人権擁護委員の日
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委員の数は、2012年(平成24年)現在、約1万3,689人[1]。2001年(平成13年)1月1日付の現況は以下の通り。

委員数 - 総数 1万3,991人(100.0%) 男性 9,588人(68.5%) 女性 4,403人(31.5%)

平均年齢 - 65.02歳(60歳以上の者が全体の80.5%を占める。)

職業別 - 無職43.6%、農林漁業14.4%、宗教関係7.7%、会社役員5.7%、団体役員3.4%、弁護士3.0%、商業3.0%、会社員3.0%、その他16.2%など。

教員公務員などの退職者に委嘱されることも多く、名誉職的な位置付けとなっていることも多い。

全国の人権擁護委員の2011年(平成23年)中の活動実績は、次のとおりである[1]

人権啓発活動従事回数 - 227,683回

人権相談事件取扱件数 - 159,157件

人権侵犯事件関与件数 - 14,269回

2011年度(平成23年度)の人権擁護委員制度に関わる予算執行額は、9億9300万円である[1]
沿革
制度の創設

人権擁護委員制度は、日本国憲法の施行から1年ほど経った1948年(昭和23年)7月、政令である人権擁護委員令(昭和23年政令第168号)に基づき発足した。当時、憲法の中核をなす基本的人権の保障をより十全なものとするため、法務庁(法務省の前身)に人権擁護局を設置し、法務総裁(法務庁の長)が人権擁護の事務を管理していた。人権擁護委員は、この法務総裁および法務庁人権擁護局の事務を補助させるため、都道府県ごとに置いたものである。翌1949年(昭和24年)には、新たに人権擁護委員法(昭和24年法律第139号)が成立し、全国の市町村に人権擁護委員を置くという現行の人権擁護委員制度が始められた。
制度の拡充

当初は、人権擁護局に出先機関がないことから始められた制度であったものの、人権擁護の推進という事務の性質上、官民一体となって行うことが望ましいことから、各法務局の人権擁護部、各地方法務局の人権擁護課といった出先機関が設置された後も、順次人権擁護委員制度は拡充されていった。

人権擁護委員は、人権啓発活動や人権相談を中心にその役割を果たしてきており、人権擁護行政の重要な一翼を担ってきたと評価されている。1991年度(平成3年度)には、法務局・地方法務局や一定の支局に常駐し、人権相談等に従事するものとして指定された人権擁護委員である常駐委員の制度が始められ、1994年度(平成6年度)には、子どもの人権問題を主体的、重点的に取り扱うものとして指名された人権擁護委員である子どもの人権専門委員の制度が始められるなど、活発な活動を展開し、成果を上げているものもある。

しかし一方で、活動実績の乏しい委員も存在し、また、人権救済等に必要な専門性や経験を有する人権擁護委員が必ずしも十分に確保されていないため、活動の実効性にも限界があると指摘されてきた。
制度の改革

1997年(平成9年)5月、当時の松浦功・法務大臣は、人権擁護推進審議会に対し、「人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項」を内容とする諮問を行った(平成9年法務省権総第236号、同年諮問第2号)。

同審議会は、この諮問に対して、「人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について」(1999年(平成11年)7月)および「人権救済制度の在り方について」(2001年(平成13年)5月)と題する答申を発表した。さらに同審議会は、2001年(平成13年)12月、人権擁護委員制度に関してまとめた「人権擁護委員制度の改革について」と題する追加答申を発表した。

同追加答申では、人権擁護委員制度について「その実効性等につき様々な問題点が指摘されている」として、改革の必要性を表明した。法務省はこの答申を受け、人権擁護行政と人権擁護委員制度の抜本的な改革を検討し、人権擁護法案にまとめて、2002年(平成14年)の第154回国会に提出した。なお、同法案は、その後継続審議とされ、2003年(平成15年)10月に衆議院解散が行われたことにより、廃案となっている。

2012年(平成24年)9月19日、野田内閣は、次期国会に提出することを前提として、人権委員会設置法案及び人権擁護委員法の一部を改正する法律案の内容を確認する閣議決定を行った[2]。この人権擁護委員法の一部改正法案によれば、人権擁護委員に関する事務は人権委員会の所掌とすること、人権擁護委員は人権委員会が委嘱すること、国家公務員法が適用される非常勤の国家公務員(給与は不支給)とすること、市町村長の推薦によらない特例委嘱制度を創設することなどが主な改正点である。2012年12月16日の第46回衆議院議員総選挙で敗北し内閣総辞職したため法案提出はならなかった。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 2015年の公職選挙法改正で2016年6月19日より18歳選挙権が規定されたが、2022年3月31日まで附則により当分の間「有する者であつて成年に達したもの」と適用されていた。
^ 沖縄の復帰に伴う法務省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第39条より、沖縄の法令の規定により禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでの者も対象。

出典^ a b c 法務省行政事業レビュー・平成24年「レビューシート059 人権擁護活動の充実強化」、法務省。
^人権委員会設置法案及び人権擁護委員法の一部を改正する法律案について、法務省人権擁護局、2012年。

関連項目

人権擁護委員法

人権擁護法案

保護司

児童委員

民生委員

行政相談委員

人権擁護者

外部リンク

法務省人権擁護局


人権擁護委員制度の改革について - 法務省・人権擁護推進審議会

「人権擁護委員制度の概要」(「人権擁護委員制度の改革について」参考資料)


人権啓発活動ネットワーク協議会 - 法務局・地方法務局、人権擁護委員連合会、都道府県、市町村などで構成する団体

法務省行政事業レビュー「レビューシート058 人権擁護活動の充実強化」 - 法務省

人権委員会設置法案及び人権擁護委員法の一部を改正する法律案について - 法務省人権擁護局


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