人間
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近代の日本に於いても、戦時下には敵国の国民を「鬼畜」呼ばわりしたことがあった[注釈 6]。その後、人権思想も広まり、このような差別的な考え方、人種差別的な考え方は現在では世界的に嫌悪されることが多くなり、公に表明されることは少なくなった。

日本での問題としては、被差別部落民を指し「非人」と称していた事があった。「人非人」という表現もあったが人であって人に非(あら)ず、と言うのは矛盾しているため人という言葉はここでは2つ、生物学的な人と(自分たちの)社会に入っていない人を使い分けていた事が窺える[17]

18世紀にフランスで発見されたアヴェロンの野生児などのように、人間の親に育てられなかった人、社会から切り離されて育った人(野生児)が見つかることがあるが、彼らのありさまは、人々が「人間」という言葉で思うそれとは異なっていることが報告されている。

現代では、非人道的なことを行う人、モラルに欠ける人などのことを「人間ではない」「動物にも劣る」と表現することがある。
様々な基準と概念的な戯れ

「知能を備えていれば人間[要出典]」とする考え方をする者[誰?]も古く[いつ?]からあったので、今日のようにコンピュータが普及し人工知能も徐々に実現してくると、どこまでが人間でどこまでが機械装置か、というテーマも浮上してきた。それに関する哲学的問答が存在している(→チューリング・テスト)し、そういったテーマを織り込んだSF作品(フィクション)も最近では少なくない。

主としてサイエンス・フィクションなどを引用し、空想を逞しくし、いわゆる「宇宙人」なども絡めた上で人間の線引きを話題にする者[誰?]もいる[要出典][注釈 7]
関連語人間関係の詳細については「人間関係」を参照

人間はしばしば人物(じんぶつ)と呼ばれる。短く「人」と言うことで「人間」を意味することも多い[注釈 8]。また、特筆すべき著名な活動を行っている人間のことを著名人(ちょめいじん)或いは有名人(ゆうめいじん)と呼ぶ。人間と人間の関係を人間関係という。

人間の心身の本質についての、哲学的考察から近・現代の実証的な研究までを対象として「人間学」と呼ばれる学問分野がある。これはもともと、宇宙、世界の中での人間の位置づけ、人間の身体、気質、精神などの在り方を研究するものである。

人間を「じんかん」と読んだ場合は、「世の中、人間社会」という意味になる。中国語でも、この意味になる。例: 人間到る処青山あり
脚注[脚注の使い方]
^ 政治学科では一般にこう訳している。
^ 生物学科の人間などが、こうした翻訳をしたがる傾向がある。ただし、アリストテレスが「ポリス」という言葉に込めた意味をあまり理解していない場合が多く、しかも原著の内容を確認しないまま自己勝手に意味を歪曲していることが多い。
^ アウグスティヌス以前には原罪という思想は明確にはなかった、また東方正教会にもなかった、とされる[10]
^ こうした観点を端的に表現した概念としては、社会生物学の「利己的遺伝子」の概念などが挙げられるリチャード・ドーキンスの著『利己的な遺伝子』で広く知られるようになった。
^ 生物学的観点だけで人間のことを探求し記述したとしても人間のことを把握したことにはならないということである。ただし社会学などの、文化的側面が生物学的側面と独立している、あるいは対比的であるという前提についてはE.O.ウィルソン『知の統合』などの批判はある。
^ 勿論その時代にあっても多くの場合は相手も同じ人間である(理解し合うこともできるし、子供も作れる)ということを理屈の上では理解していたであろう。しかし感情的に同類と見なすことができなかった。
^ もしも 地球外生命、異人類が存在し、もしも それが独自の文化や社会(いわゆる宇宙人地球外文明)を形成していたとした場合には、「どの段階から人間として尊重すべきか?」「彼らがその形質上において地球上の生物とは異なる存在であろうとも、その何等かの特徴を持って人間として扱うべきではないか?」「ヒトという動物の中の一種族のみが人間と言えるのか?」「文化や知能が一定レベル以上であれば人間と見なしてもよいのではないか?」などということを大真面目に考えたり議論したりしている者たちもいるということである。SF作品(あくまでフィクション)では、我々の考える所の人道と同じ概念を共有出来る生命ならばそれは即ち人間である、などとして物語を展開することなどは多々見受けられる。
^ 俗に、「人」という漢字には、2つの存在が支えあっている様子が描かれている、ともいう。

出典^ ジーニアス和英辞典「人間」
^ a b c 広辞苑第六版「にんげん【人間】」
^ “人間(にんげん)の意味”. goo国語辞書. 2020年11月5日閲覧。
^ 土井かおる『よくわかるキリスト教』p.29, PHP研究所, 2004, ISBN 456963494X
^ a b 土井かおる『よくわかるキリスト教』p.38
^尾崎和彦『生と死・極限の医療倫理学』創言社, 2002, p.264)
^ Politika 1252b-1253a
^ a b c d e f 平子友長「西洋における市民社会概念の歴史」2007


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