伊勢湾および三河湾はスナメリの生息地であり[11]、時には藤前干潟周辺にも居つく事例が見られた[12]。その他、2006年からハセイルカの群れが定着し始め、世界でも最も高緯度に居つく個体群の一つとして知られている。伊勢湾フェリーでも目撃情報を収集している[13]。
伊勢・尾張の両国は日本列島において商業捕鯨が発祥した地であり、知多半島の師崎[14]や篠島[15]などが捕鯨基地として知られた。このため、かつての伊勢・三河湾には沿岸性が強いヒゲクジラ類[注 3]が周期的に回遊していたと思われ[16][17][18]、現在でもまれにだがザトウクジラやミンククジラなどが姿を現す場合がある[19]。また、絶滅危惧種のコククジラが滞在した記録も複数ある[20]。
そのほか、一時的な湾内への出現や迷入などもふくめれば、マッコウクジラ、シャチ、オキゴンドウ[21]、ハナゴンドウ、ハンドウイルカ[22]などのハクジラ類も近年における湾内での記録がある。また、 南知多町で発掘された「知多クジラ」はミオフィセター属の新種に認定されており、学名の「Miophyseter chitaensis」も知多郡に因んでいる[23]。
なお、海獣(海棲哺乳類)は肺呼吸を行っているため、単なる貧酸素水塊であれば、直接の窒息死の原因にはならない。 アカウミガメの生息が知られ[24]、日出・堀切海岸、赤羽根海岸、豊橋海岸、井田海岸、広ノ浜、日和浜、黒ノ浜、表浜海岸などに産卵場所が存在する。ウミガメの保護のため、伊勢志摩国立公園と三河湾国定公園では、一定の期間は特定の砂浜への自動車やバイク等の乗り入れを規制している[25][16]。 伊勢湾周辺は約420種の野鳥の生息地として知られる[26]。湾奥の庄内川、新川、日光川の河口部に位置する藤前干潟は、日本列島で最大の渡り鳥の飛来地として知られる。沿岸には、とくにシギやチドリなどの重要な生息地が点在している[16][24]。しかし、干潟などの生息環境の大幅な減少によって、鳥類も深刻な影響を受けている[6]。 また、アホウドリなどの絶滅危惧種もかつては見られたとされ[27]、近年でも記録がある[28]。トモエガモやコクガンなどの絶滅危惧種は現在でも一帯に来遊する[16]。 伊勢湾に限った話ではないものの、湾内には様々な海藻が生育している。漁業としてクロノリ しかし、アマモの藻場の減少は著しく、同様に藻場の恩恵を受ける多様な生物にとっての生息環境も悪化した[6]。 風光明媚な自然の景観から、神社等の伝統的な建造物、灯台等の近代的な建造物、アトラクション(遊園地)、工業地帯の景観などに至るまで、観光面では愛知県、三重県共に豊かな資源がある。
スナメリ
ハセイルカ
日本列島における商業捕鯨の発祥地の一つとされる知多半島の師崎の風景(羽豆岬)。
捕鯨が行われ、ニホンアシカやニホンカワウソも生息していた篠島。
爬虫類
アカウミガメ(絶滅危惧種)
鳥類
シロチドリ(三重県の県鳥)[29]。
神島のジョウビタキ。
汐川干潟のキアシシギ。
伊勢湾に渡ってきたスズガモ。
海藻
アマモ
アカモク
産業
観光業御在所岳から望む伊勢湾。中部国際空港の人工島が、知多半島の沿岸近くにある。名古屋港と四日市港があり、多くの大型船舶などが行き交う。
夫婦岩(三重県伊勢市)
鳥羽
野間大坊
伊勢湾フェリー
内海海岸
長島温泉・ナガシマスパーランド
伊勢神宮
鳥羽水族館
志摩スペイン村
大王崎灯台
四日市コンビナート
名古屋港水族館
レゴランド・ジャパン