会社
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営利法人とは、事業を行い、それによって得た利益を出資者に分配することを目的とする法人をいう[7]
社団性
社団とは、伝統的な民法学説によると、構成員が、構成員どうしの契約によって結び付くのではなく、団体との関係(社員関係)を介して間接的に結び付く団体をいう。この点で、構成員どうしの契約関係で結び付く組合と区別される。もっとも、会社が社団であるという場合には、もはやこのような民法学説は前提とすることができないと考えられている。そもそも合名会社や合資会社には組合類似の規律がなされているからである。会社における社団性とは、単に人の集まりという意味(すなわち、財団とは異なり、構成員(社員)が存在するということ)以上のものではないと考えられている。社団の構成員を社員といい[注釈 2]、会社の社員(株式会社においては株主と呼ばれる。)は会社の出資者であり、会社の経営に対する最終的なコントロール権が付与されている[8]
「会社」の沿革

明治時代、「会社」の語は、英語のcompanyの訳語としても用いられる一方で、大陸法の組合=会社概念(羅societas、仏societe、独Gesellschaft)の訳語として用いられた。すなわち、旧民法財産取得編第6章「会社」は会社契約(現在の組合契約)の規定を置き、民事目的の会社、すなわち民事会社(現在の民法上の組合。ただし、営利目的・事業・職業目的に限定される点、法人化することができる点において現在の新民法とは大きく異なる。)について規律し、商事目的の会社、すなわち商事会社については商法に規定を委ねていた(ただし、民事会社であっても「資本を株式に分つとき」は商法の規定が準用された。)。そして、これを受けて商法は会社(商事会社)として合名会社や株式会社の規定をおいた。明治29年制定の新民法においては、政府案においてはやはり「会社」の語が用いられたが、衆議院にて「組合」に改められた。こうして、民法の「組合」と商法の「会社」というように、異なる語が用いられることとなったのである。

当初、商行為主義が採られていたことから、商法上は、会社とは、商行為を業として為すを目的とするもの(いわゆる商事会社)に限られる一方で、民法において、商法の会社の規定に従って営利目的社団法人(合名会社や株式会社)を設立することができる旨の規定がおかれ(いわゆる民事会社)、後に、商法にも民事会社の規定が置かれて商事会社と同様に商人として扱われることが明確化され、ついには民法から民事会社の規定が削除されるに至り、現在の会社法では商行為目的か否かによる区別は全くおかれていない。
会社の数

2008年(平成20年)10月末現在、会社法上の会社は334万1000社(清算中の会社を除く)あり、うち株式会社(特例有限会社を除く)が139万4000社、合名会社が1万8000社、合資会社が8万5000社、合同会社が、1万4000社である[9]

また、2007年(平成19年)において、会社法上の会社の設立件数は10万1981件、うち株式会社が9万5363件(93.5%)、合名会社が52件(0.0%)、合資会社が490件(0.5%)、合名会社が6076件(6.0%)であった[10]
廃止された会社形態

株式合資会社(昭和25年改正前商法昭和26年7月1日に改正法が施行されてから、5年の経過期間を経て廃止)

有限会社(旧有限会社法2006年(平成18年)5月1日に会社法施行によって廃止され、株式会社の一種である「特例有限会社」として存続)

会社類似の社団法人

以下のは社団法人、会社と同種のもの又は会社に類似するものであり、いずれも商法上の商人と位置付けられる。
特定目的会社
資産の流動化に関する法律に基づき設立される、資産流動化取引のための特別目的会社としての利用が想定された社団法人。
投資法人
投資信託及び投資法人に関する法律に基づき設立される、会社型投資信託のための特別目的会社としての利用が想定された社団法人。会社と同じく商人である。
外国会社
外国の法律に準拠して設立された社団法人。会社と同種のもの又は会社に類似するものである。
社団法人

以下の社団法人は、名称に「会社」を含んでいる、もしくは持分会社の規定を準拠しているという特徴を有するが、いずれも会社ではなく、商法上の商人にも該当しない。
相互会社
保険業法に基づき設立される、保険会社としての利用が想定された社団法人。社団法人であるが、社員と保険の加入者が一致する構造であることから、営利(対外的営利活動による利益の分配)を目的としない。
監査法人税理士法人弁護士法人司法書士法人行政書士法人特許業務法人土地家屋調査士法人社会保険労務士法人
それぞれ公認会計士法税理士法弁護士法司法書士法行政書士法弁理士法土地家屋調査士法社会保険労務士法に基づき設立される特殊な法人であり、持分会社の規定の一部を各士業の特性に合わせて準用している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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