鑑』103頁。「著」・辻元よしふみ、「イラスト」・辻元玲子 イカロス出版 2016年8月10日。
^ 『軍装・服飾カラー図鑑』124および125頁。「著」・辻元よしふみ、「イラスト」・辻元玲子 イカロス出版 2016年8月10日。
^ 『知っておきたい現代軍事用語【解説と使い方】』78頁。「著」・高井三郎、「発行」・アリアドネ企画、「発売」・三修社、2006年9月10日。
^ ロベール仏和大辞典1495頁 marechal ?古語 1988年12月10日。

関連項目

軍隊における階級呼称一覧

代将

親衛隊上級大佐

ブリガデイロ - ポルトガル語で准将を意味する菓子(名はブラジル空軍のエドゥアルド・ゴメス少将の頭の形に由来)

ニルス・オーラヴ - ノルウェー陸軍のマスコットであり階級は准将

旅団将軍
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