彼らの手法と神学との割合は長年存在する伝統主義の信徒教会で説かれるキリスト教の教義と矛盾している、との考えを抱かせる者達が何人かいる。テレビ伝道師の多くは、健全なキリスト教義からの逸脱と気付いたものを懸念する他のキリスト教徒達で運営される「聖職者識別(discernment ministries)」にて、次のように特徴づけられている。
多くのテレビ伝道師はキリスト教の宗派構造の外側に存在しており、これは彼らが誰に対しても説明義務を負わないことを意味している。
多くのテレビ伝道師の財政実務は不明瞭である。セントルイスの地方紙による2003年の調査では、調査されたテレビ伝道師17人のうち財政説明責任がある福音派評議会のメンバーは1人だけだったことが示された[17]。
多くのテレビ伝道師によって教えられる繁栄の福音は、物質的、経済的、肉体的、精神的な成功を信者に約束しており、これはキリストに従うことに苦しみを警告すると共に自身の物質的な所有物を放棄する[注釈 4]ことを推奨するキリスト教の教義の幾つかに背いた活動だと言える( ⇒イエスと金持ちの若者を参照)。
一部のテレビ伝道師は個人財産を相当に蓄え、高級車、自家用機といった様々な輸送車両等の大きな財物を所有している。このことは伝統的なキリスト教の思考と相反したものだと批評家に見なされている[18]。
テレビ伝道では、番組を制作してケーブル網および衛星網での放送時間を購入するためにかなりの金額が必要になる。テレビ伝道師は募金活動に時間を費やす。書籍、CD、DVD、装身具などの商品が視聴者に宣伝されている。
テレビ伝道師は、世界中の何百万人もの人々に福音を届けてキリスト教への多くの改宗者を生み出している、と主張している。しかし、そうした主張は独立して検証することが困難で、しばしば物議となっている[19]。
幾人かのテレビ伝道師は、国内政治や国際的政治分野に非常に精力的で(例えば、パット・ロバートソン、ジェリー・ファルウェル、ジミー・スワガート)、自身の番組で保守派政治を支持している。そのようなテレビ伝道師は、自身の番組や他の場所で不快と思われる発言をしたり、提供者払いの放送時間で政党候補者を熱烈支持する(これは非課税501(c)団体が政党候補者を支持または反対することを禁ずるジョンソン修正条項に違反している)ことで、時に論争を起こすことがある。
テレビ伝道師は多くの場合これらの批判に強く反対し、自分は神の御業(つまり聖職者としての活動)を行っていると発言する。「21世紀世代にイエスの福音の「大宣教命令」を達成する」ためにテレビ活用を必要とする要因として、彼らは伝統的な教会礼拝への出席減少と世界規模のマスメディアの成長を挙げている[要出典]。 2007年、アメリカ合衆国上院のチャック・グラスリー議員が「繁栄の福音」を説くテレビ伝道師6組の財政調査を開始した[20]。この調査では、聖職者の提供奨励のため寄付したというテレビ視聴者によって支払われたと噂される、ロールス・ロイスの車両複数、宮殿じみた大邸宅、プライベートジェット、その他の高価な品を含むテレビ伝道師による豪奢な生活様式の報告調査が行われた。調査された6組は以下の通り。 2011年1月6日、グラスリーは上記6組の調査結果を公表し、宗教団体に対する課税免除法のさらなる議会審査を要求した[21]。 伝道のためにインターネット動画やテレビを使うという概念は、米国の福音主義的な起源を超えて普及している。イスラム教では、関連するダーワ
上院の調査
ケネス・コープランド&グロリア・コープランド
クレフロ・ドラー&タフィ・ドラー
ベニー・ヒン
エディ・L・ロング
ジョイス・マイヤー&デビット・マイヤー
ランディ・ホワイト&元妻のポーラ・ホワイト
他宗教のテレビ伝道
イスラム教影響力のあるエジプト人ムスリムのテレビ伝道師、アムル・ハーレド。カナダ、トロントにて
イスラム教テレビ伝道師の著名な番組には『Muslim Television Ahmadiyya』『Islam Channel』『ARY Qtv』『Peace TV』などがある。全てではないがこれらのチャンネルの幾つかは、イギリスのOfcomやカナダ・ラジオテレビ通信委員会といった国営テレビまたは通信規制当局の監視下に置かれており、Ofcomは過去に政治事件の偏向報道[25]、夫婦間レイプを含む違法行為の扇動[26]、ホモフォビアの件[27]でIslam ChannelとPeace TVの両方を検閲したことがある。 ヒンズー教の宗教指導者や説教師もキリスト教のテレビ伝道に触発された慣行を活用しており、近年では人気がますます高まっている[28]。ハレー・クリシュナ運動には、時にインターネットやテレビの分野にまで及ぶ強力な布教活動を展開している。 放送メディアを通じて仏教の教えを説く宗教番組が、日本に幾つか存在する。ただし、日本では宗教色の強い放送局の開設に電波監理委員会が難色を示した経緯があり[注釈 5]、布教活動だけを放送する局は認められていない。また、大半がラジオ番組(権威あるお寺の住職が出演する形)であり、テレビ媒体を使った布教を活動の主体としている人物はほぼ皆無である。
ヒンドゥー教
仏教(日本)
関連項目
教派別のキリスト教用語一覧
伝教師 (曖昧さ回避)
伝教師
伝道者
テクニカルエヴァンジェリスト - 情報技術(IT)業界など。
脚注
注釈^ 新たな改宗者を獲得するためにキリスト教徒が建てた、教会集会や改宗説教を行うテント施設のこと。詳細は英語版en:Tent revival
^ 彼は1949年にテレビの伝道番組を開始していたが[12]、教会の礼拝儀式をテレビで扱ったのが1952年ということ。
^ 信仰の力で病気を治せるという方針。神聖な水など特定の物がかかわる場合と、教祖などによる行為の場合がある[16]。いずれも「通常の医療行為に拠らない方法」で、いわゆる心霊治療(これは神の奇跡ではなく霊的な力に頼る)の一種とみなされる。
^ 仏教でいう喜捨にあたる行為。
^ 具体的な事例は文化放送#沿革を参照。宗教色を薄めて一般向けの教育商業局とする事で、予備免許が交付された。
出典^ テレビだけでなくラジオ媒体を使ったものも、英語圏では「televangelism」(tele=遠距離の意味)とみなされる。
^ “ ⇒televangelism”. Dictionary of Christianese (2015年1月13日). 2016年3月25日閲覧。
^ Jeffrey K. Hadden and Charles E. Swann, Prime Time Preachers: The Rising Power of Televangelism. Addison-Wesley, 1981. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-0201038859.