伊豆諸島
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御蔵島村(御蔵島など)


八丈支庁

八丈町(八丈島、八丈小島など)

青ヶ島村(青ヶ島)

非法人地域ベヨネース列岩須美寿島鳥島孀婦岩

このほか、ベヨネース列岩から孀婦岩までの島嶼は青ヶ島村と八丈町との間の所属係争のため、東京都が直接管轄している。これらの無人島は日本の地方自治の最小単位である市町村にも属さない数少ない例外である。

伊豆諸島は、歴史的には駿河国、のちに伊豆国に属しており、中世までは伊豆国賀茂郡三島郷の内であった。近代以降はその流れを汲む静岡県には属さず、東京都に属している。実際、いったんは静岡県に属してから東京府(当時)に移管されている。これは東京の財政が静岡より余裕があったからという説もあるが、後述のように江戸時代から航路が江戸の方に開けており、物的・人的交流ともに江戸(東京)の方がより緊密であったことが最も大きな理由であると言われている(「#歴史」の節を参照)。なお、明治時代に静岡県に編入された際、島民や商人を中心として東京府への帰属を嘆願する運動も起きている。
地域言語

北部伊豆諸島方言大島支庁三宅支庁

八丈方言八丈支庁

地質

伊豆諸島はフィリピン海プレートの東縁にあり、フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈み込む伊豆・小笠原海溝が島々の東方沖を南北に走っている。すなわち、伊豆諸島は伊豆・小笠原・マリアナ島弧と呼ばれる島弧の一部をなす。プレートの沈み込みに伴う火成活動で火山島からなる島弧が発達した。島々を構成する岩石は伊豆大島三原山三宅島雄山を代表に玄武岩が多いが、新島と式根島は世界的にも珍しいコーガ石を産する流紋岩であり、神津島も黒曜石を伴う流紋岩からなる。
島々伊豆諸島の島々の諸元画像島名面積 (km2)人口(人)山頂 (m)山頂名座標
伊豆大島91.067,411人 (2020年12月末)764三原山.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯34度44分 東経139度24分 / 北緯34.733度 東経139.400度 / 34.733; 139.400 (Izu-?shima)
利島4.12304人 (2007年)508宮塚山北緯34度31分 東経139度17分 / 北緯34.517度 東経139.283度 / 34.517; 139.283 (Toshima)
鵜渡根島0.4無人[表註 1]210 北緯34度28分21秒 東経139度17分38秒 / 北緯34.47250度 東経139.29389度 / 34.47250; 139.29389 (Udoneshima)
新島(と地内島早島)23.872,420人 (2007年)432宮塚山北緯34度22分 東経139度16分 / 北緯34.367度 東経139.267度 / 34.367; 139.267 (Nii-jima)
式根島3.9600人 (2007年)109神引山北緯34度19.5分 東経139度13分 / 北緯34.3250度 東経139.217度 / 34.3250; 139.217 (Shikine-jima)
神津島18.481,914人 (2007年)574天上山北緯34度13分 東経139度9分 / 北緯34.217度 東経139.150度 / 34.217; 139.150 (K?zu-shima)
三宅島55.442,382人 (2007年)815雄山北緯34度5分 東経139度32分 / 北緯34.083度 東経139.533度 / 34.083; 139.533 (Miyake-jima)
大野原島0.2無人114子安根北緯34度02分53秒 東経139度23分02秒 / 北緯34.04806度 東経139.38389度 / 34.04806; 139.38389 (Ohnohara-jima)
御蔵島20.58313人 (2007年)851御山北緯33度52.5分 東経139度36分 / 北緯33.8750度 東経139.600度 / 33.8750; 139.600 (Mikura-jima)
藺灘波島0.005無人74 北緯33度38分53秒 東経139度18分08秒 / 北緯33.64806度 東経139.30222度 / 33.64806; 139.30222 (Inamba-jima)
八丈支庁
八丈島62.528,363人 (2007年)854西山(別名:八丈富士)北緯33度7分 東経139度47分 / 北緯33.117度 東経139.783度 / 33.117; 139.783 (Hachij?-jima)
八丈小島3.08無人[表註 2]616.8大平山北緯33度7分31秒 東経139度41分18秒 / 北緯33.12528度 東経139.68833度 / 33.12528; 139.68833 (Hachij?-kojima)
青ヶ島8.75192人 (2007年)423丸山北緯32度27分29秒 東経139度46分04秒 / 北緯32.45806度 東経139.76778度 / 32.45806; 139.76778 (Aogashima)
ベヨネース列岩 明神礁0.01無人9.9 北緯31度53分14秒 東経139度55分03秒 / 北緯31.88722度 東経139.91750度 / 31.88722; 139.91750 (Bayonnaise Rocks)
須美寿島0.03無人136 北緯31度26分13秒 東経140度02分49秒 / 北緯31.43694度 東経140.04694度 / 31.43694; 140.04694 (Sumisu-jima)
鳥島4.79無人[表註 3]394硫黄山北緯30度28分48秒 東経140度18分22秒 / 北緯30.48000度 東経140.30611度 / 30.48000; 140.30611 (Torishima)
孀婦岩0.0037無人99 北緯29度47分39秒 東経140度20分31秒 / 北緯29.79417度 東経140.34194度 / 29.79417; 140.34194 (S?fugan)
表註^ 明治時代には住民がいた。
^ 1969年以来無人(当時、人口31、ピーク513)
^ 鳥島、無人島の中で最も大きい。1902年の火山噴火により島民125名全員死亡。1965年無人島化。


生物相

伊豆諸島にはミクラミヤマクワガタオカダトカゲなどの固有種も多い。健康野菜として注目を集めているアシタバ(明日葉)は伊豆諸島が原産地といわれている。海では、イルカクジラを見ることもでき、鳥島アホウドリの繁殖地として知られている。

ただし、より南の小笠原諸島とは生物相において大きく異なっている[6]。小笠原諸島の生物相は固有種が非常に多く、特定の分類群では規模の大きい適応放散が見られ、他方では大きく欠けた生物群がいくつもあるという、海洋島によく見られる生物相の特徴を持つ。それに対し、伊豆諸島のそれはむしろ日本本土の生物相に非常に近い。例えばヘビは小笠原諸島にはいないが、伊豆諸島にはシマヘビアオダイショウジムグリマムシなどがおり、いずれも本州のものと同種とされている[7]。伊豆諸島のトカゲはオカダトカゲといい、本州のものとは別種であったが、これは最近になって伊豆諸島から伊豆半島まで分布していることが判明した。ただしこれが伊豆半島型の本州と地理的に隔離されてきた証拠と見なすことは必ずしも出来ない。それ以外の日本本土のトカゲも南北2種に分かれていることがさらに近年に確認されている。他にも固有種はあるが、多くは本州に近縁の種を持つ。

いずれにせよ、伊豆諸島の生物相は伊豆半島のそれと密接な関係があり、そして本土の他地域ともごく強い類縁を持っている。例えば伊豆諸島の火山砂礫地にはハチジョウイタドリとシマタヌキランが優占する草原が成立しており、この2種はいずれも伊豆諸島に固有のもの(前者は亜種、後者は種)であるが、シマタヌキランは本州で落葉樹林帯から高山帯に生育するコタヌキランにごく近縁とされており、ハチジョウイタドリの基本変種であるイタドリも日本列島(南限は奄美大島)から中国に分布があるものである[8]


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