口演では「ぼやき講座」という演題を採用することが多かった。幸朗がひたすら直立不動でしゃべり、幸子が合間に甲高い声で威勢のよいツッコミを入れた。冒頭と終わりで幸朗が丁寧な挨拶を行い、現代の一般的なしゃべくり漫才とは趣を異にする間と雰囲気を持っていた。
幸朗はしゃべくりに熱が入ってくると顔を真っ赤にし、肩をいからせて手を振りあげ、口角泡を飛ばす勢いでがなりたてた。幸子は、そんな幸朗を尻目に独特の甲高い声で調子の外れた流行歌を歌い、アクの強い夫に負けぬ存在感を示した。 幸朗・幸子は世相のみならず、流行歌の歌詞やタイトルにケチをつけ「歌謡漫才」の要素を加味したことで、広く知られることとなった。このため「幸朗・幸子にこき下ろされれば、歌手として一人前」という風潮さえあったという。 この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2015年12月)
進行例
開口の挨拶
冒頭で幸朗が「浜の真砂は尽きるとも、世にボヤキの種はつきまじ」と石川五右衛門の辞世の句をもじる。幸子がすかさず「キザなこと言うな、このハナクソ!」と突っ込む。続いて幸朗が「わたしのこと、みなボヤキやあ、ボヤキやあ言うてねえ」と言うと、幸子が「当たり前や。誰かて言わはるわ。ボケ!」と返す。幸朗が「しかし、みなさん、これは私がボヤくのやのうて、今の世の中が私をボヤかしまんねん」といい、「まぁ皆さん、聞いてください」と聴衆に語りかけ、世相・ニュースを斬り始める。
世相
幸朗「電車の線路のそばに住んでて、警報機の鐘、あのカンカンカンというのがうるそうて寝られん言うて、警報機の線を切った奴がおる。そんなもん切ってどないすんねん。あの警報機の音で近所の住人の安全が守られとる。あのカンカンカンという音を聞いて、ああ空襲やなと思うんやないか」幸子「なにー? あほか」
幸朗「満員のバスで、子供が前に飛び出したから、運転手急ブレーキかけよった」幸子「まあ。危ないやないの」幸朗「幸い子供は無事やったんやけど、急ブレーキやったもんやさかい、吊り革持たんとボーっと立っとったオッサン、仰向けにひっくり返って、そのこける格好がおかしいと乗客大笑い、誰も手ェ貸してくれよらん!」幸子「え?っ!! そんならアンタもわろとったん?」幸朗「じゃかましいわい!! いやしくもワシは正義の味方や、そんなこと見て黙っとれるかい!」幸子「まあ。えらいやないの。助けたげたンか」幸朗「黙れ?!!! 話は最後まで聞け!!」幸子「何やねん一体!!」幸朗「助けたくても助けられるかい!!」幸子「なんで!?」幸朗「こけたン、ワシじゃ!!」幸子「アホか!!」
流行に敏感な幸朗は仮面ライダーの「変身!!」を叫んだり、間寛平のギャグを入れることもあった。
幸朗が熱っぽく田中角栄の金権政治などを批判すると、観客の盛大な拍手をうけた。このとき幸子は冷淡に「あ?あ。デボチン(大阪弁で額のこと)に汗かいてェ」とツッコむ。
流行歌
幸子が流行歌(森昌子「せんせい」、水前寺清子「いつでも君は」など)を聴くに堪えぬ金切声でひとしきり歌い(歌の最中にも幸朗は細かいツッコミを入れる)、歌い終わる頃に幸朗が「止まれ?! ストップ!」と号令を出し歌を終わらせ、「善良なお客さんを前にして、何という耳障りな歌を歌いよるかァ! ……愚かなる女め」とやり込める。幸子が負けずに「○○の○○という歌やで!」と言い返す。すると幸朗は「そんなもン、言わいでもわかってるわい」と口答えするので、幸子が「ホナ、ごちゃごちゃ言うなこのヨダレクリ(またはウズラ)!」と幸朗をやり込める。そして幸朗が「このごろ、わけの分からん歌が多すぎる!」と言うと、幸子は「そら! お客はん始まりましたでえ!」または「ぼつぼつ歌の方に回ってまっせ!」と煽り、ネタに入る。幸朗は流行歌の歌詞(完全な引用ではなく、幸朗のしゃべくりのテンポのため微妙に変化している)を次々と槍玉に上げ、ひとりでぼやき続ける。
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浅田美代子「虹の架け橋」「さわやかな私の朝を あなたにあげよう」→「なんぼ自分の名前がアサ田でも、朝はおまえだけのもんやないぞォッ」[8]
あのねのね「ネコ・ニャンニャンニャン」「猫ニャンニャンニャン 犬ワンワンワン 蛙もアヒルもガーガーガー」→「どついたろか馬鹿モノ!! もっと責任ある歌歌え!!」
天地真理「若葉のささやき」「若葉が街に急に萌(も)えだした」→「若葉が燃えるか! あんなもン燃えてみィ。消防署のオッサン忙しいてどもならん!」
五木ひろし「愛の始発」「川は流れる 橋の下」→「当たり前や。橋の上流れとったら水害やがな」
五木ひろし「ふるさと」「祭りも近いと汽笛は呼ぶが」→「汽笛が物言いまっか。汽笛が物言うてみ、駅の近くの人ら、やかまして夜寝られへんがな」「洗いざらしのジーパン一つ」→「ジーパン一つでうろうろすなよ!」
五輪真弓「約束」「一所懸命育てた鳥でさえ 窓を開けたら飛んでいく」→「当たり前やないか。鳥かて羽があんねん、飛んでいくよ。飛んで嫌なら金魚飼うとけ!」
井上陽水「東へ西へ」「昼寝をすれば夜中に 眠れないのはどういうわけだ」→「当たり前やないか! そんなら昼寝すな!」
井上陽水「夢の中へ」「探し物は何ですか」→「ほっとけ!!」「見つけにくいものですか」→「知るか、そんなもん!!」「それより僕と踊りませんか?」→「馬鹿にすなぁ!」「誰が踊るか!!」「まだまだ探す気ですか、踊りましょう」→「どつき回すぞ!!」
上田正樹「俺の借金全部でなんぼや」「俺の借金全部でなんぼや」→「そんなもん自分で数えんかいっ!!」
沖田浩之「E気持」「A・B・C、A・B・C あー E気持」→「(間髪入れずに即ギレして)馬鹿者ぉ!!」
研ナオコ「かもめはかもめ」「当たり前や! そんなもん楽団使うてたいそうに言うな!」
西郷輝彦「海はふりむかない」「当たり前や! ほんなもん海が振り向いてみぃ、船ぇ元の港へ逆戻りじゃ!」
桜田淳子「気まぐれヴィーナス」「去年のトマトは青くて固かったわ だけどいかが もう今年は赤いでしょう」→「どついたろか馬鹿モノ! トマトってもんは1年せな赤うなりまへんか? そんなもん早う腐ってもうとるわ! それ知らんと食べて腹こわしたらどないすんねん」
千昌夫「アケミという名で十八で」「アケミ言うたら皆18かい!! うちの近所のアケミは68や!!」
竹内まりや「不思議なピーチパイ」「ときめくハートがその証拠 人生が今キラキラと近づいてくる」→幸朗「何ぬかしとんねん。なんでワシがお前に近づいていかなあかん! 馬鹿にすなぁ!」幸子「人生が違うの! あほか!」
千賀かほる「真夜中のギター」「そっとしときよ みんな孤独でつらい 黙って夜明けまで ギターを奏こうよ」→「近所迷惑やがな! 夜明けまでギター奏いとったら『やかましわ! 静かにせんかい!!』って怒鳴りに来るで!!」
並木路子「リンゴの唄」[9]「リンゴは何にも言わないけれど リンゴの気持ちはよく分かる」→「リンゴが物言うか! リンゴが物言うたら果物屋のおっさんがうるそうてかなわんやないか」
西田佐知子「神戸で死ねたら」「どこでなと死んでこいッ、神戸は死にやすいんかい。わざわざ死ぬとこまで相談すな」[8]
細川たかし「心のこり」「私バカよね おバカさんよね」→「己を知っとる(と細川を褒めるも幸子がツッコミを入れる)」
堀内孝雄「君のひとみは10000ボルト」「人間の目ン玉電気か! 私この歳なるまで目の玉に電気代払うたことないわ」
松本ちえこ「恋人試験」「私の一番かわいい所(とこ)どこですか?」→「己で勝手に探さんかい」
松山千春「残照」「西の空が溜息ついた」→「西の空溜息ついてみい! 九州の人、やかまして夜寝られへんがな!」