人工衛星
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北アメリカ航空宇宙防衛司令部」(NORAD)も参照。
非軍事衛星業務

非軍事的な人工衛星の業務は基本的に3種類存在する[11]
固定衛星サービス

固定サービス衛星(英語版)は国や大陸をはさんで、特定の地点間の何千億もの音声、動画、データ通信タスクを処理している。
モバイル衛星システム

モバイル衛星システムは辺境にある自動車や船舶、飛行機、人々にナビゲーションシステムとして利用されることだけでなく、世界の違う場所にいる、もしくは他のモバイル・固定通信装置と通信することに使用される。
科学観測衛星(営利・非営利)詳細は「地球観測衛星」を参照

科学観測衛星は気象情報や地上情報、といった地球科学的、海洋学的、大気学的調査に利用される。
分類ミルスター:通信衛星
目的による分類

軍事衛星:軍事目的の衛星。今までに最も多く打ち上げられた衛星。

衛星攻撃兵器/キラー衛星:敵の衛星を攻撃するための兵器。粒子ビーム兵器、エネルギー兵器、運動エネルギー兵器核ミサイルまたは通常弾道ミサイルなどを用いて破壊する。

偵察衛星/スパイ衛星:軍事目的のリモートセンシング衛星通信衛星。運営者である政府が情報を秘匿するため、これらの完全な性能が知られることはほとんど無い。早期警戒衛星はここに分類される。


通信衛星電気通信を目的とする衛星。21世紀初頭の通信衛星は一般的に対地同期軌道モルニア軌道低軌道を利用する。

放送衛星:地上の放送局から発信された電波を各家庭のアンテナまで中継する衛星。


科学衛星:地球、惑星、太陽などの天体や宇宙線、電離層といった宇宙空間の科学観測を目的とする衛星。

宇宙望遠鏡/天文衛星:地球以外の惑星銀河など外宇宙の天体を観測目的とする衛星。

'惑星周回探査機: 火星木星などを周回する衛星。人工衛星と呼ばれることは稀である。


地球観測衛星:環境モニタリングや気象学地図学といった非軍事的な地球上の観測を目的とした人工衛星。気象衛星や、海洋観測衛星はここに分類される。地球観測システムを参照。

生物衛星宇宙生物学的目的で生物をのせた衛星。科学衛星には分類されない。

航行衛星:地上の携帯型受信機が現在の正確な場所を判明できるように無線報時信号を送信する衛星。リアルタイムで誤差数メートルの衛星ナビゲーションシステムを可能とした。米国のGPS衛星のほか、欧州のガリレオロシア連邦GLONASS中国北斗衛星導航系統などがある。

それ以外の分類

小型衛星:小型・軽量の人工衛星[12]アマチュア衛星ピギーバック衛星CubeSatなどはほとんどがここに分類される。新しい分類法ではミニ衛星(500-100kg)、マイクロ衛星(100-10kg)、ナノ衛星(10kg以下)とさらに分けられる[13]

宇宙ステーション:宇宙空間に人間が生存できるよう設計された構造物。推進・着陸装置が無いという点で他の有人宇宙船とは区別される。

原子力衛星:原子力を動力源とする衛星。宇宙開発初期に、米ソによって複数打ち上げられたが、2023年時点では軌道上に存在しない。ソ連のコスモス954号はカナダに落下した。

テザー衛星:テザーと呼ばれる細いケーブルで他の衛星と繋がれた衛星。

衛星コンステレーション:数十から時には数千を超える多数の衛星を組み合わせた衛星システム。

構想

太陽光発電衛星:軌道上で太陽光発電を行い電力をマイクロ波などで地上に送る衛星。「宇宙太陽光発電」を参照。

掃除衛星:デブリを除去する目的の衛星。2020年度を目途に日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発に乗り出した[14]。デブリに導電性のテザー(紐)を取り付けて軌道を下げ大気圏に突入させるというアイディアが提唱されている(テザー推進も参照)[15][16]。テザーの開発は漁網メーカーの日東製網が協力している[17]。名称は暫定的なものである。

軌道の種類「人工衛星の軌道」および「人工衛星の軌道要素」を参照.mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  低軌道   中軌道   国際宇宙ステーションの軌道   GPS衛星   対地同期軌道

世界初の人工衛星スプートニク1号地球周回軌道に打ち上げられた。現在、この種類の軌道が最も一般的なので、軌道名に地球を省略することが多い。地球周回軌道はさらに、高度、軌道傾斜角、軌道離心率によって分類される。
中心による分類

銀河周回軌道
銀河の中心を周回する軌道。地球の太陽は銀河系銀河核を周回しているので、この軌道に分類される。

太陽周回軌道:太陽の周りを周回する軌道。太陽系では全ての惑星、準惑星彗星小惑星はこの軌道に属する。人工衛星がこの軌道に入ると人工惑星とも呼ばれる。

地球周回軌道:月のように地球の周りを周回する軌道。2006年時点で、およそ2465機の人工衛星がこの軌道に存在する。

月周回軌道:地球の自然衛星である月を周回する軌道。月探査機を参照。(平均高度384,403 km、楕円-傾斜軌道)を回りながら地球も回る。

火星周回軌道火星の衛星のように火星の回りを周回する軌道。

高度による分類

低軌道(LEO):高度2,000km以下の地球周回軌道。国際宇宙ステーションなどはこの軌道に存在する。

中軌道(MEO):高度2,000kmから地球同期軌道(35,786km)までの地球周回軌道。

高軌道(HEO):地球同期軌道より外の地球周回軌道。

軌道傾斜角による分類

傾斜軌道:衛星の軌道傾斜角が惑星の赤道に対して傾いている軌道。


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