人間の証明
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ライオネル・アダムズ:当たり屋だったウィルシャー・ヘイワードに慰謝料として4,000ドルを払った金持ち。

ワゴ:アダムズの運転手。

新見:東洋技研部長。人妻のホステス・なおみと愛人関係にある。失踪したなおみを捜索する。

森戸邦夫:事務機器販売の営業マン。新見に機器購入をちらつかせられて郡邸に忍び込む。

野々宮高吉:タクシー運転手。東京ビジネスマンホテルまでジョニーを乗せた。

宮武敏之:東京外語大学教授。米語発音学の権威。

中山種:霧積温泉旅館の元女中。おたねさん。ダム堰堤から転落死する。

中山静枝:殺された中山種の孫娘。霧積温泉旅館で働く。

ツネさん:霧積温泉のマイクロバス運転手。

駅長:霧積温泉のマイクロバスに乗り合わせる。地元の名士。

渋江:松井田署警部補。中山種の転落死を捜査する。

郡陽子:郡恭平の妹。恭子、恭平が犯行を認めた頃、アンパン遊びに加わっていたとして補導された。

魚崎千代子:新見の妹。

三島雪子:ハーレムに住み着いて写真を撮影する日本女性。

大室よしの:中山種のいとこ。八尾にある宮田旅館の隠居部屋で暮らす。

谷井新子:宮田旅館のお手伝い。遠縁の八杉恭子を伝に東京に出てくる。

川村:私大生。旅行研究部のアイドル雅代をハイキングに連れ出す。

荒井雅代:私大生。山林で腐乱死体を発見する。

映画

人間の証明
Proof of the Man
監督
佐藤純彌
脚本松山善三
製作角川春樹
吉田達
サイモン・ツェー
出演者松田優作
岡田茉莉子
ジョージ・ケネディ
音楽大野雄二
主題歌ジョー山中
人間の証明のテーマ
撮影姫田真佐久
編集鍋島惇
製作会社角川春樹事務所
配給東映洋画
公開 1977年10月8日
上映時間133分
製作国 日本
言語日本語
英語
配給収入22.5億円[7][8]
前作犬神家の一族(1976年)
次作野性号の航海 翔べ 怪鳥モアのように(1978年)
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ポータル 映画
プロジェクト 映画

角川春樹事務所製作第二弾[9][10]東映洋画配給[11][12]興行は都市部を日比谷映画劇場をメインとした東宝洋画系[12]地方を東映がそれぞれ担当した[12]

松田優作岡田茉莉子ジョージ・ケネディがそれぞれ黒歴史を持つ人物を演じ、日本映画で初めて本格的なニューヨークロケが行われた[13][14]松山善三の脚色は原作と異なる結末になっている。

映画公開時に用いられた有名な台詞「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」は西條八十の詩がオリジナルであり[注 1]、劇中でも語られている。ジョー山中が歌う「人間の証明のテーマ」もヒットし、ベストテン入りを果たしている[注 2]。また映画公開に合わせ、文庫フェアと原作者が全国を回るサイン会も行われ、森村誠一は一躍ベストセラー作家に躍り出た[15]

"角川商法"と言われた大々的なメディアミックス戦略は本作で早くも確立された[10][15]。角川は映画と自社の文庫を売るため、映画では監督の佐藤純彌や主演の松田優作に、映画の利益が出た際の追加ギャラを約束した上で、角川春樹と角川の興行アドバイザーを担当していた黒井和男を加えた4人で全国主要15都市の劇場で舞台挨拶を行うキャンペーンを行った。そして地方を回った際は、地元の本屋や取次を、次回作の試写や完成披露のパーティに招待するなどの配慮を怠らなかった。文庫に関しては、当時、社を上げて売り込んでいた角川版『日本地名大辞典』のキャンペーン隊に、原作者の森村がサイン会のために同行し、映画のキャンペーンと会場がバッティングすると、森村が映画館で挨拶をすることもあったという[16]
あらすじ (映画)

東京赤坂にある高層ホテルのエレベーター内で、黒人青年ジョニー・ヘイワードが血を流しながら倒れ、そのまま死亡した。胸部を刺されていた。麹町署の棟居弘一良刑事らは、ホテルのエレベーターガールの証言からジョニーの遺言が「ストウハ」であったこと、ジョニーがすりきれた『西條八十詩集』を持っていたことから、その意味を探り始める。

一方、ジョニーが殺されたエレベーターに乗り込んでいた一人の女性が、事件の夜に有名ファッションデザイナー八杉恭子の息子である郡恭平に轢き殺され、発覚を怖れた恭平によって東京湾に沈められてしまう。恭平は現場へ残してしまった懐中時計と同じものを入手しようとするなど、疑いがかからぬような工作をしたもののことごとく失敗に終わった。ついに八杉恭子に事件の全てを告白すると、八杉恭子は恭平にアメリカへ逃げるように指示した。しかしひき逃げ事件の現場の遺留品から棟居刑事は八杉恭子にたどり着く。

その頃、ジョニーの言語的特徴から「ストウハ」という遺言はストローハット(麦わら帽子)、ジョニーがアメリカを去る際に目的地だと語った「キスミー」は『西條八十詩集』の詩の一節とも関連して群馬県霧積温泉郷を割り出し、棟居刑事は現地に向かう。聞き込みの結果、ジョニーの情報を知っているであろう中山たねという老婆に行きついたが、訪問すると、何者かに殺された直後であった。

その後さらに聞き込みを重ね、霧積では八杉恭子が戦後、進駐軍向けのバーで働いていたことが分かった。棟居刑事は八杉恭子がジョニー殺害の犯人だと推理し、ジョニーの本当の誕生日と母親が誰かを聞き出すため、ジョニーの父親を捜しにニューヨークへ飛ぶ。

棟居刑事はニューヨークで相棒となるシュフタン刑事を紹介され行動を共にするが、ふとした出来事から父を殺したアメリカ兵と同じタトゥーを手の甲に見つけてしまい衝撃を受ける。しかし複雑な思いを抱いたまま捜査を進めるのであった。捜査を進める棟居刑事はジョニーの父親を見つけ、ジョニーが日本で生まれたことを突き止める。そんな折、棟居刑事はひき逃げ犯の恭平をニューヨークで発見し追い詰めるが、抵抗する恭平はシュフタン刑事に銃口を向けてしまったため、シュフタン刑事によって射殺されてしまう。

棟居刑事が東京へ戻ったタイミングで日本デザイナーコンクールが開かれていた。その席で棟居刑事は八杉恭子に恭平が死んだことを伝え、それを聞いた八杉恭子は受賞したばかりの金賞を辞退し、そのあと自らハンドルを握り霧積の渓谷へ向かった。渓谷で追い詰められた八杉恭子は横渡刑事の質問に頷く形で、ジョニーは八杉恭子が産んだ子どもであること、ジョニーを殺害したこと、ジョニーのことを知っていた中山たねを殺害したことを認めた。八木恭子が身を投げようとしたところを横渡刑事は止めようとしたが、棟居刑事はそれを制し、八杉恭子のなすがままにまかせた。

顛末を知らされたシュフタン刑事は、ジョニーの父親を訪ねたが既に息絶えていた。その帰途で、以前取り調べで手荒く扱った黒人男性に刺され、そのままこと切れた。
スタッフ (映画)

監督 -
佐藤純彌

製作 - 角川春樹鹿内信隆

プロデューサー - 吉田達、サイモン・ツェー

脚本 - 松山善三

撮影 - 姫田真佐久

美術 - 中村修一郎(中村州志)[17]


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