仲村秀生
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

79歳没[14]。仲村の死去が報じられた際には関係者の意向により死因は伏せられ、告別式密葬で行われた。
人物

東京都狛江市に住んでいた時期もあった[3]

特技はスキー合気道[9]。趣味は読書釣りカメラ[7]

声種バリトン[18]。また「僕の声は年より若い」と仲村自身は語っており、『宇宙戦艦ヤマト』の島大介はナチュラルなトーン、『あしたのジョー』の力石徹はマイクの使い方で作った声と語っている[22]

役柄としては2枚目役が圧倒的に多かったが、『ど根性ガエル』では3枚目の南先生役を演じていた[3]

『あしたのジョー』の力石徹は、ある日、グロービジョン・スタジオへ呼ばれ、行っていたところ、昔の劇団の先輩、左近允洋が「秀生、これやってくれ」と言って、一枚のキャラデザインを渡していた[8]。その時は「洋画の吹き替えならやってもいいが、アニメなんて下手な役者がやる仕事だ」と思い、「こんな役できません。帰らせてもらいます」と言って、帰り支度を始めていた[8]。左近允は慌てて「おい、待て秀生。お前ならできるよ」と言われ、「ウーム、これも仕事か。おれも金はほしい。」としばらく考えていた[8]。当時は妻、娘、息子が腹をすかせて待っており、「よし、いっちょやったるか」と考えて、そんないきさつで、演じることになった[8]。後にこれほど人気が出るとは思いもよらず、役の上とはいえ、葬式が出るとは夢にも思わず、涙もろいだった仲村は、嬉しかった[8]。この後、段々とアニメの仕事が増えていったが、増してアテレコの仕事が続々増えていくキッカケになった作品でもあった[8]。ただし一つ残念だったのは、劇場版が制作された時には出演させてくれなかったことだったという[8]

『宇宙戦艦ヤマト』の島大介はある日CMスタジオで仕事をすませ、コーヒーを飲んでいたところ事務所から電話があり、「又、急な話もあるもんだ」と思いながら車でかけつけていた[23]。ロビーを見渡すと役者が誰もいなかったが、スタジオのドアが開いて田代敦巳が出て来た[23]。その時に田代が別の声優が1話を録音して演じていたが、慣れてなかったため、周囲のベテランとセリフがかみ合わず、あちこちからクレームが来ていたことを話し、急遽起用されたという[23]

新劇俳優出身であることから「声の仕事は役者の仕事の一環」という姿勢を持っていた。得意としていたジャンルは芝居、洋画のアテレコナレーションであり、アニメーションの仕事は得意ではなかったという[24]。なお、アニメーションの収録ついて「舞台のように役作りは時間をかけて臨むべき」という自身の姿勢を徹底することが困難なことから、晩年には不本意な部分もあった趣旨の発言をしたこともあったという[25][信頼性要検証]。

演技に関するこだわりが強いことで知られ、その強い個性から後に「お付き合いが最高に難しいタイプの役者さんだったのではないか」と評されることもあった。主演の吹き替えを担当した洋画『アビス』では、公開後にディレクターズカット版公開に伴う追加録音が行われた際、変更された音響監督が「やっつけ仕事のよう」な演出だったことから怒鳴りつけたというエピソードがあるなど、プロデューサーや監督と仕事に関する意見で衝突することもあった一方、この降板を覚悟の上での行動を「仲村さんに関してはやる」と仕事仲間内では有名だったという[25]。『ロボット刑事』で主役のKを演じた際、あるときアフレコで「怪獣の声の人」と助監督が呼び出したところ、「『怪獣の声の人』とは何だ!」「れっきとした俳優を何だと思っているんだ!? 大竹宏さんは我々の大先輩じゃないか!」と声優を軽んじた助監督に激怒して怒鳴りつけたこともあった[26]

中田浩二は声優業における尊敬する先輩として仲村の名を挙げ、仕事に対する姿勢、スタジオでのマナー、コンディション作りなど、何もかもが立派で大いに刺激を受けたと語っている[27]。一方で仲村は尊敬する先輩に若山弦蔵の名を挙げており、『鬼警部アイアンサイド』で若山と共演した際にその技術や仕事への姿勢に感銘を受け「ズバ抜けてプロだ。ギャラをもらって勉強になったということは本当はいけないんだが(中略)大変アテレコの勉強になりました」と述べている[28]

既婚者で長女長男次女の3人の子供をもうけた[8][29]。長女は仲村美緒、仲村澪、AZU・風間美緒と芸名を変遷して舞台俳優やテレビタレントとして活動し、仲村美緒時代には『それいけ!アンパンマン』などにアニメ声優として出演した[29][30][31]。娘は生前の仲村を「ゴッホのような人」と語ったことがあるという[25]
後任

仲村の降板、その後の事実上の休業状態や死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。

代役役名概要作品代役の初担当作品
堀秀行力石徹『あしたのジョー』『ボクシングマニア あしたのジョー
中田譲治あしたのジョー タイピング泪橋
石井康嗣あしたのジョー ?まっ白に燃え尽きろ!?
東地宏樹パチスロ あしたのジョー2
ささきいさお [注 1]島大介宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル
田中秀幸さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(PS版)
稲田徹ムゲ・ゾルバドス皇帝『超獣機神ダンクーガ』『スーパーロボット大戦IMPACT
藤本譲フレデリック・ローデン『銀河漂流バイファム』『銀河漂流バイファム13
てらそままさきルー・ウォーターマン大尉『謎の円盤UFO』『再来!謎の円盤UFO』
園江治クロード・シャンタリエ『名探偵ポワロ チョコレートの箱』完全版DVDの追加録音
坂東尚樹グリーン『宇宙大作戦 惑星M113の吸血獣デジタルリマスター版DVDの追加録音[注 2]
大川透チコ・ゴンザレス刑事『ダーティハリー』(テレビ朝日版)WOWOW放映時の追加録音
ニール・ブリッグス警部補『ダーティハリー2』(テレビ朝日版)
世古陽丸スポタ『ハンター』(テレビ朝日版)
藤原啓治 本郷俊介『アタックNo.1』SANYO パチンコ・パチスロ版
喜山茂雄2024年の森永乳業のCM

出演

太字はメインキャラクター。
テレビドラマ

東京Gメン

愛の劇場

蒼氓

岸壁


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:95 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef