会社法
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保険業法に規定されているが、営利を目的としてはいないため前記4種類の会社とは性質を異にする。
有限会社
2006年(平成18年)4月30日をもって有限会社法が廃止されたため新設立はできない。会社法の施行時点で存在していた有限会社は、株式会社の一種としての「特例有限会社」として取り扱われ、商号中に有限会社の文言使用を義務付けられている。特例有限会社に対しては、原則として会社法の中の「取締役会を設置しない株式会社」の規定が適用される。
有限責任事業組合
法人格のない(したがって構成員課税となる)、合同会社と類似の企業形態。「日本版LLP(ここでいうLLPは英国のLLP)」。有限責任事業組合契約に関する法律に規定される。企業間や産学協同で事業化を目指す場合など、リスクが高い場合に有効な制度であると考えられている。合同会社との主要な違いは、税制上の違い(前述)のほか、登記上の取扱い、2人以上の組合員が必要であること、会社への組織変更ができないことなど。
株式会社詳細は「株式会社」を参照
株式詳細は「株式」を参照

株式の発行につき、証券(株券)を発行しないことが原則となった。この点は社債と同様である。株式会社は、定款で定めることで株券を発行することができ、この場合その会社を「株券発行会社」という(会社法117条7項かっこ書き) [注釈 1]

定款に定める発行可能株式総数(いわゆる授権資本枠)は、株式消却により減少する旨の記載が定款にない場合には、減少しないこととなり発行済株式数のみが減少することとなった[注釈 2]

当該株式の取得に発行会社の承認を要する旨のいわゆる譲渡制限株式は、全株に共通する内容として、また、種類株式ごとに種類として規定することも可能である[注釈 3]

株式会社が一定の事由が生じた場合には、株主の同意なく発行株式を取得することができるとする取得条項付株式の発行が認められている[注釈 4]

複数の種類株式を発行する株式会社は、株主総会の特別決議により特定の種類株式を全部取得できる旨の全部取得条項付種類株式を発行することができる(これにより、いわゆる「100%減資」が必要な企業再生が容易となることが期待される)[注釈 5]

株式の分割、併合により生じる1株に満たない端数については、会社がまとめて売却、換価して代金を交付するものとされた[注釈 6]
株式会社の機関設計「株式会社」、「株主総会」、「取締役」、および「取締役会」も参照

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会社法では、株式会社の機関設計にあたり配慮すべき対象は、以下の2つの視点から整理される。

公開会社[注釈 7]の場合 - 出資者保護の観点

会社の規模に応じて、大会社、大会社でない会社のいずれかの場合 - 債権者保護の観点

株式会社には、株主総会および取締役は置かなければならない。その他の機関である取締役会会計参与監査役監査役会会計監査人または委員会については、会社の規模(大会社か大会社でない会社か)や株式の譲渡制限の有無(公開会社か公開会社でない会社か)などに応じて、それを設置するか否かを選ぶことができ、または、設置、不設置の義務が生じるなど、規律の違いがある。任意に設置できる機関の選択により、39通りもの種々の柔軟な機関設計が可能となる。

なお、2015年5月27日に施行された「会社法の一部を改正する法律」において新たに監査等委員会設置会社が導入された。

株式会社の機関設計株式会社の分類株式会社の機関
株主総会取締役取締役会監査役監査役会会計監査人会計参与
公開会社大会社義務義務義務義務[注釈 8]義務[注釈 9]義務[注釈 9]任意
大会社でない会社任意任意
公開会社でない株式会社大会社任意[注釈 10][注釈 11]義務[注釈 12]任意[注釈 11]義務[注釈 13][注釈 12]
大会社でない会社
(会計監査人を置くとき)義務[注釈 12](置く)[注釈 12]
大会社でない会社
(会計監査人を置かないとき)任意[注釈 14][注釈 15](置かない)
指名委員会等設置会社[注釈 16]義務[注釈 16]設置できない[注釈 16]義務[注釈 16]

業務の適正を確保するための体制の整備

大会社、指名委員会等設置会社および監査等委員会設置会社においては、取締役の職務執行が法令および定款に適合することを確保するなどの業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を設けることが義務付けられている。具体的には、取締役会決議によって内部統制システムの大綱を決定したうえで、各事業部門の担当取締役をして具体的なシステムの詳細を整備させる必要がある[6]。詳細は「 業務の適正を確保するための体制」を参照
旧法

旧法においては、株式会社は以下の4類型のみの機関設計が認められていた。
委員会を設置しない大会社(みなし大会社とよばれる中会社を含む)

監査役3名以上(うち半数以上が社外監査役)、監査役会および会計監査人の設置義務


上記+
重要財産委員会

取締役10名以上(うち1名以上が社外取締役)


委員会等設置会社(大会社およびみなし大会社に認められる)

監査役(会)設置不可、重要財産委員会設置不可


その他の中小会社

有限会社についても監査役を置くか否か、また代表取締役を置くか否かの4通りの機関設計のみが認められるに過ぎなかった。
資本金、配当、計算

資本金の最低金額に制限はない。資本金を1円として各種の会社を設立することができる。また、設立後に一定の手続きを行うことによって資本金の額を0円にする事も可能[注釈 17]

剰余金配当などの資本の部における計数の変動は、定時株主総会に限らずいずれの株主総会において原則可能である。純資産額300万円未満の株式会社については、配当などの方法による株主に対する剰余金の配当が禁止される[注釈 18][注釈 19]

配当については、毎事業年度末に「連結配当規制」の適用を受けるか受けないかを選択できる。これは、事業が企業グループで行われている場合で、企業グループとして財源規制を受けるもの。なお、単体ベースで黒字であることが必要であり、その上で、子会社の赤字と連結して残った剰余金を配当することとなる。本体が赤字である場合は連結配当規制の適用は受けられない[注釈 20]

会計監査人設置会社は、連結計算書類を作成することができ、大会社である有価証券報告書提出会社は、連結計算書類の作成が会社法上も義務付けられている[注釈 21]
社債

株式会社、持分会社のいずれの会社も社債の発行が可能である。社債を規律する他の特別法としては、担保付社債信託法、社債等登録法、社債、株式等の振替に関する法律が挙げられる[注釈 22]

社債は、株式同様、原則として証券(社債券)を発行しない。社債券は、社債券を発行することを発行決議により定めた場合にのみ発行することができる。また、株式と異なり、社債の種類ごとに券面の発行・不発行を選択することができる[注釈 23]

社債は、銘柄統合をできるようになった。
組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転等「会社分割」、「株式交換」、および「株式移転」も参照


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