人道に対する罪
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

日本の戦争犯罪を裁く極東国際軍事裁判における戦争犯罪類型C項でも規定されたが、日本の戦争犯罪とされるものに対しては適用されなかった[6]。連合国側が、日本の場合はナチス・ドイツの「ユダヤ人問題の最終的解決」のような民族や特定の集団に対する絶滅意図はなかったと判断したためである[7]南京事件いわゆる南京大虐殺については連合国は交戦法違反として問責し、「人道に関する罪」は適用されなかった[8]
戦争犯罪及び人道に反する罪に対する時効不適用に関する条約

1968年11月26日、第23回国際連合総会で、「戦争犯罪及び人道に反する罪に対する時効不適用に関する条約」が採択された。この条約は前文および11条からなり、第一条で戦争犯罪と人道に反する犯罪について時効は「その犯罪の行われた時期にかかわりなく、適用されない」と規定された。

戦争犯罪とは「1945年8月8日のニュルンベルグ国際軍事裁判所規約で定義され、1946年2月13日の第一回国連総会決議三及び 1946年12月11日の同国連総会決議九五によって確認された戦争犯罪のことで、「とくに戦争犠牲者の保護に関する1949年のジュネーブ協定に列挙された重大な違反」を指すと規定されている。

「人道に反する犯罪」とは「戦争中たると平時たるとを問わず」、ニュルンベルグ国際軍事裁判所規約、第一回国連総会決議3、および国連総会決議95によって確認された「人道に反する犯罪」のことを指し、さらに、「武力攻撃又は占領による追放、アパルトヘイト政策に結果する非人道的行為、並びに1948年の集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約に定義され た集団殺害の犯罪で、かかる犯罪行為が犯罪の行われた国の国内法に違反しない場合をも含む」と規定された。

この条約には58国が同意、7国は反対、36国が棄権、23国は裁決に加わらなかった。

日本は過去にさかのぼり時効の適用を撤廃することは日本国憲法第39条事後法・遡及処罰の禁止)に反する疑いがあり、また犯罪の定義が不明確であるとの理由から締約国の範囲を定めた第5条に賛成したほかは各条項および条約案全体を棄権した[9]

中華人民共和国アルバニア決議[10]以前であったため国連未加盟で、東西ドイツ[11]も同じく国連未加盟のため採決に参加せず、また本条約に参加していない。

1969年に11カ国が署名、うちメキシコを除く10カ国の批准により1970年11月11日発効した(メキシコは2002年に批准)。のちパレスチナ国家を含む全56国が加盟している。


合意国家

以下は各国家の判断。※国名は当時のもの

アルジェリア

ブルガリア

ビルマ

白ロシアSSR(現・ベラルーシ

中央アフリカ共和国

セイロン(現・スリランカ

チャド

チリ

中華民国台湾

キプロス

チェコスロヴァキア社会主義共和国

ダオメ共和国(現・ベナン共和国

エチオピア

ガボン

ガーナ

ギニア

ハンガリー

インド

インドネシア

イラン

イラク

イスラエル

象牙海岸(現・コートジボワール

ケニア

クエート

レバノン

リベリア

リビア

マレーシア

モルディブ諸島

モーリタニア

メキシコ

モンゴル人民共和国

モロッコ

ネパール

ニジェール

ナイジェリア

パキスタン

フィリピン

ポーランド

ルーマニア

ルワンダ

サウジアラビア

セネガル

シンガポール

南イエメン人民共和国

スーダン

シリア

トーゴ

チュニジア

ウクライナSSR(現・ウクライナ

ソビエト社会主義共和国連邦(現・ロシア連邦

アラブ連合

タンザニア

上ボルタ(現・ブルキナファソ

ユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国

ザンビア

以上、条約に58国が同意した。
反対国家


アメリカ合衆国

オーストラリア

ポルトガル

南アフリカ共和国

エルサルバドル

連合王国(イギリス

ホンジュラス

以上、7国は反対した
棄権国家


アフガニスタン

アルゼンチン

オーストリア

ベルギー

ボリヴィア

ブラジル

カナダ

コロンビア

コスタリカ

デンマーク

エクアドル

フィンランド

フランス

ギリシャ王国(現・ギリシャ共和国

グアテマラ

ガイアナ

ハイチ

アイスランド


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:65 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef