代謝性アシドーシス
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乳酸アシドーシス[13]

ケトアシドーシス (糖尿病、アルコール、飢餓)[14]

慢性腎不全[15]


薬物中毒:

サリチル酸メタノールエチレングリコール[14]

パラアルデヒドエタノールホルムアルデヒドなどの有機酸[16]

一酸化炭素シアン化物イブプロフェンメトホルミン[17]

グルタチオン枯渇を伴うアセトアミノフェンの長期大量摂取による5-オキソプロリン血症(敗血症肝不全腎不全栄養失調をしばしば伴う)[18]

詳細は「アセトアミノフェン中毒(英語版)」を参照

プロピレングリコール (LおよびD-乳酸に代謝され、集中治療室で使用される特定の静注薬剤の輸液にしばしば含まれる。)[19]

重症の横紋筋融解症[20]

イソニアジド、鉄剤、フェネルジン(英語版)、トラニルシプロミン(英語版)、バルプロ酸ナトリウムベラパミル[21]

トピラマート

硫酸塩[22]

アニオンギャップ正常詳細は「正常アニオンギャップアシドーシス(英語版)」を参照

アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシス原因には以下が含まれる[23]

無機酸

HCl、NH4Clの注入、摂取


消化管での塩基喪失

下痢[5]

小腸瘻/小腸からのドレナージ

腸への尿路変向(回腸導管など)[5]


腎での塩基喪失/酸貯留

近位尿細管性アシドーシス(英語版)

遠位尿細管性アシドーシス


高カロリー輸液
詳細は「高カロリー輸液#副作用」を参照

アジソン病

アセタゾラミド

スピロノラクトン

生理食塩水輸液[5]

病態生理
代償機序

代謝性アシドーシスは、重炭酸イオン(HCO?
3)の低下によって特徴付けられ、これは酸(ケト酸や乳酸など)の生成の増加、腎臓や消化管によるHCO- 3の過剰な損失、または十分なHCO?
3を生成することができない場合に起こりうる
[24]。これは、臓器、組織、細胞の最適な機能を維持するためには、体内の酸と塩基のバランスを保つことが重要であることを示している。

身体は、4つの緩衝機構によって血液の酸性度を調節している。

重炭酸緩衝系(英語版)

細胞内(英語版)緩衝系: タンパク質、リン酸塩、骨中の炭酸塩など、様々な分子が水素原子を吸収することによる。

呼吸性代償(英語版): 過換気により二酸化炭素が体外に排出され、pHが上昇する。

腎性代償(英語版)

HCO?
3の算出

代謝性アシドーシスを特徴づける重炭酸塩の減少は、2つの別々の反応によるものである。すなわち、水と二酸化炭素からの緩衝反応と腎臓での追加生成による。緩衝反応の式は以下の通りである。 H + + HCO 3 − ↽ − − ⇀ H 2 CO 3 ↽ − − ⇀ CO 2 + H 2 O {\displaystyle {\ce {H+ + HCO3- <=> H2CO3 <=> CO2 + H2O}}}

ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式は、血液pHと重炭酸緩衝系の成分との関係を数学的に記述したものである(下式)。 p H = p K a + L o g ⁡ [ HCO 3 − ] [ CO 2 ] , {\displaystyle p{\ce {H}}=pK_{\text{a}}+\operatorname {\mathrm {Log} } {\frac {\left[{\ce {HCO3^-}}\right]}{\left[{\ce {CO2}}\right]}}{\text{,}}} 上式ではpKa ≈ 6.1である。臨床現場では、CO2濃度は通常、動脈血中のCO2分圧であるPaCO2からヘンリーの法則によって決定される(下式)。 [ CO 2 ] = ( 0.03  L − 1 / mmHg ) × P a CO 2 . {\displaystyle [{\ce {CO2}}]=(0.03{\text{ L}}^{-1}/{\text{mmHg}})\times P_{{\text{a}}{\ce {CO2}}}{\text{.}}}

例えば、血液ガス分析装置は通常、測定されたpHとPaCO2から重炭酸塩濃度を算出する。数学的には、アルゴリズムはヘンリーの法則式をヘンダーソン-ハッセルバッハの式に代入(英語版)、以下のように式変形する。 [ HCO 3 − ] = ( 0.03  L − 1 / mmHg ) P a CO 2 ⋅ 10 p H − p K a {\displaystyle \left[{\ce {HCO3^-}}\right]=(0.03{\text{ L}}^{-1}/{\text{mmHg}})P_{{\text{a}}{\ce {CO2}}}\cdot 10^{p{\ce {H}}-pK_{\text{a}}}} ヒトの海抜高さでの正常値は、pH ≈ 7.4、PaCO2 ≈ 40 mmHgであるので、代入すると以下の値となる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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