今は、人生で触れてきた文章や絵画や音楽、映画、漫画、アニメ、テレビ、演劇などすべてのものから影響を受けていると語っている[63]。漫画なら手塚治虫や大友克洋、アニメなら宮崎駿、映画なら黒澤明を始め国内外のあまたの監督の名画に多くのことを学んだ[63]。
子供のころに慣れ親しんでいたのは『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』等の手塚治虫のマンガやアニメーション作品だった[9]。
アニメ作品では、中学・高校の頃に当時のアニメファンが夢中になっていた『宇宙戦艦ヤマト』『アルプスの少女ハイジ』『未来少年コナン』『銀河鉄道999』『機動戦士ガンダム』といった作品を熱心に見ていた[9][54][63][73]。
大友克洋の影響は強く、特に感化された作品は『童夢』と『AKIRA』で、特に『童夢』は「読んだことのあるマンガの中で1本だけ映画を作ってもいいならそれがいいと思った」と言うほどである[9][22]。また高校生の時に大友らが始めたニューウェイブのムーブメントに影響を受け、自分で漫画を描こうという気になった[9]。それまでのマンガになかったリアリズムを湛えた作品や本来は物語の主人公には絶対になりえない人物に焦点を当てて特に何も起こらない話を圧倒的な描写力で描くというそのやり方に触れて啓蒙された[9][57]。自身の絵についても、漫画家時代に大友のアシスタントをしながら活動していたせいもあってか、絵柄にその影響を受けていると語っている[27]。また絵については、アニメ業界に入ってからはアニメーターの沖浦啓之、井上俊之、本田雄、安藤雅司、美術設定の渡部隆などに多大な影響を受けたとしている[74]。
大学に入ってからは実写映画ばかりを見ていた[22]。ほとんどの作品をビデオで見て、シーンの設定やフォーマット、演出などを参考にして漫画を描くことを日課にしていた[22]。彼が見た映画の9割はアメリカ製のもので、彼は「自分なりの映像の文体はハリウッド映画から大いに学んできた」と語っている[28][62]。ただし特定の作品や特定の監督だけに影響を受けたということはなく、見たことのある映画すべてから少しずつ影響されたのだという[22][75]。