会田誠
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それに対し、米国の法務研究者であるダグラス・マクレーンは、「欧米ではこのような女性やこどもへの暴力を賛美するような絵が美術館で公開されることはほぼ無く、国によって法律は異なるが、仮に違法でなくとも展示が避けられるのは、このような絵の展示は性暴力を正当化するという市民の共通の認識があるからだ」と森美術館の展示を厳しく批判した[11]。一方、一部の欧米のメディアからは、会田の作品は日本における bad boy 目線の象徴的芸術として受け取られている[12]
東京都現代美術館での問題

2015年7月に東京都現代美術館で開催された子ども向けの企画展「おとなもこどもも考える ここは誰の場所?」にて、会田家名義で発表された作品「檄」について、同館から撤去、または改変が要請されたとして物議を醸した[13]。市民からの一件の抗議を受けての都、美術館側の判断であった。同館はおよそ一週間後、要請を撤回。作品は会期中そのまま展示された[14]
京都造形大学での問題

2018年4月から6月に京都造形芸術大学・東京藝術学舎で開かれた全五回別々の講師が来る社会人向け「ヌードを通して、芸術作品の見方を身につける」という公開講座を受講していた39歳の美術モデルの女性が、5月15日の第3回ゲスト講師会田の講義も受講した。女性は、これが大学の授業なのかと激しい衝撃を受け、急性ストレス障害を発症、「作家の作品の是非ではなく、環境を作り出したことが問題だ」「大学は、セクハラ禁止のガイドラインをもうけており、公開講座を運営するにあたっても、セクハラ対策をすべき」「作家の作品の是非や、セクハラ言動そのものでなく、そうした環境を作り出したことに問題があった」として、大学側を提訴した。これに対し、会田は「僕は芸術が『落ち着いた文化教養講座』の枠に押し込められることへの抵抗を、デビュー以来大きなモチベーションとしてきた作り手だ」とツイッター上で反論した。また、女性は男性器が露出した作品を何枚も拡大して見せる第5回目の鷹野隆大の講義に関しても、自分自身が過去に露出狂に遭遇した経験を思い出すとして、問題だとした。鷹野は、講義に当たって、これから見せる作品に男性器が写ったものがあるが、見たくない人は挙手すればその写真は省くと事前に通告したが、誰も挙手しなかったため、見せたと弁明した。女性は裁判の焦点は、あくまでも会田の作品が芸術か、わいせつかという視点ではなく、大学側の企画・運営責任の追及にあるとしている。大学を運営する学校法人「瓜生山学園」に対して、慰謝料など計約333万円を求める訴訟が起こされた[1][2]。判決は2020年12月4日、東京地方裁判所(伊藤繁裁判長)にて言い渡され、約35万円の賠償を命じた[15]
作品
絵画


河口湖曼荼羅(1987年)

犬(1989年)

無題(通称:電信柱)(1990年)

火炎縁蜚?図(かえんぜつごきぶりず)(1991年)

火炎縁雑草図(1991年)

あぜ道(1991年) (
豊田市美術館蔵)

デザイン(1992年)

巨大フジ隊員VSキングギドラ(1993年)

ポスター(1994年)

無題(通称:駄作の中にだけ俺がいる)(1995年)

美しい旗(戦争画RETURNS)(1995年)

戦争画RETURNS(1996年)(高橋コレクション (高橋龍太郎 (精神科医)蔵)

紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)(戦争画RETURNS)(1996年)(高橋コレクション 蔵)

題知らず(戦争画RETURNS)(1996年)

大皇乃敝尓許曽死米(おおきみのへにこそしなめ)(戦争画RETURNS)(1996年)

ミュータント花子(1997年)

スペース・ウンコ(1998年)

スペース・ナイフ(1998年)

犬(雪月花のうち“雪”)(1998年)

たまゆら(戦争画RETURNS)(1999年)

無題(2001年)[16]

ジューサーミキサー(2001年)

食用人造少女・美味ちゃん(2001年)

新宿御苑大改造計画(2001年)

切腹女子高生(2002年)

人プロジェクト(2002年)

大山椒魚(2003年)

じょうもんしきかいじゅうのうんこ(2003年)

?鬼(2003年)

無題(通称:考えてませ?ん)(2004年)

ボク、169ページのマンガを描いたよ!(2005年)

ヴィトン(2007年)

727(2007年)

滝の絵(2007-10年)

万札地肥瘠相見図(原画)(2007年)

灰色の山(2009-11年)

1+1=2(2010年)

ニトログリセリンのシチュー(2012年)

Jumble of 100 Flowers(2012年)

考えない人(2012年)

電信柱、カラス、その他(2012年)

MONUMENT FOR NOTHING W(2012年)

檄(2015年)

「ランチボックス・ペインティング」シリーズ(2016年)

梅干し(2021年)

立体作品


自殺未遂マシーン(2001年)

新宿城(2002年)

愛ちゃん盆栽(2005年)

コメットちゃん(2014年)

MONUMENT FOR NOTHING V?にほんのまつり?(2019年)

東京城(2021年)(文化プログラム「パビリオン・トウキョウ2021」にて展示[17][18]

書籍


『青春と変態』(小説、ABC出版、1996年、ちくま文庫、2003年)

『ミュータント花子』(漫画、ABC出版、1997年)

『Lonely Planet 孤独な惑星』(画集、DANぼ出版、1998年)

『三十路』(画集、ABC出版、2001年)

『MONUMENT FOR NOTHING』(画集、グラフィック社、2007年)

『カリコリせんとや生まれけむ』(エッセイ集、幻冬舎、2010年、幻冬舎文庫、2012年)

『少女ポーズ大全』(会田誠監修・モデルほしのあすかコスミック出版、2011年)

『美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか』(エッセイ集、幻冬舎、2012年、幻冬舎文庫、2015年)

『げいさい』(小説、文藝春秋、2020年)

『性と芸術』(幻冬舎、2022年)

共著


『戦争画とニッポン』(講談社、2015年、椹木野衣との共著)

映像


上野バンタロン日記(1990年)

たいらっぴょう(1995年)

日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ(2005年)

一人デモマシーン(サラリーマン反対@麹町)(2005年)

おにぎり仮面の小さすぎる旅(2005年)

美術と哲学#2 フランス語、ドイツ語、英語(2011年)

国際会議で演説をする日本の総理大臣と名乗る男のビデオ(2014年)

関連作品


映画「≒会田誠 無気力大陸」 (2003年) - 玉利祐助監督によるドキュメンタリー作品

DVD「アートアイドル声ちゃんの変躰ランド」(2004年)

映画「駄作の中にだけ俺がいる」(2012年)- 渡辺正悟監督によるドキュメンタリー作品

映画「春の画 SHUNGA」(2023年公開予定) - 平田潤子監督によるドキュメンタリー作品[19]

展覧会

(出典:[20]
個展・二人展


「絵は四角くなくなくてもよい」(谷中フルフル、1992年)

「ポスター」(同和火災ギャラリー、1994年)

「さりん」(なすび画廊、1994年)

「戦争画RETURNS」(ギャラリーなつか、1996年)

「NO FUTURE」(ミヅマアートギャラリー、1996年)

「パリ・津田沼」(ミヅマアートギャラリー、1998年)

「道程」(三菱地所アルティアム、1999年)

「男の酒」(ミヅマアートギャラリー、2000年)

「会田誠・岡田(会田)裕子・会田寅次郎 三人展」(ミヅマアートギャラリー、2001年)

「会田誠展-食用人造少女・美味ちゃん-」(ナディッフ、2001年)

「Drink,SAKE alone.」(Lisa Dent Gallery サンフランシスコ、2005年)

「Donki-Hote」(Man in the Holocene at IBID Projects ロンドン、2005年)

「恋の前厄」(ミヅマアートギャラリー、2005年-2006年)

「会田誠の映像ダヨ!全員集合!!」(ミヅマアートギャラリー、2006年)

「Picuture of Mountain Stream and others」(Andrew Roth Inc ニューヨーク、2006年)

「アートで候 会田誠・山口晃展」(上野の森美術館、2007年)

「会田誠展: 天才でごめんなさい」(森美術館、2012年-2013年)

「会田誠展」(Galerie Perrotin 香港、2014年)

「はかないことを夢もうではないか、そうして、事物のうつくしい愚かしさについて思いめぐらそうではないか。」(ミヅマアートギャラリー、2016年)

「大江泰喜 会田誠:原爆が 落ちる前 落ちた後」 (Garter、2017)

「MAMコレクション008: 会田誠とChim↑Pomのカラス」(森美術館/2018)

「GROUND NO PLAN」(青山クリスタルビル/2018)[21]

「愛国が止まらない」(ミヅマアートギャラリー、2021年)

グループ展


「fou(r)tunes part2」(レントゲン藝術研究所、1993年)

「Happy Violence」(名古屋市政資料館(愛知)、1994年)

「絵でしか言えない」(同和火災ギャラリー、1994年)

「Smooth Surface」(レントゲン藝術研究所、1994年)


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