人間
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したがって、思考力と記憶力の低下に関する懸念が、年齢を重ねるにつれて人々が抱く最大の恐怖の中にランク付けされるのは当然のことである[14]
歴史詳細は「世界の歴史」を参照

現生人類は、アフリカで生まれ、その生息範囲を次第に広げ、中近東を経由してヨーロッパアジア、さらに氷期などの気候の変動も影響して南アメリカまで到達した。6000-5000年前にもなると、世界の様々な地域で農業が始まり、同時期に文明が発生した。そして、文明は範囲を広げ、現代ではヒトはそのほとんどが文明の下に暮らすようになっている(初期の文明としてはナイル川ユーフラテス川インダス川黄河流域に発生したものが有名ではあるが、これらの地域のみで文明が発生したとする「世界四大文明」という概念はほぼ否定されている)。
生活イヌイットの女性 1907年

生活について言えば、人類史を概観すると、人類は もともと採集・狩猟生活を送り、その後農業を開始し、やがて本格的に工業も行うようになった、ということになる[15]

生活は、民族ごとに差異が大きく、気候でも生活方法は異なる。現在、人間が住む地域は、極地を除き、地球上全ての地域である。アジアの人口が過半数を占め,その中でもインド中国人口が特に多く、およそ3分の1を占める。2023年頃にインドが中国の人口を抜かし、世界一となった。
人間の特徴と人間論言語と関係するのエリア: ブローカ野ウェルニッケ野など

人類を他の生物種から際立たせる特徴は幾つかある。最もよくかつ古くから指摘されるものは言語能力の発達、それによる豊かなコミュニケーション、および思考の能力である。知性を持つ生物は人間以外にもあるという指摘はあるが、言語の使用が人間が人間らしい共同体を持つことを可能にしたことは確かであろう。共同体は相互の信頼関係、上下関係など緊密な人間関係によって成り立っている。人間はコミュニケーションをする。他の人間を大切に思ったり、愛すことがあり、反対にわずらわしく思うこともある。他の人間から自身がどのように思われているのか意識し、時には、自分の肉体的な生命よりも、むしろ「仲間の心の内にいる自分」や「将来の人々の間で語り継がれてゆくであろう自分の姿」のほうを大切に思うことがある。

言語はコミュニケーションする能力を与え、共同体・社会の基礎を与えるだけではない。また、人間は、言葉を用いて自らについて考える。人間は古来より人間自身について想いを巡らせてきた。人間は自省する。また人間は、人がこの世に生まれ死んでゆく意味についても想いを巡らせてきた。人間の心にあるさまざまな想いが言葉で綴られ、文学作品が生みだされてきた。古代メソポタミア、今からおよそ5000年ほど前に書かれたと推察されている『ギルガメシュ叙事詩』にすでに、深い洞察に満ちた人生哲学、現代人が読んでも感動するような文学作品が書かれている[16]

また人間は他の人間の心に描かれる、自分の姿や自分の評価などについて考え、喜んだり、悲しんだりしてきた。人間には自我がある。「人間らしさ」には、自我が発達し、他の人間の視点から見た自身を意識するということも挙げられる。日本的な表現で言えば「名を重んじる」あるいは「(生命よりも)名誉を重んじる」というのも、他の動物には無い「人間らしさ」である。人間は「他の人の心の中で自分が確かに生きている」と感じられると喜びを感じ、「他の人の心の中に自分がいない(死んでしまっている)」と感じると苦しむ。

人間は人間関係の網目の中での自分の場所・位置、「自らの 分」=「自分」を重んじ、それが喜びともなり、また苦しみともなってきた歴史がある。また近代以降の西洋文化では他の人間とは違っていることに存在意義を見出すようになり(一種の「アイデンティティ」)、そうした「アイデンティティ」を追求しようとすることが、たとえば登山の登頂「一番乗り」や未踏の地への一番乗りなど極端な冒険へと駆り立て大きな喜びももたらしたが、その一方で、他と同じような人間、とりたてて特徴の無い人間は苦しんでしまう、という結果も生んだ。

人間は人間自身について考えずにはいられない。そうして人間やその行為に関して研究する学問も生まれ、現在では倫理学歴史学考古学人文地理学文化人類学人間学心理学などがある。
人間と遊び

人間はその社会において、生存に必要な消費物を余剰生産する段階にまで入っている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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