元々の「人生オワタ」という概念は樹海で自殺することを目指しており、本作においても「人生オワタ」が指すものは同義である[4]。
本作は主人公である「人生オワタ」が何度も死を迎える一方、リプレイに対するペナルティは低く、「R」キーを押すだけで、プレイ中のステージのスタート地点に戻ることができる[4]。
続編である『人生オワタの大冒険2』は、樹海から崩壊が迫っており、Flashサポート終了という確実な死が目前に控えている状態のアスキーアートの世界を舞台として、消えゆくアスキーアートの世界を攻略することを主眼としている[4][10]。 キングは本作の経緯について、おたくま経済新聞およびガジェット通信からの取材に対して話している[5][11]。 元々キングは2ちゃんねるのアスキーアート板をよく利用しており、特に人生オワタを気に入っていた[11]。この時、オワタを題材としたFLASHアニメが掲示板内のスレッドにアップロードされており、キングはこれをアニメーションにしたら面白いだろうと考えるようになった[11]。FLASHアニメやFLASHゲームを気に入っていたことから、当時大学生だった彼は本作の体験版を作り、2007年正月に公開した[11]。この体験版はAdobe Flashの勉強と練習を目的としていたが、一日に10万件のアクセスが殺到するほどの話題性を得たことから、さらなるブラッシュアップがすすめられ、2007年末に未完成扱いで公開された[5][11]。その後、2009年9月に完成版として公開され、『I Wanna Be the Guy』(以下『IWBTG』)のグラフィックを用いた追加ステージが用意された[5][11]。 2020年8月15日には続編となる『人生オワタの大冒険2』が公開された[3][6]。 同作の公開にあたり、作者のキングは「Flashもあと少しで終わるので、令和最初で最後のFlashゲームとして本作を作った」という旨のツイートを行なっているほか[12]、電ファミニコゲーマーの記事によると、キングは『2』の制作にあたり3か月ほど休業したとされている[4]。『2』の音楽はキングの別作品『ロッコちゃん』などへの楽曲提供も行ったAsagenが担当している[4]。 本作は、「孔明の罠[注釈 2]」と呼ばれるような即死トラップが多数存在し、その死の理不尽さから「鬼畜ゲー」「死にゲー」などと呼ばれるようになり[13]、2000年代中盤に人気を博した[2]。 また、本作はサントリーのコーヒー飲料クラフトボスのWEB動画『Flash Back Memories』の中でも取り上げられた[2][14]。 本作のゲームデザインは『IWBTG』に影響を与え、そこからさらに『Super Meat Boy これとは別に、ゲーム制作者のちくも本作に影響を受けて『しょぼんのアクション』を制作したと公言している[注釈 3][15]ほか、ゲーム『UNDERTALE』の作者であるトビー・フォックスも高校生の頃から本作のファンだとキングとのTwitter上でのやり取りにて明言している[16]。 ガジェット通信のshnskは、『人生オワタの大冒険2』について、ステージの区切りが簡略化されて遊びやすくなっていると評価している[6]。GIGAZINEは、『人生オワタの大冒険2』について初代同様理不尽なトラップが多いがために、クリアした時の達成感が大きいと評価している[13]。
制作
制作(人生オワタの大冒険2)
反響
他作品への影響
評価
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 人生オワタの前腕に被せるように装着された銃で、前方に弾を射出して攻撃できる。『ロックマン』に登場する武器「ロックバスター」のオマージュである。
^ 「諸葛孔明の策略のように相手を見事に引っ掛ける罠」という意味のインターネットスラング。転じて、コンピュータゲームにおいては「初回のプレイでは否応なくミスを強いられてしまうような、予測困難なトラップや敵の攻撃」を指すスラングとして用いられる。横山光輝の漫画『三国志』において、司馬懿が孔明の策に嵌ることを恐れて過剰に警戒し、些細なことにも「待て あわてるな これは孔明の罠だ」と疑いを向けていたことに由来する。
^ ちくは『しょぼんのアクション』制作後に『I Wanna Be the Guy』を知ったと振り返っている[15]。
出典^ “【座談会】Flashは滅びぬ! 何度でもよみがえるさ―― あのころ、僕らが夢中になった「Flashの時代」を振り返る(後編)
^ a b c touge (2020年12月10日). “Flash動画全盛期を振り返る,クラフトボスのWebCMが本日公開。“ペリー”こと宮崎吐夢さんが,未来のクリエイターにエールを贈る
^ a b c “ ⇒王の巣窟”. king-soukutu.com. 2021年7月31日閲覧。
^ a b c d e f g h 古嶋誉幸. “「死にゲー」2Dアクションに今なお影響を与え続ける伝説的死にゲーの続編『人生オワタの大冒険2』がFlashの終焉を前に公開