当初、商行為主義が採られていたことから、商法上は、会社とは、商行為を業として為すを目的とするもの(いわゆる商事会社)に限られる一方で、民法において、商法の会社の規定に従って営利目的社団法人(合名会社や株式会社)を設立することができる旨の規定がおかれ(いわゆる民事会社)、後に、商法にも民事会社の規定が置かれて商事会社と同様に商人として扱われることが明確化され、ついには民法から民事会社の規定が削除されるに至り、現在の会社法では商行為目的か否かによる区別は全くおかれていない。 2008年(平成20年)10月末現在、会社法上の会社は334万1000社(清算中の会社を除く)あり、うち株式会社(特例有限会社を除く)が139万4000社、合名会社が1万8000社、合資会社が8万5000社、合同会社が、1万4000社である[9]。 また、2007年(平成19年)において、会社法上の会社の設立件数は10万1981件、うち株式会社が9万5363件(93.5%)、合名会社が52件(0.0%)、合資会社が490件(0.5%)、合名会社が6076件(6.0%)であった[10]。 以下のは社団法人、会社と同種のもの又は会社に類似するものであり、いずれも商法上の商人と位置付けられる。 以下の社団法人は、名称に「会社」を含んでいる、もしくは持分会社の規定を準拠しているという特徴を有するが、いずれも会社ではなく、商法上の商人にも該当しない。 アメリカ合衆国における会社形態で、最も一般的なのが、コーポレーション(corporation)であり、法人格を有し株主の有限責任が認められている点で日本の株式会社に近い。 公開会社(publicly held corporation)の数は1万社から1万5000社、一方、閉鎖会社(closely held corporation)は400万社以上と推定されている。公開会社は数の上では少ないが、1万社前後の公開会社によってアメリカの事業資産の90%以上が所有されているとされる[11]。 ジェネラル・パートナーシップは、無限責任を負う組合員(partner)のみからなり、リミテッド・パートナーシップは無限責任組合員(general partner)と有限責任組合員(limited partner)からなる。1994年統一パートナーシップ法によると、ジェネラル・パートナーシップは、物的財産および人的財産をその名において所有し、また、その名において訴え、あるいは訴えられることができるなどとされている[12]。 また、1970年代以降に各州で生まれたLLC(limited liability company)は、出資者全員の有限責任が認められると同時に、機関設計や意思決定手続が柔軟で、パススルー課税[注釈 3]が認められることから、近年、中小規模の会社形態として選ばれることが増えている[13]。 2006年会社法(Companies Act 2006)における会社(company)は以下のように分類される。このほか、特別法や勅許による会社(company)が存在する。 また、次のような分類もある。 このほか、ジェネラル・パートナーシップは、無限責任を負う組合員(partner)のみからなり、合名会社に相当する。リミテッド・パートナーシップは無限責任組合員(general partner)と有限責任組合員(limited partner)からなり、合資会社に相当する。また、各組合員の責任が限定されたリミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ(limited liability partnership; LLP)も創設されており、これは法人格を有する点で他のパートナーシップと異なるが、合同会社や有限責任事業組合に相当する。 ドイツ法では、組合(Gesellschaft)(会社(Handelsgesellschaft)を含む。)は資本会社(独: Kapitalgesellschaft)と人的組合(独: Personengesellschaft:定訳は人的会社だが、ここでは便宜上このように訳す。)に区別される。また、会社(Handelsgesellschaft)のうち、人的組合(独: Personengesellschaft)であるものは、人的会社(Personenhandelsgesellschaft)という。
会社の数
廃止された会社形態
株式合資会社(昭和25年改正前商法、昭和26年7月1日に改正法が施行されてから、5年の経過期間を経て廃止)
有限会社(旧有限会社法、2006年(平成18年)5月1日に会社法施行によって廃止され、株式会社の一種である「特例有限会社」として存続)
会社類似の社団法人
特定目的会社
資産の流動化に関する法律に基づき設立される、資産流動化取引のための特別目的会社としての利用が想定された社団法人。
投資法人
投資信託及び投資法人に関する法律に基づき設立される、会社型投資信託のための特別目的会社としての利用が想定された社団法人。会社と同じく商人である。
外国会社
外国の法律に準拠して設立された社団法人。会社と同種のもの又は会社に類似するものである。
社団法人
相互会社
保険業法に基づき設立される、保険会社としての利用が想定された社団法人。社団法人であるが、社員と保険の加入者が一致する構造であることから、営利(対外的営利活動による利益の分配)を目的としない。
監査法人・税理士法人・弁護士法人・司法書士法人・行政書士法人・特許業務法人・土地家屋調査士法人・社会保険労務士法人
それぞれ公認会計士法、税理士法、弁護士法、司法書士法、行政書士法、弁理士法、土地家屋調査士法、社会保険労務士法に基づき設立される特殊な法人であり、持分会社の規定の一部を各士業の特性に合わせて準用している。法人の利益を社員に分配し得るため営利法人に分類されるが、当該社員の資格は原則として国家資格保有者に限定されており、上記の根拠法に基づき種々の規制が課せられるため、その営利性は会社よりも限定的である。
アメリカ合衆国
イギリス
有限責任会社(limited company)
株式有限責任会社(「株式会社」とも)(company limited by shares):日本の株式会社に相当
保証有限責任会社(「保証会社」、「保証有限会社」、「担保有限会社(中:擔保有限公司)」とも)(company limited by guarantee):株式資本(share capital)を有するものとそうでないものがある。
無限責任会社
公開会社(public company):株式有限責任会社(company limited by shares)と株式資本を有する保証有限責任会社(company limited by guarantee and having a share capital)のうち、基本定款(certificate of incorporation)において公開会社である旨の定めをおき、かつ、公開会社としての登記または再登記に関する一定の要件を充足するもの。
有限責任公開会社(public limited company):公開会社である有限責任会社。原則として、その名称に"public limited company"または"p.l.c."(ウェールズの会社については、"cwmnicyfyngedig cyhoeddus"または"c.c.c."も可。)を付さなければならない。
私会社
有限責任私会社(private limited company):原則として、その名称に"limited"または"ltd."(ウェールズの会社については"cyfyngedig"または"cyf."も可。)を付さなければならない。株式有限責任私会社(private company limited by shares)は有限会社に相当する。
ドイツ
資本会社(独: Kapitalgesellschaft ):法人格を有し、法人課税が適用される。
株式会社(独: Aktiengesellschaft;AG):ドイツの株式法(AktG)を根拠法とし、会社(Handelsgesellschaft)とみなされる。一人会社が許容される。
有限会社(独: Gesellschaft mit beschrankter Haftung;GmbH):ドイツの有限会社法(GmbHG)を根拠法とし、会社(Handelsgesellschaft)とみなされる。一人会社が許容される。
有限責任事業者会社(独: Unternehmergesellschaft (haftungsbeschrankt);UG (haftungsbeschrankt):定訳はない):2008年の改正有限会社法により創設された、EUR 1.00の資本金で設立できる“ミニ有限会社”(独: "Mini-GmbH")。一人会社が許容される。
株式合資会社 (独: Kommanditgesellschaft auf Aktien;KGaA):ドイツの株式法(AktG)において、無限責任社員と株主からなる株式会社 (AG) の特殊形態とされる。無限責任社員が会社を代表し業務執行を行い、監査役会 (Aufsichtsrat) が業務を監査する。有限責任の法人を無限責任社員とすることで、事実上有限責任の会社形態として利用することもできる。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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