伐採
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森林の荒廃を防ぐことで自然環境を守る事、林業では長期的な収入を得る事を目的とする[3]。また、林床太陽光線が届くようになり、日当たりが改善する事で下草が生育しやすい環境ができる。このため、土壌の流出防止にも繋がることから、土砂災害防止のためにも重要視される保育作業である。

日本国内の人工林太平洋戦争終戦前後に政策的に植えられたスギヒノキが多く、2010年代には伐採期を迎えている。人工林や里山など人の手が入った天然林で行われる。樹木相互の競争に負けた劣勢木や入皮が生じた木などを中心に伐採し、将来木材としての利用価値が高いと思われる樹木を残すなどする定性間伐と、伐採経費を抑えるために機械的に一定量を伐採する定量間伐とに大別される。

そんな中でいわゆる「放置林」の増加による森林の荒廃が深刻化しており、安価な輸入木材の流入に伴う価格下落から、採算が合わずに森林管理が行き届かない地域が増えている。必要な時期に間伐を行わない場合、材質が低下し製品としての価値が無くなるばかりでなく、森林全体が不健康となり、森林の持つ公益的機能が十分に発揮されないおそれが生ずる。間伐を行わないことにより、細く弱い木が林立してしまった状態は「線香林」「もやし林」と呼ばれる。こうなると日光が下まで届かなくなり、下草が生えなくなるため保水力が低下し、ちょっとした風雨で木は倒れ、表土流出しやすくなる。さらに、線香林化してから無理な間伐を行うと、残った木も自然災害で全滅しかねないため、こうなってしまうと小規模な間伐を少しずつ行うしかなくなる。

そのための方法として、いくつかの列を作り、その部分の木をまとめて伐採する「列状間伐」や、木を伐採せず皮を剥いて立ち枯れさせる「巻枯らし間伐」、表皮を剥がして水分を抜くことで1年ほどで枯れさせる「皮むき間伐」などが実施されている。皮むき間伐は、表皮にナタ竹ベラで切れ目を入れてめくれた部分を人力で引っ張るだけなので重機を必要とせず、水分量が少なくなった後は軽いため簡単に運び出すこともできる。

日本においては、温暖化ガスである二酸化炭素を吸収する森林の機能を維持・拡大する目的もあって森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法(間伐等特措法)が制定されている[4]
除伐

除伐は、将来にわたって育成することを目指すもの以外の種類の樹木の伐採。農における除草に相当。間伐と異なり、目的とする樹木の生長を促すためだけでなく、森林を管理する上で支障となる樹木を除去する側面もある。しかし近年では、生物多様性や環境保全の観点から、目的の樹木でなくても残す方法が認知されつつある(針広混淆林)。
本数調整伐

本数調整伐は、日本独自の用語。主として治山事業において行なわれる伐採の名称であり実際の施業は間伐に酷似するが、主目的が当該保安林機能の維持増進である。
脚注^ a b c “ ⇒山で働く”. 熊本県総合博物館ネットワーク・ポータルサイト. 2019年11月2日閲覧。
^ハーベスタ(伐倒・枝払い・玉切り・集積)[リンク切れ]林野庁ホームページ
^ 但し、日本における現状は、高度成長期に需要を見込まれて植林されたものの、木材以外の材料へのシフト、安価な輸入木材の普及などの事情変化から国内森林の経済的価値が低下し、間伐されていない所も多いようである。収入を得る目的というよりは、環境保全、土砂災害防止など已むにやまれぬ間伐をしている所もある。また、費用面から間伐材を運び出せず、山にそのまま放置していることもある。
^ 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法 林野庁ホームページ(2021年6月23日閲覧)

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