人工衛星
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ロシア、アメリカ、中国は衛星破壊の実験を行ったことがある[44]。2007年、中国は自国の気象衛星風雲一号Cを破壊し[44]、2008年2月、アメリカ海軍は自国の偵察衛星USA-193を破壊させている[45]
弾道ミサイルとの相違・北朝鮮による国連安保理決議違反

弾道ミサイルと人工衛星はロケット推進体で上昇する基本構造必要技術も共通で、弾頭や予定到達地点を変えるだけで転用可能である[46][47][48][49]。違いは、弾頭部分に爆弾や生物・化学兵器などを載せればミサイル、弾頭に通信衛星などを載せれば人工衛星になる。他にも弾道ミサイルは大気圏外を出た後に、大気圏再突入し、地上に落下してくるように打つが、人工衛星打ち上げロケットは大気圏外を出たまま地球周回軌道に入るように打ち上げる[47][48]。「北朝鮮核問題」も参照「北朝鮮によるミサイル発射実験」も参照「北朝鮮核問題の年表」も参照

国連安全保障理事会は、2006年の国際連合安全保障理事会決議1718号で、北朝鮮による核・ミサイル開発を禁止した[46]。そして、2009年6月(国連安保理決議第1874号)や2013年の決議(国際連合安全保障理事会決議2087)では北朝鮮に「人工衛星」と称したロケット発射も念頭に、「弾道ミサイル技術を使用したあらゆる発射」の禁止を義務付けている[47][50]。2017年までの一連の安保理決議で、北朝鮮には (1) 弾道ミサイル技術使用の発射行為、核実験又はその他の挑発の禁止。 (2) 弾道ミサイル及び核関連活動の即座停止。 (3)全ての核兵器、核計画、その他のいかなる大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画も完全な、検証可能な、かつ、不可逆な方法での放棄。、この3つが義務付けられている[51]。国連安保理決議とは、国際法の派生法であり、国家に対する法的拘束力がある[46]。しかし、北朝鮮は国際法違反を無視し、「人工衛星」と称し、ロケットを発射し続けている。北朝鮮はミサイル打ち上げ、自国内における核実験の双方を繰り返すことで核兵器に関する技術を高め、ノウハウを蓄積している。これらを繰り返すことで、核兵器の小型化、それを弾頭に載せられるようにし、核弾頭を載せた弾道ミサイル(核ミサイル)完成を目指している[47][52][48][50][51]。そして、北朝鮮は2012年4月の実験前に「人工衛星」光明星3号を公開したものの、弾頭部分が人工衛星とは呼べない作りであった[47]

北朝鮮が「実用衛星」「地球観測衛星」として発射したものの最終的に全て空中分解となった[53]長距離弾道ミサイルが2012年4月13日に韓国政府によって回収された。調査によって、1段目と2段目の継ぎ目付近が爆発したこと可能性が指摘された[54]。同日に北朝鮮国会に相当する最高人民会議を平壌で開き、「永遠の総書記」「永遠の国防委員長」と定めた金正日の後継として、金正恩が存命最高位である国防委員会第1委員長に就任した[54][55]

2016年2月に北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」として発射した長距離弾道ミサイルを海から回収した韓国政府が、残骸の分析をした。すると、本当に「人工衛星」なら必須な「フェアリング」部分に発射時衝撃音などから精密機器保護機能がなく、「衛星打ち上げ」が偽装でミサイル開発が本来の目的だからだと指摘された。米韓両軍によると、今回のミサイルは、前回2012年12月に「衛星運搬ロケット」と称して発射したのと同じ「銀河3号」であった[56]

2023年5月に北朝鮮は、初めて「軍事偵察衛星」と称するロケットを発射した[57]。同年6月に11年ぶりに「軍事偵察衛星ロケット」を韓国政府が海から回収に成功している[58]。そして、ロケットの弾頭部分の「軍事偵察衛星」には、軍事偵察衛星の役目を果たせる程の性能が無いことが判明した。北朝鮮は軍事偵察衛星の能力向上も狙っている[57]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 高度が高くなれば重力の影響が小さくなるので、より低速(小さい遠心力)で周回できる。例えば高度約36,000 kmの静止軌道では約 3.1 km/sで人工衛星(静止衛星)となる。

出典^第12回『秒速7.9Km』[リンク切れ]北海道大学 北大リサーチ&ビジネスパーク
^ 増える人工衛星 天文観測に支障/事業者の規制なく 「光害」対策へ議論『朝日新聞』朝刊2024年4月26日(教育・科学面)同日閲覧
^ “ ⇒Rockets in Science Fiction (Late 19th Century)”. マーシャル宇宙飛行センター. 2008年11月21日閲覧。
^ Everett Franklin Bleiler; Richard Bleiler (1991). Science-fiction, the Early Years. ケント州立大学出版. pp. 325. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-0873384162 


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